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人間関係が良くなる!都道府県でわかる性格・相性

はじめに

 私たち日本人は、「日本は島国」、「みんなが同調しやすい集団主義」などと言われ、とかく無意識的に、日本人ならこうであるに違いない、日本人ならこうあるべきだ……と考えてしまいがちだ。それにもかかわらず、私たちの日常生活の中では、いくらでもいさかいや摩擦が起こる。ものごとの考えかたや価値観、常識や認識の違い。その度に私たちは、怒ったりイライラしたり、幻滅したり……ということを、繰り返している。
 しかし、よくよく考えてみれば、島国とは言え、日本は地形的に南北に長く、北の北海道と南の沖縄とでは、気候も風土も風習もまったく異なる。そう! 人間の考えかたや価値観などのスタンダードは、生活環境によって育まれるもの! 所詮「同じ日本人」でも、出身地や生育環境は人それぞれで、みんな同じであるほうがおかしいのだ!
 本書では、出身都道府県別に、その人のキャラクターの根幹をなす「県民性」を紹介する。ぜひ、初対面の人との「ご出身は?」という挨拶の場面や、日常の人付き合いの話のネタに、歴史深く、色彩豊かな日本列島が織り成す「県民性」をお楽しみいただきたい。

第1章 この人にみる県民性と人柄

1 県民性って何?

 ● 県民性とは?
 県民性とは、ひと言で言うと「同じ地域で生まれ育った人が共有する性格」ということになろうか。実はこの「県民性」、昔からさかんに研究されてきた。と言っても「学問」というよりは、むしろ「世間話」のように語られてきたものが多い。『江戸っ子は宵越しの金は持たない』、『東男に京女』などは今でも耳にする言葉。現代でも「大阪人はせっかち」、「長野県人はクソ真面目で冗談が通じない」など、よく言われる。もちろん同じ県の出身だからといって、誰もが同じ性格ではない。家族構成などの個人差もあれば、何代続いた家か、職業は? などといったさまざまな条件によっても変わる。普段我々は、自分の県民性を意識することはほとんどない。しかし、生まれ育った県を離れたり、他県出身者と接するときなどに「県民性」はひょっこり顔を出す。では、その『県民性』というものは、なぜ存在するのだろう。

 ● 県民性を構成する3つの要素
1…自然環境(自然環境や地勢など)
 海辺育ち・山育ちでは、明らかに気質や性格が異なる。また、寒い地方・暑い地方の出身者にも同様の違いがみられる。
2…歴史的条件
 その地域が大都会なのか農村地帯なのか、外部との交流がさかんだったか閉鎖的だったかなど、その土地がどんな歴史をたどってきたかも、そこに暮らす人々の気質や性格に影響を与える。
3…社会的条件
 たとえば沖縄県民。長らく日本のトップレベルの長寿を誇っていたが、最近の調査では、男性は26位にまで落ちてしまった。この状況が将来的に続いていくと、沖縄の「お年寄りを中心とした共同体文化」が薄れてしまうことも考えられ、そのことから「沖縄の県民性」が変わっていってしまうということが十分想像できる。


2 県民性と風土

 ● 日本民族と風土
 少し広げて考えてみると、前ページの3つの要素のうちの「環境」は、「風土」と言い換えることができる。和辻哲郎という学者は世界の風土を砂漠的(アフリカ・アラビアなど)、牧場的(ヨーロッパなど)、モンスーン的(アジア・インドなど)の3種類に分けた。日本はモンスーン型、モンスーンとは季節風のことだ。
 この風土が日本の高温多湿という環境を生み、日本人の性格を特徴付けるのに大きな影響を与えているという。たとえば日本には四季がある。当然それにともなった生活の変化があるせいで、我々日本人は、それに並行してある程度の速さを持った「移り変わり」を求めるという。また活発だったりいろいろなことに敏感だったりするが、悪く言えば、何事にも長続きせず飽きっぽいようだ。大陸人は日本人に比べ、もっと落ち着いている(らしい……)。
 そういった国民性と同じように、それぞれの県にも、地域の特徴とも言うべき『県民性』というものが見えてくる。日本は南北に長い島国で、北は寒帯、南は亜熱帯。周りを海に囲まれてはいるものの、海のない県もある。本州の中央には山脈が連なり、太平洋側と日本海側とでは、ずいぶん気候が違う。山地(火山)が多く、地震が多い。川は短く、流れは急だ。梅雨があり、夏から秋にかけては台風もやって来る。
 もともと季節や天候に敏感な農耕民族の日本人だが、さらに、これらの自然的条件が加わっては、悠々とどっしり構えて……なんていう人間が育ちにくいというのもわかるような気がする。
 その地域に住む人に、その地域の気候が影響を与え、その地域住民独特の気質が出来上がったというわけだ。確かに寒い地方では、家の中にいる時間が長いから、内向的でもの静かといった気質になりそうだし、温暖な地方の人は、なんとなく外交的で社会的な人が多そうだ。もっとも、もともとそういった気候に合った気質の人が、そこに住み着いたのだ、というようにも考えられるわけだが……。
 いずれにしても、風土が県民性に与える影響は小さくないということは言えそうだ。


3 有名人にみる県民性と人柄

 ● なぁるほど! そう言えば……
 ではここで、有名人とその出身県・県民性を見比べてみよう。
 たとえば愛知県人。特に尾張の人は、なかなか付き合いにくいようだ。本音も言わず、おだてにも乗らない。現物主義で権威に弱い って、ここまで言うと叱られそうだが、とにかく浪費を嫌う堅実派。そうか、大リーグへ行っても堅実に、コツコツとヒットを稼ぐイチローも愛知県人。「なぁるほど! そう言えば……」である。森本レオに奥田瑛二、舘ひろしに加藤晴彦といった芸能人も愛知県人。みんなケチなんだろうか……。
 高知県人は、反骨精神旺盛、酒好きは有名だが体を壊すまで飲む……。で、高知出身の有名人を見てみると、アンパンマンのやなせたかしに漫画家のはらたいらに、黒鉄ヒロシ。なぁるほど! 西川きよしに間寛平、俳優の高松英郎……そう言えば、なかなか反骨精神旺盛という感じもする。頑固で強情そうだし……。
 栃木県の県民性は、なかなか本心を見せないクールなタイプが多いという。恥ずかしがり屋で話しベタというデータもある。立松和平につぶやきシロー、ガッツ石松……。話ベタというより何を言ってるのかわからないという説もあるが……。まあ、それでもなるほどわかるような気もする。クール派の代表は、元巨人軍・江川卓投手か。
 宮城県人は、忍耐強くて慎重派だが、自分本位なところがあり、頑固でプライドが高いという面も。「伊達者」という言葉が残っていることからもわかるとおり、なかなかオシャレでもあるようだ。生島ヒロシに菅原文太、中村雅俊にみなみらんぼう。確かに宮城県の県民性が、チラチラと見え隠れしているような気がする。大リーグから戻った佐々木主浩投手も宮城県出身。これまたわかるような気が……。
 さて、本書では、各県の特色ある県民性やお国自慢、その県の人との付き合いかた、県同士の相性などを紹介していく。そういえば、初対面の人と話すときでも「どちらのご出身ですか?」のひと言から、なごやかなムードで会話がはずむことも多い。単なる話題づくりということもあるだろうが、やはり気になる出身県!


4 なぜ今、県民性なのか?

 ● 県民性を考えることが、なぜ大切か?
 今、日本人の多くは、「みんなと同じになりたがっている」という。もともと「独自性」より「みんな合わせる」ことを好む国民だから、無理もないかもしれない。だが、今もうすでに、日本はどこへ行っても同じ、日本人はどこの人もみんな同じなどと思っているとしたら、それは間違っている。転勤で他県に移り住んだとき、他県に嫁いだとき、バラバラの地域の出身者が一つの会社に集まったとき、それぞれが持つ「県民性」が、様々なストレスを生むこともある。転勤したのはいいけれど、結局その土地に馴染めず、会社を辞めてしまったなどという話も聞く。はなから「みんな同じ」などと思っていると、こうなってしまう。
 例えば「県」を廃止しもっと大きなくくりの「道州制」にしようという試案もある。
 しかし、そうなると、東京への一極集中は緩和され、行政の効率はよくなるかもしれないが、大事な県民意識が薄くなってしまうのではないか。それぞれの県には県民性という動かしがたい、変えがたいものがある。それを無視して、「みんな中央に合わせましょう」などと言っても、そもそも無理な話なのだ。それよりはお互いの育った土地の環境や歴史を知って尊重し合うほうが、きっと人間関係も政治もうまくいきそうな気がする。

 ● まさにカルチャーショックだ、県民性
 ある事柄について語るとき、県民性による意見のあまりの違いに、「どうしてこの人はこんな考えかたをするのだろう?」と、ほとんどカルチャーショックに近いものを感じてしまうことがある。その人の常識・ものの考え方・習慣などに、本当にびっくりさせられることがあるからだ。しかし、逆に言えば、それを正しく認識すれば、いらぬ摩擦に煩わされることもなくなり、気持ちよくお付き合いができるというものだ。
 相手を認め、広い心で理解することは、他者と付き合ううえで、もっとも大切なことに違いないのだから。


5 県民性活用法

 さて、ここまで考えてくると、その地方の歴史や文化などとともに、『県民性活用法』が見えて来る。
「あの人は表面は無愛想だが、実は穏やかな○○県人だ」
「彼女は人当たりはいいが、○○県の人だからお金には細かそうだ」
「彼は理屈屋で頑固だと思ったら、○○県の生まれだからだよ」
「ウチの社長は○○県の出身だから、おだてに弱いぞ」
 といったことなどである。また、同県人だというだけで、心の距離が縮まるような気もする。このように、県民性は上手に活用すれば、人間関係における潤滑油的な役割を果たしてくれそうだ。
 本書を楽しみながら読んでいただき、気になるあの人との相性や、付き合いかたの参考にしてほしい。

第2章 各県特有の性質、自慢と恥を大公開!!

1 北海道――北海道は土地もココロもデッカイどお――

北海道の基礎データ
 人口:566万人
 道庁所在地:札幌市
 名物・特産品:たらばがに、じゃがいも
 出身有名人:北島三郎、中島みゆき、GLAY
◆基本性格
 梅雨がないため大らかでカラっとした人が多い。見栄や世間体などをあまり気にしない、いい意味での個人主義が目立つ。その反面、シャイで自己謙遜するような純日本人的部分も合わせ持っている。

お国自慢 これが日本一!!
◆「よそ者」寛容度
「いわゆる『よそ者』という言葉は、未だ生きていると思う」を肯定したのは、わずか2割。全国でもいちばん少ない数字だ。それだけ北海道人は、よそ者に対して寛容。「3日住めば道産子」にも、うなずける。
◆郷土愛
 北海道人は地元を愛する人の割合がいちばん高い。大自然に恵まれ温泉地も多く、食べ物もおいしいとなれば、郷土を嫌う理由は特にない。

★北海道人NOW!!
①恋愛
 大らかな北海道人は、性的なモラルに関しても自由奔放。夜の仕事をサラリとこなしたり、ふらふらと浮気に走ってしまう人も比較的多いとか。それでも慎重派なので、そんなことはおくびにも出さない。また、北海道人には、沖縄人にも通じる彫りの深い顔の美男美女が多く、よくモテる。大らかな性格なので、誰とでもフランクに付き合える反面、恋人として付き合うとなると、意外と苦労させられやすい。
②仕事
 彼らの大らかさは、仕事の面でも大いに発揮される。自分の役職や見栄にあまりこだわらず、ライバル競争にも無関心。と思いきや、思わぬ賭けに出たり、大事業に挑戦したりと大胆でもある。かなり大ざっぱで、細かいことや事務処理は苦手、仕事仲間の気持ちなどには鈍感だったりするので、そこは当てにしないこと。「気まぐれ」なのも特徴で、離職や転職が多いというデータもある。
③金銭感覚
 こんな北海道人だが、ことお金に関しては実にシビア。北海道では、結婚式のあとの「結婚披露宴」に代わり、会費制の「結婚祝賀会」が一般的だ。このような合理性の背景には「厳しい開拓の歴史」がある。ビジネスはビジネスとして割り切るため、込み入った駆け引きは不要。意外と都会的センスを持ち合わせているのだ。だが、その一方で色恋などの道楽には、金遣いが荒いという一面も。

小ネタの真相
――「北海道では、節分に落花生をまく」は本当?――
 これは本当。北海道では「鬼は外、福は内」のかけ声とともに、殻に入った落花生がまかれる。これも「殻がついていれば、どこに落ちても拾って食べられる」という合理精神に基づいている。しかも、落花生と一緒に、あめやキャラメルなどのお菓子も投げられるそうだ。一風変わってはいるが、子供たちにとっては、楽しい一大イベントとなっている。

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