【チーフ対談】個の強い組織を目指して──SmartHRインサイドセールス組織の課題と変化
スケールアップ企業として成長を続けるSmartHRでは、コーポレートミッションであるwell-workingの実現に向けて組織が急拡大しています。
この記事では、エンタープライズ事業本部 第2インサイドセールス部でチーフを務める岡田恭太さんと山田歩実さんに「市場の変化」や「組織が目指す姿」について話を聞きました。未経験でインサイドセールス(IS)に挑戦したいと考えている方やSmartHRの組織に興味を持ってくださっている方、またSmartHRにこれから入社する方にもおすすめの内容です。メンバーと一番近い距離でマネジメントを担う二人の対談です。ぜひご一読ください!
──まずは簡単に自己紹介をお願いします。
岡田 恭太(以下、岡田):調理師の専門学校に進学し、卒業後はフレンチレストランで勤務を始めました。元料理人というSmartHRではなかなか珍しい肩書を持っています。その後は通信系の会社に転職し、営業のキャリアを歩み始めました。The Modelではなく、テレアポから商談、アフターフォローまで一気通貫で対応する営業スタイルでした。当時は代理店のビジネスモデルで、代理という立場ではなく自社製品を扱い、より手触り感のある営業にチャレンジしたいと思い転職を決意しました。
SmartHRに入社後はMMBのISメンバーとして活動し、2024年1月からMMBチーフとして8名のメンバーのマネジメントを行っています。
山田 歩実(以下、山田):大学を卒業後、製造業向け商社に就職し営業職に従事した後、経営企画部に異動となり、社内のDX推進を担当していました。私も、岡田さん同様に一気通貫型の営業スタイルを経験しました。DX推進に携わる中で、安易な表現ですが「ITってすごいな」と、IT業界に興味を持つようになりました。自分のキャリアを見つめ直していたのもちょうどその頃です。初めての転職だったので、自分がいる世界とはあえて真逆な環境かつ、興味を持っていたIT業界にチャレンジを決めました。
入社後はSMBのISメンバーとして活動しMMBに異動しています。2024年1月からMMBチーフで7名のメンバーをマネジメントしています。
お客さまの社内体制に合わせた柔軟な対応が求められる
──お二人とも同じタイミングでのチーフ就任なんですね!MMB領域はどんな組織編成ですか?
岡田:MMB領域は、従業員数501〜2,000名規模の企業を担当しています。
その中でユニットが1〜4の4つに分かれており、私がユニット2で山田さんがユニット3のチーフを担当しています。
──他の企業領域を担当しているチームと比べた時に、MMBならではの特徴はどんな点でしょうか?
岡田:対応する企業規模の幅が広い点は特徴です。お客さまの社内体制に合わせた課題理解や提案など、柔軟な対応が求められるのはMMB領域ならではだと思います。従業員数が2,000名を超えるエンタープライズ企業の場合は、中期経営計画など対外的に公開している情報が多いため、仮説を構築しやすいです。しかし、MMBの場合は必ずしもそういった企業ばかりではないため、お客さまから情報を直接引き出しにいく動きも求められます。
山田:SMBからMMBに異動した当初は、営業活動のバランス調整に苦戦しました。というのも、事前準備に充てる時間と架電に充てる時間のちょうどいい塩梅をつかめないとなかなか成果に結びつかず。自分にとってのちょうどいいバランスを探っていましたね。
──ISとしてのスキルが満遍なく求められるのはMMB領域の大きな特徴ですね。ここ数年でMMBの市場に変化はありますか?
岡田:私が入社した当時と比べるとアナログな運用で業務に対応している会社は少なくなった印象です。何かしらシステムが導入されている会社が増えたと思います。
山田:HRは元々競合となるシステムが多い領域なので、お客さまが提案を受け慣れていることも多く、レベルの高い営業が求められています。ニーズに対して訴求をすることはもちろんですが、潜在的な課題をどのように顕在化し、課題と捉えていただくかが重要です。
岡田:競合企業のプロダクトもアップデートを繰り返し、強くなっていると感じます。できる・できないで比較した時の機能差は減ってきたと考えています。
山田:たしかに。展示会などの場でお客さまと会話する中でも、私もそのような印象を持っています。
お互いの膝を壊すぐらい、膝を突き合わせて議論したい
──そういった変化に伴い、どのようなことがISに求められるようになっていますか?
山田:これまで以上にプロダクトとお客さまへの深い理解が求められると思います。お客さまが考える理想の姿やあるべき状態をISの段階でキャッチアップしないと、価値ある商談機会が作りにくくなっています。
──わかりやすい差別化が難しい局面の中、メンバーにはどのようなアドバイスや取り組みをしていますか?
岡田:お客さまが利用しているシステムの状況から業務運用を把握し、潜在的な課題を見つけて提案できるようにメンバーと会話しています。例えば、「年末調整の業務は〇〇というシステムを使っている」ではなく、「〇〇を使い、書類回収は誰がどうやってやっているか」というように運用まで細かくヒアリングし業務を深堀りしていくようなイメージです。また、新規顧客との接点創出も求められており、マーケティング部隊との連携や手紙アプローチなどを実践し、手段を問わず、関係構築を図っています。
山田:他には、セールスとの連携にも積極的に取り組んでいます。商談獲得後のテキストでの引き継ぎに加えて、商談実施前に概要の共有や当日のシナリオ相談、不足情報がないかなどのすり合わせをしています。商談を獲得して終わりではなく、受注に向けてより有意義な商談機会を提供できるよう努めています。
岡田:案件単位のミーティング以外にも定期的にセールスと話す機会を設け、セールスチーフとISチーフで「膝突き合わせ会」と銘打ち、要望を伝え合う場を作っていますね。お互いの想いを言語化することが、徐々にでき始めてきたなと感じます。
山田:私もセールスとの会話を繰り返す中で、目線が合ってきたと感じています。お互いの状況が分かってきたことで、事業成長に向けていま何が必要で何をやるべきかより本質的な議論ができるようになってきました。とはいえ、まだまだ伸び代を感じる部分です。
岡田、山田:連携に関する取り組みはまだまだこれから。お互い膝を壊すぐらい突き合わせたいなと思います(笑)。
機微な変化に対応できる人、当たり前の基準が高い人は強い
──お二人の視点から、成果を出せる人のスキル・マインドを教えてください。
岡田:常に変化を楽しめる人かなぁ。ルーチンだけで活動している人は成果は出にくいと思います。競合も市場も変化しているので、言語化されにくい部分も含め、機微な変化に対応できる人は強いです。
山田:ご自身の中での当たり前の基準が高く、即興力がある人は成果を出せると思います。商談獲得がしやすい状況を作るために常に色々な施策が走りますが、事前に思い描いたシナリオ通りに進むことのほうが少ないです。なので、施策を活用しつつも、即座にその場に合わせた対応ができる柔軟さが重要だと思います。また、社内にはIS活動に活用できる情報がたくさんありますが、それをそのままアウトプットするのではなく、噛み砕いて自分の言葉にしたり、インプットしたことを組み合わせてアウトプットできる人は強いなと思います。
──「変化」や「柔軟さ」という言葉がありましたが、目まぐるしく環境が変わる世界というのは、チーフとしてもやりがいが大きそうですね。マネジメントとして意識していることはありますか?
岡田:ティーチングとコーチングの使い分けを普段から意識しています。架電内容に対するフィードバックはティーチングを中心としていますが、KPIを達成するための行動計画や提案内容の壁打ちなどについては、コーチングでメンバーの中にある考えを引き出すことを行い、変化に順応していく視点を持ってもらえるようしています。
山田:岡田さんと違う観点でいくと、メンバーの選択肢を広げられるようにしています。様々なシーンで言えることですが、主役はメンバーで、チーフはメンバーが心地よく働けるよう、ボトルネックがあれば調整し解消していく裏方という感覚を持っています。顧客との関係構築の強化が目的であれば、メンバーが考えるアプローチ方法だけでなく、他のプランもないのか一緒に考え、複数の選択肢から一番顧客の役に立てるのはどれか選べるような状態を作っています。メンバーのキャリアについても本人の意向とはまた別に、違う職種の選択肢や、今の組織の形を取っ払ってコミュニケーションを取ることも多いです。
──メンバーが柔軟に変化できるように、お二人とも一緒に考えるというスタンスを大事にされているのが伝わりました。何か他にも取り組んでいることはありますか?
岡田:「大臣制」という取り組みをしています。メンバーが苦手なことにチャレンジしてもらうために大臣という形で責任を与え、ユニット全体への発信をしてもらっています。例を挙げると、オペレーションが苦手な人には、オペレーションミスをしている人がいないかチェックする大臣を担ってもらい、ユニット全体でKPI達成に向けて走れるようにしています。
山田:私のユニットでも大臣制を取り入れていますね。自分の得意分野に固執せずに選択肢を広げることが目的です。自身の苦手だと思っていたことも、違う角度から取り組んでみると自分の強みに変化することもあると思うので、オールラウンダーになれるように意図してやっています。
SmartHRならではの強いISを育てていきたい
──MMBの所属するエンタープライズ事業本部の目指す姿として「個の強いIS」というキーワードがあると伺っていますが、お二人はどのような状態と解釈していますか?
岡田:メンタル・営業力・突破力・プランニング力・社内折衝力の5つの要素を満遍なく網羅できている状態だと考えています。部内では、図のように五角形で表現しています。項目ごとのスキルを伸ばせるよう、一人ひとりとより向き合っていく必要がありますね。
山田:「個の強いIS」のべースとなる要素はこの5つですが、この概念に捉われすぎないことも重要だと考えています。今挙がっている要素はあくまで現時点のものであり、今後変化する可能性もあります。メンバーそれぞれの強みを発揮できることや、変化する市場に応じて自身の強みも変化させ続けられることが、個の強いISを常に体現するために必要だと考えています。
──目指している姿に対してギャップを感じていることはありますか?
岡田:たくさんありますが、まずそれぞれの力の現在地を可視化できていないことに課題を感じています。
山田:ここの言語化ってメンバーからしてもチーフからしてもなかなか難しいですよね。弱みを補う動きと強みを伸ばす動きを並行して実行しきれていないなと思います。
──お二人が今後やりたいと思っていることはどのようなことですか?
岡田:5つの要素をベースに「個の強いISがどんな状態か?」という問いについてもっとみんなで議論して、認識を揃えた上で定期的に振り返りをしていきたいです。SmartHRならではの強いISを育てていきたいですね。2024年7月から育成を支援するイネーブルメント組織が立ち上がっているので、連携しながら進めていきたいと思っています。
山田:加えて、それぞれの要素を強化するためのコンテンツ作りやメンバーとの会話に充てる時間をこれまで以上に創出するために、チーフ業務の効率化も進めなければならないと考えています。
ちなみに現在は「個の強いIS」の実現に向けてEBとMMBのISが集まる月に一度の本部会でグループワークを実施しています。9月、10月のワークでは、各自が重要と考える3要素を選んでもらい、グループでディスカッションを行いました。ディスカッションを経て、スキルとメンタルの両軸のアクションプランを個人で組み立て、PDCAを回しはじめています。
──いいですね!9月と10月にワークをしてどうでしたか?
山田:メンバーがどのような意識でISとして活動しているのかを明確化できただけではなく、EBとMMBで傾向が分かれるなど、集計結果から興味深い情報が多く読み取れました。ワークを通して、中長期的な視点でISとして“どうあるべきか”を思考し、意見交換ができる環境が作れたと思っています。他のメンバーがどのような意識で働いているのか生の声を聞ける場として、メンバーからも好評です。
マネジメントはあくまで“役割”
──最後に、このnoteを読んでくださった方にメッセージをお願いします!
岡田:今回はマネジメント目線での話も多かったですが、SmartHRのマネジメントはあくまで“役割”です。SmartHRは役職や勤務年数に関係なくフラットに発言できて、やりたいことに挑戦できるチャンスがある環境です。それは私が入社して一番驚いた大好きな文化です。私自身は、今年7月に新しくなったバリューを組織で体現できるような仕組み作りにも今後挑戦していきたいです。もっと挑戦したいと思っている方と、面談や面接でお話しできることを楽しみにしています!
山田:前述した通り、あくまでもチーフの私は裏方で主役はメンバーのみなさんです。メンバーとフラットにコミュニケーションを取りながら事業成長とヒトの成長にコミットできるSmartHRの環境が私は大好きです。変化も激しく、求められるレベルは決して低いわけではありませんが、この環境を一緒に楽しんでいただける方に仲間になっていただけることを心待ちにしています!
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