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DONUTS, Wantedly, freeeのリニューアル前後比較|6月にリブランディングしたWeb系大手3企業まとめ
スマートキャンプデザインブログ、モリシゲです。
2021年6月にWeb界隈でリブランディングラッシュが起こりました。
なかでも影響力の大きい「株式会社DONUTS」「ウォンテッドリー株式会社」「freee株式会社」の3社がリブランディングを発表したのは衝撃的でした。
今回のブログでは、この3社のリブランディング(デザインリニューアル)について情報をまとめています。
※読みやすくするため、社名の敬称を略させていただきます。
株式会社DONUTSのリニューアル|6月1日
DONUTSはゲーム事業も有名ですが、7月1日からバックオフィス支援のSaaSである「ジョブカン」のCMも展開するなど、法人向けWebサービスにも力を入れています。(フワちゃんと武田鉄矢さんが出演しています。CMはYouTubeにも公開)
1. DONUTSのロゴリニューアルについて
左が新しいロゴ、右が古いロゴです。
画像出典:株式会社DONUTS ロゴデザインおよびコーポレートサイトリニューアルのお知らせ
ロゴの造形については筆記体フォントからコンデンスドフォント(縦長体)への変更となりました。
筆記体フォントは「遊び感」が強いのでゲーム事業がメインだったのに合わせてのデザインだったと推測しています。
”飾りや無駄をそぎ落とし、安定感のある大文字のみのロゴに刷新”
とあるので、今後はBtoB事業への大きな展開も考えて、クセの少ないゴシック系への変更なのかな、といった印象です。
個人的には企業の成長に合わせている点や、今後の事業展開を見越している点が素晴らしいと思いました。
2. DONUTSのコーポレートサイトリニューアルについて
コーポレートサイトのデザインも洗練され、より抽象度が上がったイメージになりました。
メッセージも「Change the Game.」から「PRODUCT FIRST」となっていて、やはりゲーム事業だけでなくプロダクト全体を伸ばしたいという想いが伝わってきます。
ウォンテッドリー株式会社のリニューアル|6月21日
ウォンテッドリーはビジネスSNSの開発・運営を行っていて、カジュアルに会社訪問できるサービスとして有名です。
ウォンテッドリーのロゴリニューアルについて
左が古いロゴ、右が新しいロゴです。
画像出典:ウォンテッドリー、新しいロゴデザインを発表
マークとテキストを複合させたデザインでしたが、リニューアル後はマークとテキストを明確に分けています。
文字の一角一角にグレースケールを分けた配色も一新し、締まったブラック基調になって、視認性が上がっています。
"ブランドのトーン&マナー「知的・大胆・洗練」"とあるように以前よりもこのトンマナが強くでているのが分かります。
出典元にCI(コーポレート・アイデンティティ)を表現した動画があるので、ロゴの造形などが視覚的に理解できます。
このような動画による表現は、非デザイナーに「この会社はこういう人格だ」というのを直感的に理解させられます。非常に参考になるので、ぜひご覧になってください。
なお、コーポレートサイトはウォンテッドリーのサービス上に存在するので、表面的な変化はロゴのみのようです。
freee株式会社のリニューアル|6月22日
freeeといえばバックオフィスのSaaSとして有名ですし、フリーランスの方でもお世話になっている方も多いと思います。
ウォンテッドリーのロゴリニューアルの翌日に続いたのもあり、freeeも変えたんだ!と思った方もいらっしゃるかと思います。かなり大規模なリブランディングで、デザイナー間で会話するときには必ず話題になっていました。
1. freeeのロゴリニューアルについて
左が古いロゴ、右が新しいロゴです。
freeeといえばツバメのマークでしたが、全体的に線がシャープになりました。また、カラーについても彩度が高くなり、視認性が向上しています。
さらに、freeeは各プロダクトでマスターブランド戦略をとっていましたが、ツバメがくわえているアイコンを変えることで、各プロダクトごとの持ち味を表現する方向に変わりました。
マスターブランド戦略にちょっと味付けしたユニークなブランド戦略だと思いました。
1分ほどのブランドムービーも制作していて、デザインの造形だけでなく、freeeというブランドに対して「感情的な理解」が得られるように工夫されています。
画像出典:さらにミッションの実現へ近づくために ビジョンおよびブランドロゴ リニューアルのお知らせ
2. freeeの大規模リブランディングについて
freee brand site(特設サイト)をご覧になるとよくわかりますが、デザインシステムのアップデートについて記載があります。
非デザイナーの方向けにかみくだくと、大きな会社ではデザイナーが何十名もいるので、デザイナー同士のコミュニケーションだけではfreeeらしいデザインに統一できないのは想像できるかと思います。
表計算や資料で「フォーマット」をつくるようなことに近いのですが、デザインのようなクリエイティブなものに型を設けるのは難しいのです。
ブランドブックや特設サイト、デザインガイドラインといったさまざまな資料を通して、「色はこのなかから使って、イラストはこういう雰囲気で、言葉はこういう言い回しで…」と、しっかりと説明できるものができあがったということです。
画像出典:freee brand site
特にイラストは描く人によってテイストがかなり変わるので、顔や体といったパーツに分解して用意し、それを「組み合わせて使ってね!」という風になっています。
これによって「このイラスト雰囲気ちょっと違う」といったやりとりも減り、デザインの作業効率アップも見込めます。
さらに、金太郎飴のようにどこをとっても「freeeらしさ」が一定となるので、さまざまな媒体を通してモノを見たときに「あ、freeeだ」とすぐに認知できたり、freeeのファンになる方も増えてくるようになります。
Appleが急にMicrosoftっぽい見た目のデバイスを出してきたら、これまでファンだった人が離れていくのは分かりますよね。「一定の質感を出す」というのはブランド戦略・経営戦略として非常に大切なものです。
このデザインが好きだ・嫌いだではなく、一定の質感を保てているかどうかが大事だと思っているので、こういった取り組みを世の中に打ち出せるのは素直にすごいし、デザインへの理解が強い会社なんだなと思いました。
まとめ:リブランディングの傾向
今回の3社については、より事業の幅を広げるためだったり、より「その会社らしさ」を打ち出すためだったり、視認性を上げる目的だったり、見た目だけではない戦略性や機能性を感じるものでした。
ここ数年、リブランディングするとムービーや特設サイトでより理解を促そうという傾向もありますが、社内向けに伝えている意味合いも強い気がしています。
「デザインに投資しているぞ」と外に対してメッセージを打ち出すことで、中がしっかりやらなければならない…という「宣言」ですね。
私たちも見習って、デザインに力を入れているぞ!と発信してきたいと思いました。
※説明のため、各社の画像をお借りしております。掲載できない場合は下記にご連絡ください。
WRITER & EDITOR
SMARTCAMP デザイナー モリシゲ @MorishigeYuta
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