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学習塾倒産の増加傾向は、ある意味必然的な流れ。少子化よりも問題が大きいと感じるある要因【これまでの「常識」はすぐに「非常識」となる時代背景】

学習塾の倒産が増加傾向だとか。帝国データバンクが次のように報じています。

マクロ的には、少子化ということですが、これはわかりきっていたこと。
私は、その要因はミクロ的なものだとみています。

記事にあるように、

中堅クラスの学習塾では教室など設備投資のために借入金が膨らんでいるケースもあり、今後も少子化の深刻化やコロナ融資の返済負担による倒産リスクは拡大する公算が大きい。

これは、旧来のビジネスモデルによる競争の結果だろうと思います。
旧来のビジネスモデルとは、大きめの教室で授業をする形式であったり、生徒1~4人程度に先生が1人ついて、教えるという個別指導などを指します。

少子化によって、「終電の時刻が繰り上がり」、その結果、「電車に乗り損ねた」ための倒産ということでしょう。

私は、たとえ大手であっても、構造的に旧来のビジネスモデルでは、早晩破綻とまではいかないものの、規模の縮小は時間の問題だと思っています。

ベネッセ、大手予備校は、最後は模試サービスを中心としたデータ屋さんになるだろうとさえ思っています。

また、中堅クラスの地場系の塾は、できるだけ早いうちに資本力のあるところに売却すべきだとも思っています。

というのも、福岡にある、とある塾は、随分前にそれを実施しています。経営者の賢明な判断だと感じています。結果として塾は生き残り、働いている方も、比較的安価な料金設定のため、多くの中高生やそのご家庭は恩恵を受けただろうと思っています。

では、なぜ旧来のビジネスモデルでは、厳しいのか。

身も蓋もありませんが、本気で成績を上げることを「第一に」仕組みを考えないからです。

何だと!けしからん!

と思われるかもしれませんが、ビジネスとは必ずしも善意が通用するとは限りません。

食品会社は、必ずしも健康にいいものばかりを売っていませんし、携帯電話会社は、コストに対して、比較にならないほどの莫大の利益を乗せています。

資本主義社会では、何よりも儲けることが最優先となります。旧来のビジネスモデルは、通っている受講生の成績向上よりも、生き残りのために儲けることを最優先に組み立てざるを得ない。

そのため、成績向上のシステム作りは、二の次にならざるを得ないのです。

とはいうものの、成績向上を全く考えていない訳ではありません。そんなことをしていれば、当然塾はつぶれます。

その点については、こちらで書いています。

少子化によって、塾が存続できるボトムラインは、徐々に上がっていく。構造的に、塾業界は旧来のビジネスモデルでは、淘汰の波は避けようがないのだと私は思っています。

そのために必要なことは、発想の転換でしょう。

塾は成績を上げるところ

という点を担保できることこそ、社会に生存できる根拠があると思うからです。

私は成績を上げることを第一に考えています。そうすれば、塾の常識は、時に非常識になっていることに気づきます。

それは、私だけでなく、同じような思考で塾に関わっているおられる方はいるはずです。

地域にもう少し目を配ってみてはいかがでしょう。大手と大手の隙間に、キラリと光る原石のような塾は恐らくあるはずです。

上記の記事にあるように、大手さんに通って最大のベネフィットが得られないと判断すれば、次の手は見えてくるのではと思っています。

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