スマートスーツで腰痛不安をなくそう
この10年、アシストスーツは世界中で開発されていますが、目的や用途について、当社を含む、各メーカや販売店がその選び方をユーザにしっかりとお伝えできていないように思います。
私たちが開発するスマートスーツは軽労化を目的にしています。軽労化とは、作業によって身体にかかる負担と疲労を軽減して、腰痛等の疾病を予防することであり、作業をするという身体に対する運動刺激によって、体力を維持・増進するというものです。これは、「できないことはできない(でも、楽にする)」技術です。
一方で、増力化を目的としたアシストスーツも開発されています。これは「できないことを、可能にする」技術です。筋力をアップさせます。
増力化の方がビジュアル的なインパクトが大きいので、ついつい目に入ります。ロボット=強いという刷り込まれたイメージもあるのでしょう。
あと、どこの何を、どのような機構でどうアシストするのかという点もしっかりと見極めたいとところです。
スマートスーツの場合、中腰姿勢時に上半身を支える脊柱起立筋の筋力を背中に配置したゴムの収縮力でサポートしつつ、そのゴムの収縮力が腰周りにも作用し、腹横筋、腹斜筋など体幹を安定する筋力を補助することで、腰の関節への負担を軽減させることで、腰痛を予防します。
先日、石川県の工業試験場からのプレスリリースが日本経済新聞に掲載されました。この記事では、背中などに弾性体を配置して中腰になると腰に負担がかかると書かれていますが、スマートスーツは中腰になった際に上半身を支えるのと同時に体幹を安定化させますので、腰痛リスクは低減されます。
確かに、首から腰にかけてゴムを配置しただけだと、ゴムの収縮力は身体を引き起こそうとする筋力の補助にはなりますが、ゴムの収縮力が椎間板内の圧力を高めるというリスクはあるかもしれません。
スマートスーツはその時、同時に腰回りのコルセットのように引き締めることで椎間板内圧力が高まらないよう配慮しているのです。
腰痛は8割の人が経験する疾病です。一度、腰を痛めたことがある人は、そのつらさを知っていますから、常に腰痛の不安を感じながら作業することになります。その感情が結果的に腰に負担をかけない姿勢になりますから、腰痛リスクは減るようです。
でも、加齢とともに腰痛リスクは増えるものだし、不安を抱えながら作業はしたくないので、スマートスーツを常時着用することをお勧めします。