自閉症とバクテリアセラピー

自閉症の発症に腸内細菌が関係していることが分かってきています。
折れ線型自閉症は殆どが抗生剤使用後の退行だという報告があり、生まれつきの自閉症とは発症原因が違うとも言われていたりします。

自閉症の人は慢性の消化管症状(便秘、下痢)があったり、アトピー、喘息やアレルギー持ちの人が多いですよね。

2016年にアメリカからロイテリ菌は自閉症に効果があるという論文がでました。

この論文では、肥満マウスから生まれたマウスが示す、ASDに似た社会行動異常が腸管内のロイテリ菌の存在だけで説明できるという話です。

しかももともと自閉症に効果があると期待されているオキシトシン分泌をロイテリ菌が誘導して社会性を回復させるとのこと。

更に同じテキサス・ベイラー医科大学からの論文で、まさに様々なマウス自閉症モデルを用いて2016年の論文結果を確認し、ロイテリ菌の効果が様々なASDにも期待できることを示唆しています。

(Sgritta et al, Mechanisms Underlying Microbial-Mediated

Changes in Social Behavior in Mouse Models of Autism Spectrum Disorder(ASDのマウスモデルの社会行動の変化の背景にある細菌叢を介するメカニズム) Neuron 101:246, 2019)。

この論文では、Shank3Bという遺伝子が欠損したマウス、自閉症様行動の多発するBTBR系統の2種類の遺伝的モデルを用いて、ともに腸内でのロイテリ菌が低下していること、異常行動はロイテリ菌を飲ませることで回復させられることを示しています。

さらに妊娠マウスにHDAC阻害剤を投与して誘導した後天的自閉症にもロイテリ菌が効果がありました。

様々な自閉症モデルでロイテリ菌の効果が確認されています。

乳酸菌には植物由来と動物由来がありますが、ロイテリ菌はヒトの母乳・口腔由来で、実は膣にも存在しています。

日本人の保菌者は減っていってて、今は7~10人に1人。
しかし、自然に近い生活をし、薬をほぼ使わないパプアニューギニア人は全員保菌しているというデータがあります。

ロイテリ菌の効果

・胃腸を強くする
・カンジダ菌抑制
・ピロリ菌抑制
・急性下痢の発症が減少(DSM 17938株)
・下痢・便秘の改善
・オキシトシン分泌を誘導
・記憶力改善
・サイトカイン産生の抑制
・毛髪の成長を促進
・精子の産生促進
・乳児の夜泣きの緩和
・歯周病菌抑制
・口臭の原因菌を抑制
・鉄分のバランスを整える
・重度~中度の歯肉炎緩和
・血中のビタミンDレベルを上げる(NCIMB 30242株)
・アレルギー抑制(アトピーも緩和)
・セロトニンの前駆体を生成

ヒト由来だから、絶対に必要な菌。
口の中の菌質は全身の健康に関わるので、乳幼児健診や歯医者でフッ素の代わりにロイテリ菌を塗るのが当たり前になればいいのにと思っています…😌✨

虫歯菌、歯周病菌、カンジダ菌を抑制する乳酸菌はL8020も注目されていますね🍀

発達障害の人は口腔内の菌が腸まで落ちてきていることが非常に多いです。
菌を抑制するのにもロイテリ菌は役にたつかもしれない。

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