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人生100年時代の「軽労化」

「LIFE SHIFT (ライフシフト)」という世界的なベストセラー書籍があります。2016年に出版された本で、リンダ・グラットンとアンドリュー・スコットによって書かれたものです。

この本は、「100年時代の人生戦略」をテーマとしていて、平均寿命の伸びに伴い、従来の、「教育 → 仕事 → 引退」という3ステージ型の人生モデルが機能しなくなる時代になる。としています。

医療技術の発展や衛生的な生活などで、人の寿命、健康寿命が伸び、100歳まで生きるのが普通になる時代が到来した場合、従来のキャリアのパターンではなく、学び直しやキャリアの変遷、新しい挑戦が必要になると言われています。

長寿社会では、「お金(金融資産)」だけでなく、「健康」や、これまでの仕事や趣味で培った「スキル」、「人間関係」などの無形資産が重要で、キャリア形成の鍵となります。

また、従来のように一つの会社、組織に人生を捧げるのではなく、キャリアの途中でリスキリング、アンラーニング(学び直し)、ネットワーキング(人脈のメンテナンス)などを行うなど、従来の常識にとらわれず、柔軟な生き方が求められます。

すでに、60歳を超えて働く人、働く意欲のある人が増えています。また、フリーランスで働く人、副業も解禁されるなど、LIFE SHIFT に書かれていることが社会で起きはじめています。

私たちの「軽労化」プロジェクトは、この「LIFE SHIFT」と親和性が高く、高齢化社会、長寿化時代において「健康」が最も重要な無形資産であると位置付けています。心身の健康、社会的に孤立していないことが、これからどんどん伸びていくキャリアの持続可能性を高め、個人の幸福度や生産性の向上にも繋がります。

「軽労化ナビ」は企業向けのサービスですが、従業員が自らの健康や労働安全に対して意識をむけ、ウエルネス経営の根幹をなす「人的資本投資」として活用してもらいたいと考えています。

当然、「健康経営」に寄与し、生産性向上や離職率低下の防止、有利な採用活動にも貢献します。

「スマートスーツ」に関しても、加齢とともに低下する体力に起因する腰痛などの行動災害の不安が企業の生産性や安全性のリスクや個人のキャリア選択を制限しないツールとしての活用が求められます。

副業が当たり前になった場合、労災リスクは誰が取るのかということが気になりますが、基本的にはきっかけは企業が与え、継続は個人が行うことになると思います。スマートスーツも幅広い年齢層や業種で使われるようになると考えています。

人生100年時代では、「健康」が最も重要な資産となります。健康は個人に帰属するものですが、企業にとっても従業員の生産性を維持するために、健康経営や職場環境の整備に積極的な投資をすべきであり、これは単なるコストではなく、持続可能な成長戦略であるとの認識を持っていただきたいと思います。