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共通テスト理系科目の感想【医学部はさらに厳しい入試になった印象】

受験生の皆さん、共通テストお疲れ様でした。
事前にいろんなことが言われていた今年の共通テストでしたが、予想に反していた点も多かった印象です。

まだ、細かくは見れていませんが、理系教科について現時点での印象を書いてみます。

数学ⅠA
解法パターンを頭に叩き込んで、アウトプットという学習アプローチでは通用しない問題を目指しているという点では、共通テスト「らしさ」のある問題だったのかなという印象。
問題量もほどほどでここ2年程続いた、「思考力を問うとしているのに、考える時間がない」という本末転倒さは解消された印象。
あと、選択の確率、整数、平面図形については、平面図形は解法が見えやすかったので、多くの受験生が整数を回避したのかなという印象。整数は、文系受験生の存在を無視している印象しかない。

数学ⅡB
数学ⅠA以上に時間的なゆとりがあったのではという印象。ベクトルはこれまでとは、問題数が明らかに少なかった。また、比較的地味な存在だった対数関数がここまでメインに出てくるのは、正直、意外だった。
関数の問題も出題方法に工夫があり、これまでのような焦点の当て方とは違っている。このあたりは、対策が本当に難しいなと感じる。
対策演習では、パターンにはめて答えが出るという問題はかなり外したが、まだ不十分だと感じる。

化学
予想はしていたが、難化は底なし沼のような印象。地方の公立高校に通っている普通の進学校の生徒には、第5問はあまりにも厳しすぎる。
10,11月頃にようやく全範囲を習い終わっている現状の彼らに対して、ここまで問題の水準を上げられたら、私立の中高一貫校の生徒とは戦いようがない。公平性という観点でもこのような出題は疑問が多い。
あと、化学は実験重視、考察重視となると一般概念という共通項が弱いので、どうしても個別的アプローチになる。基礎はそっちのけで、マニアックな能力を問うということになってしまう。このままで、化学だけが難しい問題を生産しつづけることになる。生物、物理選択というウルトラCをやる人も出ても驚かない。

物理
生徒たちには、難化は確実と脅かしていたこともあり、拍子抜け感が強い。実験重視、考察重視の方向性は物理とは相性がいいと感じる。物理は、通常の2次私大対策でも、出題された問題の設定についてどのように物理現象を解すべきかという点が焦点になるので、共通テストだからといって特に違いがあるわけではない。この傾向が続けば、上位層の争いは、今後も激化するのではと思う。

全体として
全体的な印象として、医学部受験生は、さらに厳しい戦いになっているなと感じる。共通テストで点数を落とすと厳しい大学が大半であることを考えると医学部は、高いレベルでのハイスコア競争となるだろうと感じる。

どの科目も失敗できないプレッシャーは相当なもので、センター試験時代の比ではない。そこまで彼らを追い詰めていいのだろうか。
また、ここまで厳しい戦いを求められたら、将来の医師は選民思想だらけになるのではないかと思うし、そうなっても彼らを責められない。

疑問は膨らむばかりの共通テストであるとも感じる。


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