土村芳(かほ)
女優・土村芳。
とても清楚で存在感のある女優である。
僕が最初に彼女を観たのは、ドラマ「恋はヘタでも生きてます」だ。
脇役だったが、彼女が出て来ると、画面に惹き付けられた。
その次に観たのは、NHKスペシャルドラマ「二十四の瞳」の主人公・大石先生を演じる彼女だった。
もちろん、「二十四の瞳」の映像化と言えば、木下惠介監督、高峰秀子主演の映画がいちばん有名である。
しかし、「昭和の女性」の雰囲気を持つ土村芳版も、これはこれで泣かせて感動させられたのである。
彼女には「他人を受け入れる優しさ」が絶えず付き纏う。
それが他の女優に無い、彼女ならではの「魅力」なのである。
これもNHKドラマだが、「ライオンのおやつ」。
土村芳演じる主人公。普通のOLなのだが、カラダに不調を感じ、医者に診てもらうと、末期のがんに罹っていた。
一人で生きて来た彼女は絶望する。
そんな時、孤島に「余命いくばくも無い患者たちが集うホスピス」の存在を知る。
何もかも捨てて、その「ホスピス」に向かう。
「ホスピス」では、患者のリクエストに応じて、毎日「患者の味を忠実に再現したおやつ」を出す習慣があった。
「死」へと向かう主人公の「儚さ」が土村芳にはよく似合う。
そんな土村芳(かほ)という女優さんが僕は大好きである。