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【SmartHRに就職を決めるまでに考えていたこと】就活×障害理解

ダイバースOpsインハウスユニットのkurosawaと申します。

kurosawaの障害について詳しく知りたい方はコチラ↓

この記事では障害者雇用で働く前に何をしたのか、シリーズで3回に分けて連載します。
↓第1回はコチラ

第2回目となる今回は「障害理解」を軸にお伝えしていきます。


この記事を読んでほしい人

  • 就活って何から始めればいいの?

  • 障害理解って具体的に何するの?

  • 配慮事項のまとめ方がわからない

うつ病から双極症Ⅱ型に傷病名が変更になったkurosawaの、就活の実体験を元に「こんなことしたよ!」を書いていきます。
参考になれば幸いです。

障害者雇用における就活の3ステップ

  1. 自己理解 

  2. 障害理解⬅️今回はココ

  3. 企業研究

パソコンに入力する手元
フリー素材ぱくたそ

障害理解とは?

とても大きく、かつ複雑なテーマのため、ここでは障害者雇用での就職を目指す障害を持った求職者が行う障害理解という観点で簡潔にまとめました。

  • 自分の障害の特性について知ること

  • 症状悪化の兆候や原因・理由を知り、対処法を見つけること

  • 自己理解の上に立ち、障害に対する対処法と周囲からの支援を受けられるよう準備をしておくこと

以上が、就活に当たり実践したことです。

具体的には、⬇️の順番に整理していきました。

  1. 受傷理由や発症経緯の振り返り

  2. 悪化原因の理解

  3. クライシスプラン作成

  4. 自己対処と配慮事項の整理

より詳細に、何をどのように準備したか紹介していきます。

受傷理由や発症経緯の振り返り


白紙の手帳とボールペン

まず、初診時(私の場合は20歳ころ)の発症理由の振り返りから始めました。
当時の私は

  9:00〜18:30 大学の講義
19:00〜21:00 部活
22:00〜 4:00 アルバイト
  5:00〜 8:30 就寝

という生活を週4ペースで送っていました。
就寝時間を5:00〜8:30と書いてますが、これは朝起きられた場合の話で、寝坊からの遅刻や、ひどい日は寝ることなく講義に出るなど、メチャクチャな生活を送っていました。

3ヶ月もするとアルバイトのない日でも夜眠れなくなり、完全に昼夜逆転の生活で、アルバイト以外の予定はこなせなくなっていきました。
講義や部活に行けないことから自責の念が強くなり、それが自己嫌悪に変わり、1年もしないうちに自己肯定感が低い、うつ症状へと変化していきました。

当時、大学に来なくなった自分を心配した友人が訪ねてくれ、病院を受診したところ、うつ病と診断されたのが受傷経緯です。

ここからわかることは2つ

  • 発症の引き金:生活サイクルの乱れからくる睡眠の質の低下

  • 自己対処法:生活サイクルを適正に保つこと

この2つを、自分がどのような経緯で発症したのか、自己対処はできているかを説明できるように整理しておくことが面接対策になります。

悪化原因理解


人混みと横断歩道

障害者雇用で働きたいと思っている人なら、障害の診断を受けてから就活ができるようになるまでに、何度もつらい時期があったと思います。

私の場合、それは初診から10年以上経ってからのことでした。

大学2年の終わり頃にうつ病の診断を受けた後、大学3年、4年の2年間は寝坊したり起き上がれなかったりする日を繰り返しながらもなんとか4年で卒業し、その後2年間は昼の時間帯でアルバイトをしながら資格取得のために勉強しました。
これが結果的に療養に繋がり、発症から4年で寛解状態になりました。

その後、いくつかの職を転々としましたが、再発することなく10年ほど経過しました。自分がうつ病だったことなど忘れ、仕事に没頭し、順調にキャリアを形成していた頃、症状が再発しました。

朝、目が覚めているものの頭と体が重く、起き上がれない。めまいがし、気持ちが悪く、ひどい倦怠感と絶望的な自己嫌悪に襲われる。
かつて経験したうつ症状そのものでした。

すぐに受診し、再度うつ病の診断をされ、休職しました。

症状が再発する前の自分の状況を振り返ると

  • 昇進したことで業務過多であった

  • 日常的な残業で疲労の著しい蓄積があった

  • 寝不足が続き、慢性的な睡眠不足状態だった

【悪化原因】としてまとめると

  1. 疲労の蓄積

  2. 睡眠不足

悪化の前兆】としては

  1. 寝付きが悪くなる

  2. 周囲の人の感情に流されやすくなる

  3. 食欲不振…等々

細かく言えばもっとありますが、こういった原因・前兆それぞれの対処法も考えてまとめておくことで、自己対処できることなのか、配慮事項として就職先に求めることなのかがはっきり見えてきます。

参考までに、私の自己対処法の一部です。

✔ 湯船に浸かる
✔ 予定のキャンセル
✔ 早めの就寝
✔ 睡眠導入剤の活用
✔ 人に相談する、断る

クッキーとチョコとコーヒーでリラックスするイメージの画像

クライシスプラン

ここまでに整理した【発症経緯】【悪化原因】【対処法】をまとめて、自己対処したり周囲に助けを求められるよう、あらかじめ用意しておくものがクライシスプランです。
症状悪化の前兆に気づき、予防的に対処したり、病状が悪化した場合に予め定めたプランに従って、時には周囲に助けを求めて対処するための計画書です。

私は、平常時、早期警告サイン時、注意サイン時、警告サイン時の対処法をあらかじめ整理して通勤カバンに携行しています。

以下、私のクライシスプランの抜粋です。


平常時:悪化しないように常日頃心がける自己対処法の実践

☑ 休日にしっかり休む
☑ 生活リズムを一定に保ち夜ふかししない
☑ 起きてすぐ日光を浴びる
☑ 通院・服薬を欠かさない
☑ 計画的な休みの取得
☑ 生活記録(体調悪化前後の振り返りのため)

早期警告サイン:少し体調が悪いと思ったらここでセルフチェック

【身体的症状】
食べたいものがわからない
疲労の蓄積
精神的症状
他人のマイナス感情に影響される
感情の起伏が激しくなる
フラッシュバック
突拍子もない事を思いつく
周囲に対するイライラ

【行動的特徴】
一人の時間が取れない→一人になりたくなる
悪夢の連続・夜中に目が覚める
音楽を聞くのが億劫になる
ソシャゲの毎日ログインができなくなる
タバコが増える
衝動的な買い物
調子よく仕事が進みすぎる

☆自己対処
ストレスを感じるものを自分から遠ざける
家にいる時間を増やす
ストレスコーピング(ゲーム・コーヒー・漫画・自然・散歩など)を試す(音楽・たばこは逆効果)

注意サイン:仕事に影響が出始めるため、早期に対処が必要

【身体的症状】
寝付きが悪くなる
食欲・睡眠欲の減退
昼夜逆転
休日に寝すぎる
耳に入る音が騒々しく感じイライラする

【精神的症状】
自己肯定感の低下
自責の念が強くなる
些細なことで落ち込む
思考の鈍化
心配事が頭から離れず、なんとかなると思うこともできない
感情表現が乏しくなる(特にポジティブな感情)

【行動的症状】
趣味や楽しみだったことが楽しめなくなる
音楽が一切聞けなくなる
大きい額の買い物を後先考えずにしてしまう
普段やらないことに取り組む(行ったことのないところに行く/やったことがないことをするが長続きしない/興味関心の移り変わりが激しくなる)

☆自己対処
体を休め、生活サイクルを整える
頭の中に浮かぶ嫌なことを思い出さないように、ボーッと見られる動画やお笑いを見る
考えなくてもできるゲームをする
日向ぼっこ、ぼーっとする

警告サイン:自己対処不能期のため、即通院、周囲に相談が必要

【身体的症状】
朝起きられない
仕事に行けない
ベッドから起き上がれない
食べ物の味がしない

【精神的症状】
気力の枯渇
感情の爆発(特にネガティブな感情)

【行動的特徴】
のそのそ動く
希死念慮

★自己対処
なし、即援助者に助けを求める


クライシスプラン作成の目的のひとつは、症状悪化の前兆を早期に発見し、対処することにあります。
そして就活面においては、「こういう状態になったらこのように自己対処できます。」というラインを明確にし、自己対処と配慮事項を整理することに繋がります。


配慮事項整理

自己理解と障害理解ができると、自己対処できること、できないことの区別ができるようになります。
自己対処できないことについて、企業への配慮事項として必要な障害配慮をまとめて、伝わる言葉にしておくと面接でも企業側にしっかり伝えられます。

☆自己対処できること=配慮事項にならないこと

  • ストレス対処

    • 体調悪化に直結するような大きなストレスがかかることはあまりない(大きなストレスを抱えることになりそうな職場をそもそも就職先に選ばないようにすることができる)

    • ストレスコーピング方法を持っている


★自己対処の限界=配慮事項として企業にお願いすること

1.疲労の蓄積の軽減

「疲れやすい」という障害特性上、疲労の回復にも限界があり、なおかつ障害悪化の引き金となった状況が日常的な残業だったため、そもそもの疲労を溜めない配慮として、残業なしの障害配慮をお願いする

2.通院時間の確保

体調安定のために必要な日常的な措置として定期通院があるため、通院時間の確保を配慮事項としてお願いする

3.入社当初、上長との相談機会の確保

「周囲に気を使いすぎる」×「元々人に相談することが苦手」×「完璧主義的思考のクセの名残で、何事も自分ひとりで解決しようとする」という自身の特性の良くない掛け合わせのせいで、新しい場所や環境下で人に相談することが非常に苦手なので、入社後しばらく、上長との面談機会がほしい


  • これに対してSmartHRの障害者雇用環境が⬇️のように整備されています。

  1. 業務時間の上限が8時間

  2. フレックスタイム制のため、柔軟に時間の調整ができる

  3. 週に1回、必ず1on1ミーティングがある

私の場合、結果としてSmartHR入社に際して必要な配慮事項は勤務形態と会社の仕組みで解決されており、自分の理想とする職場を選ぶことが出来たと言えます。


反省点

私は就活をしている最中に病名がうつ病から双極症Ⅱ型に変わりました。

病名が変わったのは症状が重くなったわけでも、新たに発現したわけでもなく、過去(5~7年前)の自分の行動に双極症の病状に似たものがあったことを思い出したため、医師に相談した結果、服薬と病名が変わったという経緯でした。

このため、うつ病と思って整理していた配慮事項が自分に合っていないことに気づき、就活中に配慮事項の整理をやり直しました。

就活当初、あるいは就活前により深い障害理解ができ、早めに医師に相談できていたら、あるいはもっと早くに就職できたかもしれないと反省しています。

この反省も含め、この記事にたどりついて読んだ方が正確な障害理解をするヒントになれば幸いです。

次回は「企業研究」をテーマに、応募先の選定や面接対策についてお伝えします。


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