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見てくれている人がいる

高校を卒業するまでは、私は経過観察で診察に通っている程度で相変わらず体を動かすことが大好きで出来る範囲で体育もスポーツもやっていました。

小学生の頃は、クラス替えのたびに担任の先生が私の脚のことをクラスメイトに話をしてくれていましたが中学の頃からはそれも無くなり私自身も多少びっこは残っていても普通に歩いたり走ったり出来ていました。

高校は女子校、体育の授業中に嬉しかったことがありました。
その時の体育の先生は女の先生で、授業中に話しかけられて「脚、どうした?」と。

私は元々、隠そうと思ってはいないので今までの経緯を話したら「そうか〜、大変な思いしてるんだね。無理しなくて良いから、何かあれば相談して!」と言ってくれた先生がいました。

初めて、そんな風に声をかけてくれる先生に出会いました。

学校の中に、分かってくれる先生が一人でもいると思うだけで心強くて本当に今でも感謝しています。

高校を卒業してすぐ、私は就職しました。
3人兄弟の長女、大学に行きたい気持ちも強かったけど自分の中で諦めて就職を選びました。

あの時、進学を選べば良かったな…
もっと親に相談すれば良かったかな…と、今は少し後悔しています。

私の人生は、今と違ったものになっていたんじゃないかって時々思うのです。

ところが…

就職してすぐ脚に痛みが出始めました。

選んだ仕事は、ケーキ屋さん。
1日中、立ちっぱなしの仕事でした。

就職前、たまたま診察があって主治医からは渋い顔はされましたが人が好きで事務職も面接に行きましたが就職氷河期でどこを受けても決まらず…

自分の思うままに受けてみた、地元では有名なケーキ屋さんでその場で採用の返事をもらえたのでやってみなきゃ分からないじゃん!という気持ちで就職を決めました。

入社してみたら最高に楽しくて、ケーキの名前も値段も味の特徴もラッピングも同期の誰よりも早く覚えて店頭に立ちました。

大変だけど、まだまだここで働きたい!

そんな矢先…

足に痛みが出始め、診察を受けたら手術の話が持ち上がりました。

もう、小さい頃から高校生くらいまでに一回は手術が必要になるだろうと言われ続けて何事もなく学生時代を過ごしてきたのに。

主治医からは立ち仕事はダメだと言われ、やりがいを感じていた仕事を辞めざるを得なくなりました。

その時、新人の私を引き留めてくれて何とか居られない?と言ってくれた職場の上司。

まだまだ、覚える事が山積みだった新人だったのにお給料も仕事を評価していただき口座に入った金額を見てこんなにもらって良いんだろうかと思ったほどでした。

今でも私の誇りであり自慢です。
許されるなら、術後すぐに復帰したいと思うくらい良い職場でした。

後ろ髪を引かれる思いで退職し、私は手術に向けて動き出しました。

抜釘を含め、4度目の手術を迎えようとしていました。

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