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業界知識オンボーディングのこれまでと、得た気づき/学んだこと


スマートラウンドでエンジニアをしている福本です!

スマートラウンドでは、スタートアップや投資家に関する法律や慣習、業界動向といった、ドメイン知識を学ぶオンボーディングプログラムを実施しています。社内では"業界知識キャッチアップ会"と呼んでいます。

スマートラウンドに入社される方の多くは、金融や法律などのドメイン知識をまだ身につけていない状態で入社されていますが、皆様にバッチリ活躍して頂けるような仕組みになっています。

そこで今回は、当社で実施している業界知識オンボーディングについて、これまでの変遷や工夫、取り組みから得られた学びをお話ししたいと思います!

「スタートアップ・エコシステムへの理解はまだこれからだけど、とても興味がある」「スマートラウンドのオンボーディングを知りたい」という方は、ぜひお読みいただけると嬉しいです🙆‍♂️


📚背景:業界知識キャッチアップ会とは

このキャッチアップ会は、毎月フルタイムで入社される方を対象に「1日30分」のMTGを「約1ヶ月かけて」実施しています。目次だけ共有すると、具体的には以下のような内容をお話しています👇️

実際に使ってる社内ドキュメントの目次部分です

実施する目的としては、変化の多いスタートアップ・エコシステム周りのベースの知識を身につけ、その後の仕事に活かすことです。各事業部での仕事はもちろん、全社ミーティングでの会話やその後の業界のアップデートについて行きやすくなる…といった効果を目指しています。

前提として、このプログラムは元々CTOの小山さんが新入社員のエンジニアに対して実施していたものでした。これについては、過去のCTOオープン社内報で小山さんが触れてくれています👇️

そして、そのキャッチアップ会を約1年3ヶ月ほど前から福本が引き継ぎました。最初はエンジニアだけを対象にしていましたが、その後全職種に展開し、さらに講師も社内の他のメンバーが実施するなど、徐々に発展させてきました👌

本日は、そんなキャッチアップ会のこれまでの変遷や、巻き取り・全社展開に至るまでの工夫、その過程で自分が学んだことをお話していきます。

🐣オンボーディングの”育て方”

当事者意識から出発して、アンテナを張る📡

当たり前ですが、私自身もはじめは小山さんからキャッチアップ会を受ける立場でした。元々ファイナンスやスタートアップに興味があり、業界の仕組みを学ぶことが楽しかったというのもあり、とても楽しく学べたのを覚えています(以下の入社エントリに色々書いてます👇️)。

一方、受講の途中からは、会社・チームの視点で考えて「これは自分がやるぞ!」と思うようになりました。小山さんの負担を考えると、誰かが引き継ぐ必要があると感じていたためです。

そこからは、「自分ならどう話すだろう」「自分は最初この部分が分からなかった」と、引き継ぐ前提でプログラムを聞くようになっていました。

最終的には、自分から小山さんに「やりたいです!」とお願いをして引き継ぐ流れとなりました。入社したての自分に任せていただいた小山さんに感謝です🙏

スモールサクセスを積み重ねる✅

私がキャッチアップ会を引き継いだ後の変遷は、以下のような流れです👇️ 焦らずに、段階を踏んで小さい成功を積み重ねていくことを意識しました。

  1. 最初の数回は小山さんが同席、進め方や話し方のFBをもらう

  2. 慣れてきた段階で、小山さんは任意出席者に(以降ほぼ1人になる)

  3. 2~3ヶ月分ほどの新入社員の方に実施し、大体の質問に答えたり、自分の見解を語れるようになる

  4. エンジニア以外を含めた、全職種向けに展開を提案し実施

  5. 福本以外のメンバーを講師として追加する

そもそもですが、4.全職種への展開については、引き継いだ当初から「やるべき」と考えていました。スタートアップや投資家についての基本的な知識は、職種に関係なく、スマートラウンドのメンバー全員が持ち合わせるべきだと感じていたためです。

展開していくにあたりぶつかった課題としては、スケジュールの調整面でした🤔。特にBizDevやCSの方はお客さまの対応や社外のミーティングなどが(時には急に)あり、エンジニアと比べるとスケジュール調整の難易度が高かったです。

事前案内をしているSlack

これに対しては、入社する前に実施スケジュールを組んでカレンダーの予定を先に入れておく、カレンダーの変更権限を渡して自由に予定を変更してもらうなどの工夫をして、ある程度ケアしています。

仲間を増やす👪

キャッチアップ会を全職種へ展開してからしばらくした後、他のメンバーにも講師を依頼しました。意図としては二つの理由があります👇️

  1. 講師の個人メリット低下: 質問パターンが把握できるなど、講師の成長機会(後述)が逓減

  2. 冗長化: 福本以外への負荷やリスク分散が必要

というわけで、社内で講師を募った & 自分から「やりたい!」と言っていただいた方に、講師をお願いすることとしました。講師をすると得られるメリット(後述)の共通認識が社内で得られていた点が、講師をスムーズに集められた原因かなと振り返っています。

講師の方には足を向けて寝れません(?)

2024年12月現在では、プログラムの内容をスタートアップ側と投資家側で分け、それぞれ2名ずつの講師が担当できる体制となっています。私は質問対応などのサポート役として参加する程度で、そこまで手が離れる状態になりました。

ちなみに、このnoteを書いていて気づいたのですが、新しく講師をしていただいている方は、みなさん過去に入社エントリに登場していただいた方でした🙌 アリガタイ

▼主にスタートアップ側を担当いただいているお二人

▼主に投資家側を担当いただいているお二人

内容を常にアップデート⬆️

上記以外にも、法規制の改正や新しい機能の追加に伴い、教材も随時アップデートしています。例えば、SO(ストックオプション)に関する法規制の変更やLP投資管理機能の追加などに関しても、内容を適宜追加して反映しています。

教材に盛り込むからには、内容をある程度を説明し、質問にも答えられる形にしないといけないので、中身をしっかり調べる良い機会になります。

🌟やってみて良かったこと

ここまではキャッチアップ会の過去の変遷を紹介してきました。この項目では、このようにキャッチアップ会を実施・改善してきて良かったと感じることを書いていきます✍️

1. 知識が常にアップデートされ、活きたものになる

スタートアップ業界は変化が早く、常に新しい情報をキャッチアップする必要があります。先述の通り、法規制の変化などがあれば教材をアップデートする必要があるため、最新の動向を追うための良い強制力となっています

また、受講されているBizDevやCSの方から現場でいただいた声を聞けるのも大きな学びになっています。単に座学的な内容をなぞるだけではなく、実態を伴った活きた知識にできるのはとても良い機会だと考えています✏️

2. 自信を持って業界や会社の説明ができる

採用面接での会社説明や友人/知人との会話など、社外の人に業界や会社について話す機会は多くあります。

キャッチアップ会での色々な経歴の方々との対話を通じて、どういったことが一般的に分かりづらいのか、どう説明すれば伝わりやすいのかが理解できるようになり、そうした場面での説明に自信がつきました。

実際に、講師をお願いした方の中にも「お客さまに向けた説明に活かしたい」という理由から手を挙げていただいた方もいました🙋‍♂️

3. 新入社員の方と自然に信頼関係を持てる

これは予想外の効果でしたが、毎月入社する方と必ずキャッチアップ会を通じて関わるため、新入社員の方との関係が自然に築けます

キャッチアップ会での雑談を通じて、その方の経歴や興味分野も把握できますし、実際のお仕事でも「この仕事は、あの人に相談すれば良いかも」といった判断がしやすくなります。

逆に、全員出社日の際に「キャッチアップ会でお世話になってます!!」と声をかけてもらえることも多く、「新入社員の方から絡まれやすくなる(?)」という点でも良い効果だと考えています(全員出社日については以下をご参考👇️)。

これからの課題👝

さて、ここまでうまく行った話を中心にしてきましたが、課題はたくさんあります。こちらで一部を紹介できればと思います👇️

1. 仕組み化ができていない

先述の通り、現状は意欲のある方に講師をお願いしたり、教材を順次アップデートするなどの形で運営が成り立っており、メンバーの善意に頼っている側面があります。

あり得ないほどの善意

これは長期的な視点で見ると、私が何らかの形でキャッチアップ会に関わらなくなると破綻する(かもしれない)、講師の数が(社員の増加に合わせて)適切に増えないなどの課題に繋がります。

ただし、現在はこの課題を認識した上で、単純に持ち回り制にするなどの過度に仕組み化することは避けています🤔

「新しく入社する方に120%力を発揮してもらう」という視点が欠け、回すことが目的になってしまうと、取り組みそのものが形骸化して無くなってしまう危険があるためです。

2. スケールしづらい(気がする)

上記の仕組み化とも少し繋がる点です。現在は月に一桁名程度の新入社員に対して実施していますが、これが今後組織が100人規模になり新入社員が月10人以上入ってくる…と仮定した場合に、どう実施していくべきかをちゃんと考えられていません。

新入社員が二桁の月が出ると調整も大変そうだし、職種によっての理解度や学び方の姿勢にもバラつきが出たりなど、課題が出てきそうな気がしています。実際はそうでもないかもしれませんが…🙄

先述の通り事前にカレンダーで予定をブロックしたり、開催の様子を動画化して多少の欠席にも対応するなど、いくつかの工夫は始めていますが、急激な人数増加への対応はまだ見えてません。

今の仕組みが通用しなくなってきたら、各部署ごとに分けて実施するなどが可能性としてはあり得そうかなと考えています。


まとめ

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

総じて、キャッチアップ会を引き継いで実施してきたことは、私個人にとっても、組織・会社にとっても非常に良い効果があったと感じています。

実際に全社ミーティングで新入社員の方から質問をする機会もよく目にするので、業界知識のベースラインを揃えるという目的は、ある程度達成できているのではないかなと考えています。

繰り返しになりますが、変化の激しいスタートアップ業界で、チームとして成長していくためには、こうした前提の知識が揃っていることはとても大事です。

「本や動画を見て勉強してね」だけだと、どうしても「やる人」と「やらない人」が分かれてしまいます。多少大変でも、新しく来ていただく方に活躍していただくための投資として、これからもキャッチアップ会を継続・改善していきたいと考えています👌

さて、この記事を読んでいただいた方の中には、「スマートラウンドやスタートアップ・エコシステムには興味があるけど、今はまだ詳しくない/これから学んでいきたい」という方もいらっしゃることと思います。

スマートラウンドでは、こうしたオンボーディングを通じて、必要な知識はしっかりとサポートしています。不安に思う必要はありませんので、興味を持っていただけた方は、ぜひ採用ページをご覧ください👇️待ってるぞ!!!