帰ろう
さて、クリスマスに退院が叶うのか…
翌日、M先生が病室にやってきて「Manaちゃん、クリスマスに退院OK!」と言ってもらいました。
そうと決まると親に連絡をして、帰る時の服装を決めたり化粧ポーチを持ってきてもらうように頼んだり笑
肝心な脚の方は、1/4荷重で帰るので日常生活は全て松葉杖です。
病院の中は、ほぼ車椅子だったし松葉杖で1人で歩いて良いよって言われて病棟の中は歩いてたけど売店に行く時は車椅子だったし大変さを分かっていなかったなぁと今はすごく思います。
とにかくクリスマスには家に帰りたい!その一心でしかなかったので、帰ってからの生活の大変さなんて全く考えていませんでした。
退院日が決まると、リハビリも退院に向けたものに変わっていきます。
坂道の登り方、床からの立ち座り、階段の上り下り、お風呂の入り方を教わっていきます。
1/4荷重の感覚は、脚は地面に着地しているけど重心は反対側の脚と松葉杖を持つ腕にほぼかかっている…まるで生卵の上に脚を乗せているような感じです。
なので、バランスを崩して術脚で踏ん張ってしまったらアウト。
その状態で、湯船も入る練習をします。
坂道と階段は、上りは大丈夫!
下りが松葉杖を前に出し、脚を揃える時にバランスを崩しそうで恐怖心が芽生えました。
お風呂は、家のお風呂も手すりがないと話すと手すりを使わないで出来るようにまず浴槽の縁に手をかけて術脚と反対の脚から入ります。
そして、術脚は後ろに伸ばした状態で浴槽を跨ぎます。
湯船の中に立ったら、浴槽の縁両側に手をかけて術脚はまっすぐ前に伸ばすようにして反対の脚でゆっくり湯船に入ります。
出る時は、術脚から出て入る時の動きを逆再生します。
リハビリが退院に向かって行く中、両親は私を迎えるために家の中を改革してくれていました。
先生に、ベッドはマットレス込みで高さ50センチ以上は必要とかお風呂の椅子の高さとかあれこれ聞いて…
本人は帰ることしか頭になくて、帰ってからの生活は病院でも出来ているし大丈夫!と根拠のない自信を持っていました。
この頃の私の毎日の楽しみといえば、今では大親友Sさんのお昼寝が終わるのを待って(この頃50歳になるかならないかだったかな?)リハビリと称して売店までお散歩に行くことでした。
Sさんはあんバターパンが大好きで、見つけると必ずと言っていいほど買っていました。
戦利品を手に病棟に戻って、2人でおやつタイムをしているとSさんは私を見て「Manaちゃんはどんどん痩せて行くのに、私はどんどん体重が増えてるよー」と言ってよく笑っていました。
退院日が近づき、病院で出会った友達と連絡先の交換をしました。
待ちに待った退院の日、家での生活はどうなることやら…