2023/12 CTOオープン社内報vol.5 『入社者が早期活躍するための仕組み:オンボーディング』
皆さんこんにちは!スマートラウンド CTO の小山( @doyaaaaaken )です。
このオープン社内報は、CTOである自身が普段「なにを感じて、どんなことを考えているか」について、月に一回、社内へ共有する試みです。
“オープン社内報” という名称のとおり、この文章の内容は一部編集した上で会社ブログに公開する予定です。
今回のテーマ
今回のテーマは『入社者が早期活躍するための仕組み:オンボーディング』です。
これまで私自身、オンボーディングを非常に重視してきました。
例えば、入社者の方にとって必要な情報をわかりやすくまとめた全社オンボーディング資料の初期版を作成し、これまで継続的にメンテナンスに関わってきました。
他には、エンジニアの入社者の方に関しては半年前まで、私自身が入社後毎日1on1をし、仕事の進め方や諸々の事柄の背景などについて認識をすり合わせ理解を深めていただくことをじっくり行っていました。(ちなみに最近ではその役割の多くは、DevHR福本さんに担っていただいています。)
また去年のStartup CTO of the year 2022でのピッチでも、オンボーディングを会社・業界・ユーザ・プロダクトという4軸で漏れなきよう整備してきたことも取り上げています。
また1ヶ月前にもオンボーディング改善プロジェクトを実施しています。
このようにオンボーディングを重視してきたのですが、どういう考えからなのか知っていただこうと思い、今回のテーマとしました。
この記事では「オンボーディング」というテーマで以下の点を説明します。
なぜ重視しているのか?
なぜ今、改善したのか?
具体的にどんな改善をしたのか?
なぜ重視しているのか?
重視している理由は単純で「どれだけ優秀な人であっても、土台が整っていない状況ではパフォーマンスを出し切れないため」です。
例えばエンジニア・デザイナーの方はプロダクト理解がない状態で良いものを創れないでしょうし、営業・カスタマーサクセスの方は業界理解がない状態で顧客に良い提案はできないでしょう。
別の言い方をすると「どれだけ優秀な人を採用できたとしても、オンボーディングが駄目だとその方の実力を活かしきれない」とも言えます。
「採用」については非常によく語られるテーマだと思うのですが、「オンボーディング」も「採用」同様に重要なテーマだと個人的に感じます。
スタートアップ企業の場合は特に、以下のような特徴があるためオンボーディングの整備がより重要になります。
会社の成長スピードが早く、入社者の方はすぐに活躍することが求められる
「定められた作業の遂行」以上に「自分で考え行動する」ことが求められる(そのために会社に関わる事柄の背景理解が必要)
入社者数がとにかく多い!
またスマートラウンドの場合は以下のような特徴も合わさり、より一層オンボーディングを重要視してきました。
必要なドメイン知識の幅が広く、内容も難しめなこと
フルリモート組織であるため、細かな理解のズレを修正する機会が少なくなりがち
※ 余談ですが、フルリモート組織において、コミュニケーションを円滑に行えるよう、バーチャルオフィスツールの導入などさまざまな工夫をしています。詳しくは前回のオープン社内報でも書いているので、ぜひご覧ください。
なぜ今、改善したのか?
オンボーディング改善プロジェクトを先月行った理由は、「組織拡大を見据えて」という一点に尽きます。
社員数は30名を超えた後も増え続けており、複数事業部制にもなりました。
また入社してまだ日が浅い方も多くいる一方、社員数が増えたことで経営メンバーが社員と直接やりとりする頻度・密度も必然的に減り、背景理解を醸成する場が少なくなることも課題意識としてありました。
ちなみに全員出社日(※社外向け注:月に1回全社員が出社する日で、フルリモート組織であるスマートラウンドの文化醸成の場になっている。参考:オープン社内報vol.4)における「経営メンバー×社員の1on1」も、そういう課題意識から今年2月に始まりました。
元々、全職種共通や各職種ごとのオンボーディングは存在したのですが、以下のような観点で先月少し改善を行いました。
「全職種共通部分」をキレイに
「エンジニア職用」をキレイに
「エンジニア職用」のコンテンツの一つを全社展開
具体的にどんな改善をしたのか?
1. 「全職種共通部分」をキレイに
元々、全職種共通部分としてあったオンボーディングドキュメントを、少しだけキレイにしました。
具体的には
全職種共通ではない内容を削除
オンボーディング資料に書くほどではない内容を削除
その他、冗長な記述をシンプルにしたり、読みやすい見た目に改善
などを行い、「必要な情報が漏れなくまとまっており、かつシンプルで読みやすい状態」を目指しました。
(特にシンプルさというのはドキュメントの成長とともに失われていくものなので、不定期にキレイにしていきたいなと思っています)
2. 「エンジニア職用」をキレイに
エンジニア職専用の「エンジニアオンボーディング資料」は、以前私が作成したメモ書き程度のものしかなかったのですが、エンジニアの入社者が増えてきたためDevHR福本さんに刷新していただきました。
刷新されたドキュメントはこちらです👇。
このドキュメントでは、全職種共通オンボーディング資料には書いていない以下のような内容を記載しています。
エンジニア職に固有の内容(例:開発環境構築方法)
オンボーディングのタイムライン(各コンテンツをどういう時間軸でこなしてほしいか)
もし他の職種の方でも今後オンボーディングをどうするか悩まれた場合には、良ければこのドキュメントを参考にしてみてください。
ドキュメントに落とし型化までするかどうかは採用人数の多さとの見合いでやる・やらないを決めたほうがいいかと思いますが、OJTで入社者の適性に合った柔軟なオンボーディングする場合でもこのドキュメントが考え方の参考になるかもしれません。
3. 「エンジニア職用」のコンテンツの一つを全社展開
エンジニア職用のオンボーディングの1つとして「業界知識インプット会」という会を昔から行っていました。
DevHR福本さんがこの会の内容を改善したり(PdM藤原さんやCS中崎さんにレビューご協力いただいています 🙏)、他職種の方も参加可能な形での会の開催などをしてくださっています。
この会は、スマートラウンドが対象とする業界の知識について学ぶことを目的としています。
「(高校生でもわかるよう)わかりやすく」「(興味を持てるよう)面白く」というコンセプトであり、少人数でインタラクティブに質問などを受けつつ進みます。
スマートラウンドで「最低限コレだけ知っておけば、なんとかなる!」というレベル感を目指しています。
細かな業務知識などは入社後に得ていく前提で考えており(オンボーディングの際に細かいことを説明されても絶対忘れちゃいますよね?)、この会では入社後に業務知識を得るための土台を作る目的で行っています。
例えば「株式会社とは何か?」「なぜ株主総会が必要なのか?」「株とは何か?その価格はどのようにして決まるのか?」「なぜスタートアップは複数回に分けて資金調達をするのか?」「投資家の方々はスタートアップをどういう目線で評価するのか?」などの、スマートラウンドが対象とするドメイン領域についての根本部分への理解を深めていただいています。
以下は内容の一例です。
すでに入社している方も、上のドキュメントの内容を見て「改めて理解の漏れに気づいたので参加したい」となった場合は、DevHR福本さんにご相談ください。
他の入社者の方と一緒に説明をさせていただきます。
なおスマートラウンド社内の方に限らず、スタートアップ経営に興味がある様々な職種の方にとって有益な内容なので、将来的に内容をブラッシュアップして社外公開したら面白そうだという夢もあったりします。(結構大変そうなので、直近はやらないのですが…)
おわりに
今回はオンボーディングの重要性について書きました。
もちろん入社者の事前知識・職種・社内状況などにより、必要なオンボーディングは異なるので、一概に型化・ドキュメント化が正解とは言えません。
入社者の方が活躍するために必要なオンボーディングを考えた上で、全職種共通オンボーディング資料や業界知識インプット会をぜひ積極活用してみてください。
以上です。
この記事を通じて、弊社の組織について理解が深まれば幸いです!
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