木下恵介「お嬢さん乾杯!」「夕焼け雲」
黒澤明監督作品は全て観たが、やはり木下惠介監督作品が格段に好きだ。
黒澤明映画は「西洋料理」。
木下惠介映画は「日本料理」。
やっぱり日本人なんだから、「木下惠介」に惹かれるのは当たり前だと、僕は思う。
今回、この2作品を初めて観て思ったのは、「非常にテレビドラマ的な事」。
そして、なんか「フランスの昔の映画」を観ている様な錯覚に捉われた。
木下惠介監督に「助監督」として付いたのが、脚本家・山田太一である。
木下惠介と共に、「映画界」を離れて、「テレビドラマの世界」に入って来た。
今日観た映画の内容について、述べるのは避けるが、木下惠介にしか撮れない映画であるのは間違いない。
しかも、どの作品でも「音楽」の使い方がビックリするほど巧い。
「音楽」の担当は実弟の木下忠司で、この人は「水戸黄門」のテーマ曲も作曲している。
とにかく、今日の午後は「木下惠介作品」を久々に観られて、「幸福な時間」が過ごせた。
黒澤明は「勝者のドラマ」だが、木下惠介は「敗者のドラマ」。
それを受け継いだのが、弟子・山田太一と言えよう。