体幹力さえあれば
「体幹力」とは、身体の中心部分の安定性を示します。具体的には「胴体」の剛性やバランス力などで、体幹がしっかりている(体幹力がある)ということは、身体の軸がぶれにくくなります。
身体の軸とは、どこにあるのでしょうか?
体幹、いわゆる胴体を構成するのは、背骨(脊椎)と内臓を収めている腹腔、それらを取り巻く腹筋や背筋、骨盤底筋、横隔膜などの筋肉であり、これらの筋力があって、それぞれの筋肉が連携してバランスをとることで、身体の中心である軸を作り出します。
下腹部を引っ込めるようにお腹に力を入れると、自然に胸が前に出て、両肩が後ろに引っ込み、両側の肩甲骨が寄って、顎が引けるのを実感できると思います。これが、良い姿勢といえます。
この状態をキープしようとすると、結構、辛く感じるのではないでしょうか?注意すればできるけど、脱力すると姿勢が悪くなってしまい、そのまま凝り固まってしまうとよくありません。
意識してお腹を引っ込め、良い姿勢を保ち、大股で若々しい歩き方をしたいものです。
体幹力が高まると、姿勢や歩様が美しくなり、ウエストが引き締まり、代謝が高くなるので肥満も予防できます。このような外観的なメリットは、誰しもが認めるところですが、実は、体幹力が高まることで、転倒や墜落、腰痛や怪我などを防ぐこともできるようになります。
日常の動作や行動に安定感が出ます。特に加齢によって体力や体幹力が低下した状態だと、無意識に行う動作や繰り返し行う習慣的な行動によって、転倒、腰痛、過労などの健康に関わる問題が起きやすくなります。
これを「行動災害」と言います。
若く体力があれば、行動災害はあまり心配することはありません。
しかし、加齢によって体幹力はもちろん、認知能力や判断力が低下してしまうと思わぬ事故や怪我にあう可能性があります。
これらを予防するために、日常的に体幹力を意識し、トレーニングをすることをおすすめします。
人生100年時代に、安心して暮らしていくために、体幹力はできるだけ長く維持していきたいですね。