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【新春企画・この人の未来はどうなっている?(1)】デジタル革命の英雄となるのか【今後河野太郎さんが果す役割】
新春企画なるものを昨年から書いています。昨年は、一般入試が終わった世界を書きました。
反応は必ずしも芳しいものではありませんでしたが、楽しく書けたこともあり、今年もやってみようという感じで、「自己満足度100%」の新春企画を書いてみます。
今年は、特定の人物に注目してこの人物の未来を考えてみたいと思っています。
初回は、自民党の河野太郎さんです。
なぜ、この人なのか。カギとなるのが「デジタル化」です。
現在、デジタル化で先頭を走っている国は、アメリカではなく中国だろうというのが私の理解です。中国がここまでデジタル化で躍進できたのは、民主主義国家ではないという指摘があります。これは、リベラル界隈のオピニオンでも出ている観点ですが、新自由主義的立場の人たちは、「行き過ぎた民主主義」の弊害を訴える根拠にもなっていると思っています。
今は、すっかりとリベラル界隈の「敵」となっている感のある成田悠輔さんですが、分析は的を射ている感はあると思っています。
となると、新自由主義界隈の人たちが望むことは、民主主義的な価値観の段階的な縮小であり、国民から嫌われても経済界が望むことを強行してくれる政治家は、「いい政治家」と映るのではと思っています。
その視点で見ると、デジタル大臣として、「マイナ保険証」で体を張った感のある河野太郎さんは、産業界の推す、首相候補になるのではと私には見えています。
立候補した自民党総裁選挙でも、デジタル化を見据えた公約を掲げている。
国民すべてに確定申告をさせ、これを機にデジタル化によって、国民を管理下に置くことができれば、遅れをとっているIT化を進められると考える財界人がいても不思議ではない。
そのためのハードル。それが、このようなことを推進する人間の宿命ともいえる「大衆的不人気問題」でしょう。選挙が民主的に行われる以上、不人気は大きな壁になる。
国民からの人気という点では、小泉進次郎さんもいますが、国民に不人気な政策を彼に背負わせて乗り切れる保証はない。産業界も推している「選択的夫婦別姓制度推進」という観測気球は、先の自民党総裁選で想像以上の失敗となったと考えるべきで、賛成も多いこのような政策であっても彼の人気で押し切れないとなれば、小泉進次郎さんでは、まだ線が細いという結論になるのはやむを得ないのかなと見ています。
そうであるならば、すでにダーティなイメージのある河野太郎くらいでないと、民主主義の縮小などできはしないというのが現実でしょう。
なので、私はどこかのタイミングで、経済界から「河野太郎待望論」が出てくるのではと思っています。
ただ、そうなったときは、シミュレーションは完了しているとも思っているので、最初はゆっくりでも、不可逆的に国民の権利は縮小していくのではと思っています。
自民党は、2度の政権転落を経験し、その経験によって、産業界に近づいてしまったことで、彼らの言い分を聞かざるを得ない組織になっている印象があります。そこに産業構造の転換が重なってしまい、生存戦略を随分と息苦しいものにしてしまった感があります。
これもまた、不可逆的なものではないかなと思っているので、政治はどんどんきな臭い存在になっていくのかもしれません。
任期満了にともなう7月の参議院選挙の数か月前から政治は賑やかになってくるでしょう。その渦中に河野太郎さんはいるのか。私はその点を注目してみたいと思っています。