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冬の花 悠子

小説「冬の花 悠子」を呼んだのは本当に偶然の事だった。

「わが青春の黒澤明」という本を読んでいて、著者が書いたこの本の事が載っていて、興味を持ち、買い求めたのである。

植草圭之助

植草圭之助。

黒澤明

黒澤明の盟友であり、映画「素晴らしき日曜日」「酔いどれ天使」の脚本を書いている。

この小説は、彼の「太平洋戦争中の原体験」に基づいた「フィクション」なのだ。

吉原遊廓
吉原遊廓の「顔見世」
吉原遊廓の「顔見世」
吉原遊廓の建物
吉原遊廓で遊ぶ男性客
吉原遊廓の内部
吉原遊廓の中庭

戦争中のある日、主人公の若い男性は「吉原遊廓」を訪れる。

そこで会ったのが「遊女」である「悠子」である。

当時の「吉原遊廓」は厳格な規則に縛られ、「遊女たち」は「籠の鳥」。一切、遊廓の外に出る事は出来なかった。

彼女たちの平均寿命は20歳。その多くの遺体が身元が分からず、吉原のお寺に合葬されたという。

主人公は「悠子」に惚れた。

そして、彼女を「足抜け」(遊廓から脱走させる事)させようと試みる。

鼻の先も分からぬ暗闇の夜の帷、二人は手に手を取り合って、深い堀で囲まれた「吉原遊廓」を「脱走」するのである。

もちろん、「遊廓」の「主」はたくさんの雇い人を使って、「悠子」らを追いかけ、江戸中を探し回る。虱潰しに。

二人の運命は如何に・・・

そこにはとんでもない「悲劇」が待っていた。

という物語なのだが。

植草圭之助は「映画の脚本家」という事もあって、「エンタテインメント性」がすこぶる強いとでも魅力的な小説なのだ。

初めて読んだ時、僕は鳥肌が立ち、しばらく感動で呆然としていた。

「テレビドラマ」の製作に関わっていた関係で、40年近く前から、この小説を映像化したいと思っている。

但し、「吉原遊廓」のセットを建てなければならず、膨大な制作費がかかる。

誰か、「ドラマ」か「映画」にしてもらえないか❓

夏目雅子
夏目雅子

読んだ時、「悠子」の「イメージキャスト」は「夏目雅子」だった。

今なら、一体誰だろう❓

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