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未来に必ず起こると私が考えていること【就職氷河期世代に向き合うことなしに、明るい未来は絶対に来ないのでは?】

年齢を重ねると一つ言えることとして、若いころのように大きく驚くことが少ないことでしょう。

中山美穂さんの突然死のようなことでも、もちろん最初は驚きますが、むしろ自分にもそのようなことが起こっても不思議じゃないんだなという受け止め方となっています。

そんな私でも、久々に大変驚いたことがあります。

↓のXの投稿です。

ハワイで内定式とかやっていたバブル時代の求人も大概狂っていましたが、その反動で生じた氷河期世代の求人は、別の意味で異様なほどの狂いっぷりだと思います。

個人的には、当時は他人様のことを考える余裕が全くなかったとはいえ、このような現実があったことに震撼しています。

氷河期世代の人たちは、声を上げると「自己責任だ!」という罵声を浴び、それからは傷つくことを恐れ、不条理の現実をやむなく受け入れ、社会にひっそりと佇んでおられてこられたのでしょう。

トラックドライバーの求人に、必然性に疑問のある「大卒」「TOEIC850」「国立大」の付帯事項・・・どうしてこんな意味不明な求人となるのか。

氷河期世代が受けた不条理はいくつもあると思っていますが、その不条理を突き詰めると、「人としての尊厳を奪われた」ということでしょう。

ひとつ確実に言えることがあるとすれば、このような不条理を受け、それが救済されない場合、間違いなく「社会に恨みをもつ」ということでしょう。

社会は厳しいのだとか、企業は生存競争で戦っているのだというエクスキューズはわかりますが、彼らが受けた不条理は、理解されてしかるべきだと思います。

そんなことをしていた(大)企業が、一転して人手不足となると、新卒の初任給が30万円超だとか言っている。
資本主義社会でモラルを問うことがむなしいこととは言え、これでは氷河期世代が浮かばれない。

時代の空気というのは、その痕跡がすぐに消えてしまうこともあり、当時、彼らが受けた不条理を理解できないことは仕方ないことではあるとなのかもしれません。とはいえ、中高年になったこの世代に対して、いまだに「自己責任」を叫ぶのは、人としてどうかなと思ってしまいます。

彼らの世代だって、ちゃんと就職できた人はいるとかいう言説は、何の意味もない。いつの時代であっても、必要数は求人されるのですから、ちゃんと就職できた人は当然出る。そうでない人の数があまり多く、それが問題なのですから、論点がズレていると私は思います。

人生でこの問題をうまく消化できないまま、人生を送っている彼らに耳を傾けることの必要性は、雨宮処凛さんの活動を通じても理解できるのではと思っています。

プレゼント機能を使っています。2月6日9:24 まで上記リンクで読めます。

別の媒体で、雨宮さんは、就職氷河期世代で、非正規雇用で働いている人たちがすでに亡くなり始めていることも触れておられます。不安定な雇用で、健康を崩す人が多く、社会とのつながりがないと、体調の異変に気が付かれずに亡くなってしまうのだとか。

そこで、私たちが理解しておかないといけないと思うのは、人によっては、このまま黙って死ねないと思う人が出てくるのではということです。

雨宮さんは、

 貧困を何十年も放置してきたんですから、そうなりますよ。20年前くらいから「貧困を放置したら治安が悪くなる」って、私たちは政府に言い続けてきました。「日本が誇れる治安の部分が崩れていく」と。治安は一度悪くなってしまうと、なかなか元に戻らないし、膨大なコストを社会が払わなければいけないので、絶対に困窮者を放置してはいけない、と訴えてきた。

上記記事より

とおっしゃっていますが、抑制的に表現されておらえるのではとさえ思います。

オレオレ詐欺から闇バイトに「進化」している系譜をみると、このような犯罪は、一種の「社会への復讐」であると言えるのではということだと私は理解しています。

池波正太郎の『鬼平犯科帳』で描かれる極悪非道の「急ぎ盗(ばたらき)」は、今自分が生きている社会が自分のコミュニティの一部であるという認識がないからできる犯罪でもある。

セイフティネットのボトムラインは、刑務所となれば、犯罪への心理的抵抗は、更に落ちるでしょう。

私は、雨宮さんと同じように、これから治安は悪化すると思っています。資本主義が誘導する苛烈な競争は、確実に敗者を生み出し、自己責任の下に救済が図られなければ、その一部の人たちは、確実に犯罪に流れる。その質も量も今後増えていくことでしょう。

それが凶悪犯罪となるとは限りませんが、自己責任を声高に叫ぶ人は、そのような犯罪社会を誘導しているという自覚は持っておいていいのではと思っています。

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