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【#共通テスト2025(9)】物理・原子分野チキンレースへの処方箋【5点を捨てる覚悟は蛮勇とは言えない】

来年度の共通テストについて考えるシリーズ、今回は9回目です。

前回はこちら

今回は、物理の原子分野について書いてみます。

それは、共通テスト試行調査からはじまりました。

これは、私には衝撃的な問題でした。

ここまで踏み込むのかという印象を強く持ったことをよく覚えています。
センター試験時代にも原子分野の出題はありましたが、物理Ⅰから物理基礎・物理に衣替えしても、2次試験向けのネタは、センター試験には出ないという不文律はあったように思っていました。

しかし、共通テストになれば、そうはいかない。
そのことを覚悟したものです。

現実は想像以上に踏み込んできました。
2022年は、万有引力との融合でしたが、小問集合から脱出しました。
そして、2024年はついに、原子核反応式と半減期の融合問題が出題されています。

2025年(以降)には原子物理はどの程度備えるべきか。これは結構重たい現実です。

現役生は、十分な習熟を得られておらず、水素原子モデル以降となると、かなり怪しい状態になりがちです。

さらに、物理は、1問当たりの配点が大きいから、厄介でもあります。

センター試験時代は、受験生の中には、出題される「確率」と勉強の「コスト」を考えて、原子分野を捨てるという選択をする人がいました。

これは、受験のリアルという話では、ギャンブルとして「あり」な側面がありました。蛮勇(?)であるとも言えたのです。

原子分野は、学校で習う時期が遅く、学校によっては、十分に教えていないところもある。このような選択を怠惰とは批判しにくい現実もあります。

しかし、共通テスト時代では、非常にリスクの大きい考え方です。

もし、受験生の中で、原子分野は対応が間に合わないからという理由で捨てる選択をしようとしているのであれば、それはおススメできないということはお伝えしたいなと思っています。

物理を75%以上の得点率を目指しているのであれば、原子の5点の減点はかなり痛い。

原子分野は、出されても素直な問題であることが多い。共通テストに限れば、ハードルはそこまで高くはないので、それなりの対策は意味があると思っています。基礎的な問題だけでも単元の最後まで、ぜひ取り組まれることをお勧めします。


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