2024/11 CTOオープン社内報vol.16 『組織の変化への適応 〜カオスエンジニアリングから考える〜』
皆さんこんにちは!スマートラウンド CTO の小山( @doyaaaaaken )です。
このオープン社内報は、CTOである自身が普段「なにを感じて、どんなことを考えているか」について、月に一回、社内へ共有する試みです。
“オープン社内報” という名称のとおり、この文章の内容は一部編集した上で会社ブログに公開する予定です。
今月のテーマ
今月のテーマは「組織の変化への適応 〜カオスエンジニアリングから考える〜」です。
カオスエンジニアリングとは?
ソフトウェアエンジニアリングの世界には「カオスエンジニアリング」という概念があります。
もともとNetflixが提唱した考え方で、システムに「不確実性への耐性」を高めるために生まれた手法です。
かつては「システムは壊れてはいけないもの」という認識が強かったのですが、カオスエンジニアリングはこの前提を覆し、「システムは壊れるものであり、障害は発生するもの」として設計を進めます。
具体的にいうと、定期的にわざとシステムを「壊す」、例えばサーバのうちのランダムな1つを止めるなどして障害を意図的に発生させます。
「カオスモンキー」と呼ばれるプログラムが走っており、定期的にシステムの一部を勝手に壊すので、一部が壊れても全体が動くような信頼性高いシステムでなければすぐに止まってしまいます。(しかもこれをテスト環境だけでなく本番環境でも行います)。
「自社のシステムを自分たちで壊す」という一見何の得があるのかわからない奇異な取り組みに見えますが、これによりエンジニアはシステムの一部が壊れる前提でソフトウェアを開発する必要があり、システムの異常時の耐性が飛躍的に高まったという話として知られています。
つまり変化を前提とする思考・環境になったことで、変化に強いソフトウェアを生み出すことができ、Netflixのストリーミング配信のような非常に高いレベルの可用性が求められるシステムを作り出すことができたのです。
組織の変化を前提とする
では、この考え方を「組織」に当てはめてみたらどうなるでしょうか。
組織もまた、メンバー一人ひとりの変化が集まって成り立っています。
誰かが体調を崩すこともあれば、家庭の都合で突然休むことが必要になる場合もあります。
産休や育休、さらには異動や転職によるチームの構成変化は、どんな組織でも起こり得る自然な出来事です。
例えば弊社では、今年度にエンジニア3名が育休を取得しましたが、その際には組織の変化にエンジニアメンバーの皆さんが柔軟に対応し乗り越えてくれました。(育休取得は社会的にも推進されるべきことであり、「家庭と仕事の両立」をしっかり応援しつつパフォーマンスも継続できる組織を目指していきたいと考えています。)
また過去には創業期からCSを支えてくれたリーダーが起業するために弊社を退職したこともありましたが、現CSリーダーが困難な状況を引き継ぎ、じっくり時間をかけてより強いチームを創り上げてくれました。
他にも挙げるとキリはないのですが、創業から今に至るまで大小様々な変化がありました。
重要なのは「変化は起きるものいうことを前提として考えておく」ことです。
変化が起きた際にはそれをむしろチャンスとしてこれまでの業務を前提から見直しより良いものとしたり、変化が起きる前から備え適応力を強めておくことが大事です。
変化を抱擁し、成長する組織へ
組織に「変化への適応性」は重要です。
例えばUzabaseさんが以前「組織に対するカオスエンジニアリング」と銘打って、「キーパーソンが1週間まったくチームとコミュニケーションをとらない」という状況を意図的に作り出す「カオスWeek」という面白い取り組みを行っていました。(ブログ記事はこちら)
また僕自身も、毎年の夏季休暇で1週間ほど抜ける際にはどのような影響が及んだのかを観察するようにしており、それにより自身の業務の依存関係を把握するようにしています。
私たちの組織は少人数で動いており、まだまだ目の前の成果を追わなければいけないことも多く、属人的な部分も多くあるかと思います。
一方で例えば目の前の成果を追うと同時に、基盤(仕組み)への投資を少しずつでも行っていくことで、変化への適応性が高まるだけでなく、チーム全体のパフォーマンスの底上げにも繋げられます。
今後もさまざまな変化が訪れることでしょう。成長と発展を目指す以上、組織の変化は避けられないものです。
ですが、皆が変化を恐れず受け入れ、どう個人・組織として対処しより成長するかを考えることで、チームの力はさらに強くなります。
「組織は変化する」前提を持ちながら、引き続き一丸となって頑張っていきたいと思っています!
以上です!
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