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マクドナルドハンバーガー150円への値上げの本当の怖さ。【消費税減税は本気で議論されるべき】

マクドナルドのハンバーガーが20円値上げされ、150円になるとのことです。

私もすっかり忘れていましたが、マックのハンバーガー、かつては59円の時代もあったのです。

バブル崩壊後、日本はデフレを脱却できず、物の値段は下がり続けていました。そのため、賃金は先進国で唯一ほとんど上がらない状況が続いています。

モラトリアムは終わったのか?

これまで、比較的強かった円の恩恵を受け、輸入品を安く買えたことが、デフレでもなんとかなっていたのではと推察していました。ただ、それが通じなくなるのも時間の問題だとも思っていました。

国内需要が冷え込み、賃金が上がらない国の通貨が強いということはあり得ないのだろうと思っていたからです。

しかし、これも止まらない円安でついに堤防が決壊したのではと感じています。モラトリアムは終わったと理解すべきかなと感じます。

今から思うと、円が強い間に何らかの手が打たれるべきだったと思います。

消費税増税と高負担低福祉国家

ところが、その間この国では、消費税は、
1997年に5%、2014年に8%、そして、2019年に10%になりました。
1万円の物やサービスを購入すると1000円の税金がとられる。このような税金があれば、消費が冷え込むのは当然です。

また日本は、社会保障費は別建てて払わないといけない。年金と健康保険と合わせると高負担の国家だという指摘があります。しかし、多くの国民はその負担にあった福祉国家というイメージは持てていないでしょう。介護の悲劇的なニュースが絶え間なく耳に届いたり、こども食堂の存在やそこに大人が食事をとらざるをえない現状がある以上、当然かと思います。日本は、高負担低福祉の国家になっているのではと思います。

社会保障費と消費税が別建てで高い水準で徴収されている限り、給料が上がらない社会で、消費が回復する見込みはないでしょう。低所得者は、結局可処分所得として残らず、比較的ゆとりのある所得層も将来を考えて貯蓄に回す。一昨年の5万円給付が貯蓄に回ったのも不安の要素が大きかったからだと思います。

少なくとも消費を冷え込ませている消費税を何とかしないとどうしようもないと感じます。

野党の姿勢に感じる強い違和感

ところが、この国民を苦しめている消費税について見直そうという声は聞かれません。政権与党が政策の整合性から主張しないのは、理解できますが、野党からの声が小さいのは私には理解ができません。

本気になって主張しているのは、れいわ新選組と日本共産党くらいで、あとは選挙だけのリップサービスかほっかむりのどちらかになっているように思います。

消費税が法人税の穴埋めに使われているという説がありますが、経団連が、将来は消費税は19%くらいにせよと提言していますが、セットで法人税を下げよといっているので、この説は正しいか、または経済界の本音だと理解していいのかなと思います。

《消費税率を2014年4月に8%、2015年10月に10%へ引き上げ、その後、2017~2025年度の間、税率を毎年1%ずつ引き上げ、最終的に19%とする。実はこの提言には、《法人実効税率を、2016~2025年度にかけて毎年1%ずつ引下げ、最終的には25%にする》《社会保障給付の自然増を毎年2,000億円抑制》という文言もある。

記事の中では、「今は」主張していないとされていますが、時期が来れば復活したいと考えているのだろうというのは自然な理解かと思います。彼らの立場からすればある意味、当然なのかもしれません。

スタグフレーションかもしれない今、決まったことに従うよりも、決まったことを変える社会に。

マクドナルドハンバーガー150円は、ここが天井とは限りません。給料は上がらないデフレなのに、ものの値段は上がり続ける。これは中学の社会のときに習ったスタグフレーションではと思います。私は、こんなことってありえるのかなと学生当時思っていましたが、まさか自分が実体験するとは思っていませんでした。

日本人の思考として、決まったことに従ってしまうという習性があります。西九州新幹線の整備問題も、この心理作用を期待したので、あのような整備方式になったのではと思います。中止を求める声も多かった安倍元首相の国葬(儀)についても、似たような声がありました。

消費税は、すでに存在しているし、高齢化社会になっているし、仕方ない・・・で済ませていいのか、私たちはよく考えないといけないし、行動しないといけない。政治家や官僚の思考停止に対して、お尻をたたく必要があるように思います。

問題が深刻化してからでは遅い。消費税は議論されるべきテーマ。

一般庶民は確実に追い詰められています。このまま収入が上がらず、これ以上、税と社会保障費が上がって、持ちこたえられるとは思えません。

消費税減税または廃止(=代替案の検討)は真剣に議論されるべきしょう。本当の危機はもう少し先かもしれませんが、そのときに議論を始めても遅い。タイミングは今でも遅いのかもしれないのですから。




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