成績は、無理に褒めても伸びません【家庭教師時代の苦い経験】
今日は家庭教師時代の話を書きます。
ご家庭から「うちの子は、褒めると伸びるタイプなので、どんどん褒めてください」と要望を出されることがありました。このような場合、良い結末になったことがありません。
教育の現場感覚として、「褒めても伸びない」というのは、割と共感していただけるのかなと感じます。
保護者が褒めることを求める背景
このようなケースの場合、生徒は、男子であることが大半です。そして、お母様がそのように求めるという構図になります。
若いころは、よく理解できていませんでしたが、母親が息子を褒めるように求めること自体が、コミュニケーションにトラブルが起こっているとみていいのではと思います。
お母様が息子さんに気を遣っている結果、第三者にもそのような姿勢を求めるということなのだろうと思います。
生徒が抱えている問題とは
このような場合、概ね息子さんは、劣等感を感じている場合が多いです。そのためか、成績不振で家庭教師に依頼する流れになっています。中学から高校への学習の受け渡しに失敗してしまい、今風に言うと深海魚になっているパターンです。
このような場合、
(1)勉強のやり方を正しく理解していない
(2)中学までの勉強の向き合い方を修正できていない
(3)努力をしないと高校の勉強にアジャストできないことを理解できていない
などの原因があります。
特に地域最上位高校の生徒の中には、(3)について抵抗を示す生徒がいて、大体の案件は(3)の要因が多かったように思います。
この場合、かなりプライドが傷ついていることが多く、それが、家庭での態度にも影響を与え、お母様が「褒めて伸ばしてください」というリクエストになるのだろうと思います。
上手くいかないのはなぜか?
このような場合、傷ついてしまったプライドを修復することが求められますが、これは結果によって現状を変えるしかないのかなと感じています。
つまり、考え方を変えて勉強をし、結果を出して自分への自信を回復するということです。
なので、この問題については、考え方を変えることが何より大事で、指導においてもここを重視します。
しかし、考えを変えることは、若い生徒さんであっても難しい。教えることを生業としている家庭教師が、意識改革まで踏み込んだスキルを持つことは簡単なことではありません。
そのため、結果として、予定よりも早い指導終了ということも多かったように思います。
そのようなことも家庭教師を辞めた理由にもなっています。
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