【自分のカラダのこと。よく知ってみませんか?】#27
おはようござます。smaile☺︎まもり隊/隊長Yumiです。
多くの患者さんのお口の状態を診てきた中で、長年すごく気になっていたことがあります。それは、歯磨きなどのセルフケアはすごく頑張っているのにあと一歩、二歩のところで健康な状態までいかなかったらり、健康になったとしても、直ぐに後戻りしてしまうケースで、歯ぐきが弱々しい状態の方がいます。
歯ぐからの出血を伴う場合は歯周病の疑いがあるのですが、改善に向かって健康な状態に向かうためには毎日の生活習慣の見直しと改善の実践が重要となってきます。
歯周病という病気はお口の中にいる常在細菌がきっかけで起こる慢性疾患です。常在細菌ということは、お口の中から1匹残らず追い出して駆逐することは困難で、不可能なことです。私たちが生きている限り彼らは一生お付き合いしていくパートナーなのです。なぜなら、私たちの体を守ってくいれる良い働きをする常在細菌もいるからです。人と常在細菌は助け合って生きています。私が、お仕事している時も、寝ている時も、遊んでいる時も・・・お口の中で健気に頑張ってくれているのです。
実は以前、実際にお口の中の細菌を見ることができる特別な顕微鏡で自分自身の口腔内細菌を実際に観察したことがあるんです。直前に歯磨きしていない状態だったので細菌の量も多く、あまりに元気に動き回る細菌達の姿にびっくりするのと同時に・・・私の意思とは関係無く、私の中で生きている彼らの存在に、ちょっと変かもしれませんが愛情がじんわりと湧いてきました。これは、私個人の感覚ですが子供を妊娠した時の感覚に近いかもしれません。変かもしれませんが身近に愛おしく感じる存在なんです。そんなふうに自分を知ることでこれからももっと自身の身体を大切していこうという気持ちにも繋がりました。
君たち!ありがとう!!今日も元気に頑張っておくれ〜!!と声をかけたくなるくらいです!(笑)
あ!でも間違えないでください!もし、皆さんの口腔内細菌をみても
「あっ!!これはマズイですよ!歯周病細菌のP.g菌がいます!」
とはならないですから、ご安心を。確認できるのは、あくまでも細菌の形態の違いだけです。球菌、桿菌、スピロヘータなどの種類の違いまでしかわかりません。だって口腔内には1,200種近くの細菌がいるのですから。
さて話は、逸れましたが・・・これらの常在細菌などの微生物は面白いことに単独で存在している訳ではなく、同じ菌種同士、あるいは異なる菌種同士とともにコミュニティーを作り生活しているんです!!
「へぇ〜!!まるで私たち人間の社会のようね!」
とある患者さんは言いました。
「そうなんです!歯の表面に一番始めにピタッとくっつく細菌は悪さはしない常在細菌なんです。この一番始めにくっついた細菌の伸ばした手に次の細菌がくっついて、またその細菌の伸ばした手に別の細菌がくっついて・・・そんな風に歯の表面で細菌がどんどん増えていくのです。助け合って協力しあっているようです。たくさん細菌が増えていくと、その中にちょっと病原性のあるものも増えてきます。〇〇さんなら、どのタイミングでお掃除したいですか?」
そう聞くと、
「悪い細菌達が増える前に掃除したいな!」
「私も同感ですね!」
「じゃあ、その見えない細菌たちを見えるよう染め出ししてわかりやすくしていきましょう。」
「アハハ・・・今日はどうだろう?前回は、ここにべったり付いていたから頑張って磨いていたんだけどなぁ・・・」
そんな話をしながら、自分の中に居る目に見えないものをイメージしてもらいます。そして病気に打ち勝ち、負けないために何が必要か、毎日の生活習慣で何が実践できるか話し合いをしていきます。
例えば、歯ぐき回復があともうひと息の方には免疫力の話もしています。
免疫力とは、外敵から身を守るために体に備わっている防衛能力の強さです。いざという時の底力のことです。この底力をいかにアップさせるかが、皆さんの気になるところで健康情報のTVなどをご覧になる方も多いのではないでしょうか?
その免疫力とお口がどう関係しているか、繋がりにくいところのようなので、そんな時はこうした図を見せながら説明しています。
「これは歯周ポケットの状態を表した図です。この場合だと歯周ポケットは5ミリくらいはありそうです。ちょうど〇〇さんの左上の奥歯にも5ミリの歯周ポケットがありますね。この図をよく見ると歯ぐきの上の方には細菌が浮遊していたり、また、歯周ポケットの中には歯石がついていますがどこかわかりますか?」
「なんか、すごいね・・・こんなにいっぱい細菌っているんですか?それに歯周ポケットの中にもこんなに!!びっくりです。私の奥歯もこんな風に歯石がたくさんついているんですか?それに、ここの歯ぐきは穴が空いているような・・・?これって何ですか?」
びっくりするかもしれませんが、私が言葉で説明するよりもこうて目から入る情報の方が理解しやすいので、いろんな資料を用意してその方が理解しやすいよう心がけています。
「そうですね。お口の中には100億個もの細菌がいると言われています。細菌達は生きていますから生存するためには生きていけるための環境と栄養が必要です。空気があるところにいる細菌の中には、酸性の環境や糖質となる砂糖と炭水化物が好きだったり、逆に空気のないところが好きな細菌は、アルカリ性の環境が好きでタンパク質由来のアミノ酸が主食なんですよ。ちょうど図で言うと上のあたり、つまり歯と歯ぐきの境目は2つの細菌の世界が入り乱れる場所。外と中が繋がる場所。人間の体の外と中です。あと例えるなら、お城とお堀かな?(笑)大事な場所を守るためにもこの結界を越えられないように守ってほしいんです!」(イメージとして松本城の写真をお借りしました。)
「なるほど〜!面白い!」とお城好きな方はきっと喜んでくれるはず!
興味がないと、聞いていても自分ごとにはならないので、いろんなことに繋げると楽しめるかもしれません!
「先ほど、気づかれた歯ぐきに穴が空いているような・・・というところ。この2箇所ですよね?これってなんだと思いますか?」
患者さんも何だろうか?と首を捻りながら考えてくれます。
もし自分の知らないところで、歯ぐきがこんな状態になっていたら・・・皆さんならどうしますか?
①もっと知りたい
②いや!知りたくない
③怖いから、どちらとも言えない
どれが正解とは言いません☺︎
気になったらその時は、ぜひ読み進めてくださいね!
「この歯ぐきの内側は傷ついている状態なんです。歯周病細菌が出す毒素が原因で細胞が傷ついた状態を示しています。それは転んで擦りむいたひざ小僧のような状態です。血も出るし、浸出液も出てグジュグジュしている状態なんですよ。細菌は毛細血管から体の中に侵入して・・・」
「あっ!歯周病菌が全身の病気に関わっている話を聞いたことがあります!そういうことですか?」
今まで、知っていたことがやっと繋がってスッキリした様子です。
「大事な鍵となるのが、体の中に侵入してくる歯周病菌と戦ってくれる自分の体の中に居る免疫細胞です。免疫力が高いうちは問題ありません。でも疲れやストレス、気温の変化などで体調が崩れ免疫力が落ちると歯ぐきが腫れたりしてませんか?」
細菌大戦争では細菌と戦い私たちの体を守り、高めてくれ免疫力が大きく関与してきます。そう!頑張って細菌と戦う免疫細胞の力です。私たちの歯ブラシやデンタルフロスが届かない場所でも頑張ってくれているのですが、実はこの免疫力は歳とともに衰えていくものなんです。他にもストレスや、寝不足、食生活の乱れなども関与しています。
なので前回のイラストは、そんな戦う免疫細胞を擬似化しイメージしてみました。
色んな飛び道具を使う免疫細胞もいれば、指令を出したり、敵を捕食したりする免疫細胞もいたり、まるで漫画の「はたらく細胞」さながらの擬似化ですが素晴らしい働きをしています。
そして、戦う力を底上げするために歯科衛生士がサポートできることとしては、免疫力アップにつながるお話もしています。
今日はこの辺で。次回はその免疫力アップにつながるお話をしたいと思います。
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歯磨き指導や、歯のお掃除だけでは、患者さんを健康に導くことができないと感じた時から、どうすればいいのかずっと悩み、解決策がないのか学んできました。同じように悩んでいる方は、もしかしたら一番なステップをを忘れているかもしれません。
もし、同じように悩んでいる方がいたら力になりたいです。
またこの投稿を読んでご自身のお口の健康について、疑問や質問があればぜひコメントくださいね。☺︎
この投稿が皆さんの笑顔に繋がる架け橋となりますように!
最後まで、読んでいただきありがとうございました!
smile☺︎まもり隊/隊長Yumi