見出し画像

スタッフのエンゲージメントを高めるインナーブランディング

少子高齢化と人口減少で、今後は長期的に人手不足が続くと言われています。

人手不足に対応するために、製造業などの現場では自動化、機械化、ロボット化などを推進しようとしていますが、現場には「人」でなければできない仕事も多くあり、ロボット化や機械化などへの投資が難しい企業も多くあると思います。

最近は人材の流動化も進んでいて、転職も容易になってきました。外資系の企業が進出し、高い給与で人を集めている事例も聞かれます。中小製造業などでは、ますます人を集めるのが難しい時代になってきました。


スタッフの離職を防ぎ、できるだけ長く組織に定着してもらうためには、スタッフのエンゲージメントを高めることが有効です。

エンゲージメントとは?

スタッフのエンゲージメントとは、組織に対する愛着や思い入れ、所属していることの誇らしさ、働きやすさなどがあります。また、仕事に対して、働きがいや達成感、成長を実感できる、高い報酬などがあります。つまり所属性に対する情緒的、機能的な充足感があることを言います。

エンゲージメントを高めるためには健康経営に取り組むことが有効と言われています。健康経営を推進している経済産業省のWebページを見ると健康経営について下記のように定義されています。

「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。

経済産業省 「健康経営」

健康経営には一定の要件を満たすことで「健康経営銘柄」や「健康経営優良法人」といった認定や表彰の制度があり、社会的評価を高めることができます。しかし、認定されることが目的ではなく、「あるべき状態」になるために健康経営を実践することが重要です。

この「あるべき状態」というは、組織によって事情が異なります。健康経営に日程されることによって社会的評価を得ることで、取引先に好印象を与えるとか、ホワイト企業であるイメージを作り採用活動を有利にするといった状態もあるでしょう。

ここでは、スタッフのエンゲージメントを高めるための健康経営ついて考えてみましょう。

スタッフのエンゲージメントを高めるブランディング

ブランディングについて考えてみましょう。
ブランドとはプロダクト、サービスなどの活動について、顧客(対象者)からの強い支持を得ることを言います。競合するブランドに対する区別され、優位性を得ることでブランド力は高まります。

ブランドはブランドの所有者からどのような発信がなされるかということについて注目されます。センスの良いネーミング、ロゴマークなど視覚的に訴求されるシンボル(象徴)に目が行きますが、それらは重要だけれども本質的なものではありません。シンボルは他のものと区別する標識や記号なのです。

ブランドを評価し価値を高めるのは、そのブランドの受け手であり、受け手の思考や心にどのような好ましい影響を与えるかということです。それは、ブランドに接した時の満足感であったり、優越感、誇らしさ、心地よさ、機能性などで言い表すことができます。

つまり、顧客に共感される品質や機能、ストーリーやヒストリ、背景などがしっかりと整備され、戦略的に提供されることが重要なのです。

インナーブランディングとアウターブランディング

ブランディングにもアウトとインがあります。
アウターブランディングは組織の外の人に対して行われるブランディング活動で、他と区別されるためにネーミングやロゴマークなどのシンボルが必要になります。また、それらに付帯される物語を説明するためにWebサイトやチラシなどの媒体が必要です。顧客との接点を作るため、知ってもらう(認知性を高める)ために広告やイベントなどが有効な手段になります。
これらは一般的にイメージしやすいブランド活動と言えるでしょう。

では、インナーブランディングとは何でしょうか?
それは、組織の中の人に、組織についてよく知ってもらう。経営者の考え方や今後の方針などに理解をしてもらい、共感し、ともに歩んでいくための活動になります。
かつては研修制度や朝礼あるいは会議などで、組織の幹部からスタッフに上位下
達として指揮命令によって行われてきました。組織である以上、指揮命令系統は必要ですが、価値観を押し付けても反発を受けるだけです。反発を抑え込むために高い給与を支払ったとしてもエンゲージメントは育ちません。

エンゲージメントは、ブランドと同じように愛情や信頼といった感情によって形成されるものですから、スタッフのエンゲージメントを高める活動は、まさにインナーブランディングの手法を活用すべきでしょう。

封建的で上位下達の指揮命令系統によって統治されている前時代的なマネジメントが当たり前とされている企業が急に、「スタッフと共感」みたいな文化に転換するのは内部(幹部)の抵抗も大きいだろうし、まず気持ち悪いですね。

エンゲージメントを高めるインナーブランディングには、いくつかの手法がありますが、私たちが提供している「軽労化ナビ」はそのコンテンツのひとつになるでしょう。

企業によってエンゲージメントを高める方法はひとつだけではありません。まずは課題を抽出し、どのような状態にあるべきなのかを明確にすることが重要です。

「軽労化ナビ」では、規定のプログラムを提供するだけでなく、顧客組織のあるべき姿をともに考えるコンサルティングサービスも提供しています。