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「難しすぎる共通テスト」がもたらした「信じられない現象」について考える【#共通テスト2025】

国公立大学の受験生は、25日(から)の個別試験(2次試験)に向けて追い込みの時期です。

ここ数年前から共通テストについて「あること」が気なっています。

それが、地方の国公立大学を受験する場合、難易度が

共通テスト>個別試験 となっていないか?

という点です。

医学部医学科などの難関学部学科を除く地方国公立大学の受験生の場合、共通テストで数字以上にメンタルをやられます。

化学は平均点の最低を更新しましたが、中位以下の受験生にとって、勉強してきたことを水泡と化したとさえ言えるレベルだったと思っています。

これまで頑張って受験勉強をしてきたのは、何だったのかということが頭を過るのは当然のことではと思っています。

共通テストは、中位層以下の受験生には、本当に厳しいテストになっています。

地方国公立大学を第一志望とする受験生は少なくない現実を考えると、この難易度はどうなんだろうかと思わざるを得ません。

そんな、地方国公立大学を受験する生徒さんですが、この時期になると徐々に元気になってきます。

なぜなら、先ほど指摘した通り、個別試験の方が「取り組みやすい」ので、勉強が捗るのです。

「取り組みやすい」=簡単である

という認識は、ペーパーテストエリートさんの視点であって、普通の高校生にとって、「取り組みやすい」ことはとても重要です。

教科書で学んだ内容に沿って設問がつくられ、自分たちが勉強してきた延長線上に入試問題があるという認識となるので、これまでの勉強の成果が反映しやすいという感じになるからです。

そのため、量もこなすこともできるようになり、何より自信が湧いてきます。だから、元気になるのです。

共通テストの後の気の毒なくらいの落ち込みようは、この時期には影を潜めています。

このような現象は、何を意味しているのか。

共通テストは、正規分布の右端の受験生しか見ていないのではないかということではとも思っています。

共通テストは、事実上のペーパーテストエリートの競争試験になったのか。

仮にそうだとするならば、平均的な受験生には、基礎を重視したセンター試験のようなテストを別に用意してもらいたいとも思っています。

これまでの受験勉強を全否定するような問題を1月に課すという点はいろんな不合理を含むのではと思っているからです。

あと、共通テスト「だからこそ」、地方国公立大学は、共通テストの比率を圧縮してほしい。最低でも1:1の比率にしてほしい。

何なら、難関大がやっているように足切り専用テストでもいいのではとさえ思います。

そうであれば、地方国公立大学の受験生はそこまで共通テストに悩まされなくても済む。

地方国公立大学がお金を出し合って、共通の基礎学力テストを個別試験の日程に組み込んでもいいとさえ思います。

共通テストがエリート選抜テストになっていたとしても、これは恐らく国策が絡んでいるのでしょうから、それは否定はしません。

それはそれでいいので、真ん中近辺の受験生には、何らかの配慮をするようにしてほしいと思います。

このままでは、共通テストが大変だから、「年内入試がお得」という価値が生まれかねないのではとさえ思っています。

このような流れも含めると、総合型選抜入試を中心とする年内入試シフトは、当初の目論見とは違った方向に動き出しているのではと思います。

人間は、楽をする生きものでもあるという視点を甘く見てはいけないと思います。このままでは、難しすぎる共通テストが「勉強しない受験生」の製造装置になりかねないとさえ思っています。


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