導く者。受け継がれていく物。
「カツカツ」と、黒板にチョークで板書を書いていく。
現在35歳、私、成川奏は教師として中学校で勤務し、日々国語を生徒たちに教えている。
国語なんてものは自分が中学校のときは大嫌いもいいとこだったが、ある先生の言葉で日本語、いや、言葉の面白さに気づかされたというか、興味を持ち始めたのだ。
その先生は授業もいい加減で、下ネタばかりを連発し女子からはあまり人気ではなかったが、やるときはやる先生だった。
先生が高校の時は学年一二を争うほどの成績だったらしく、案外、普段しゃんと