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その昔『天才少女』と呼ばれたフジコ•ヘミングさんにリスペクト🎵【エッセイ】

『フジコ・ヘミング』と言えば『ラ・カンパネラ』

『ラ・カンパネラ』と言えば『フジコ・ヘミング』

そう、今年4月に亡くなられたピアニスト。
生涯現役で命の限り奏で続けた音色は、聴く者の心に光を灯した。
彼女の名前はフジコ・ヘミング

少し前テレビの特集番組で、生前のフジコさんの
生活が写されていた。
何気に見たその番組から目が離せなくなった私。

90歳を超えて尚、リサイタルに向かって活動しておられた。

スウェーデン人の父と、日本人の母の間に生まれた彼女は、ピアニストだった母から厳しいレッスンを受け、『天才少女』として注目される。

その後ドイツに留学し、世界的音楽家のレナード・バーンスタインから才能を認められ、リサイタルを企画するも、直前に思わぬアクシデントに見舞われる。

16歳の時に中耳炎で右耳の聴力を失っていた彼女は、その時、風邪を引いたことで左耳も聴こえなくなってしまう。

あと少しというところで夢が破れ、涙も枯れ果てるほどの失意の中にいた。

それでも、彼女はいつも神に祈り、弱い立場にある人に寄り添い、小さな生命にも愛を与え続けた。

その後、聴力が回復した彼女のピアノが、多くの人々の心を打つことになる。
それは、どんな逆境にあっても、
決して希望を失わなかった彼女の魂そのものに触れたからであろう。

『間違ったっていいじゃない。機械じゃないんだから。』

『フジ子・ヘミング魂のピアニスト』(求龍堂刊)の中で、心で音楽を聴くことの大切さについて、そう語っている。

その美しく、命の輝きそのものとも言えるピアノの音色で、多くのファンを魅了したに違いない。

決まった枠にとらわれず、自分を信じて貫かれた生涯に私は感服した。

病床につきながらも、夢や希望を失わずイキイキされているその姿に驚きと感動を覚え、
番組を見終わった私は泣いていた。

カンパネラとはイタリア語で鐘のこと。

いつまでも天国から鐘の音が、
鳴り続けていることだろう🎵

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