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塾ビジネスでも重要なFLRについて考える(1)【塾ビジネスにもあてはまる普遍性のある要素だと感じる理由】

学校と塾は、違います。当たり前ですね。

では、根本的に何が違うかというと、学校は、純粋なビジネスではない(法律にのっとった運営が求められ、そのかわり補助金も得られます)のに対して、塾は徹頭徹尾、ビジネスである点です。

塾を運営されている方の中には、ビジネス度外視で運営されている方もおられますが、それは明らかに例外です。
(定年退職後、自宅を改装して塾をされている方などがそれにあたります)。

一方で、塾ビジネスは、飲食業に似ているとも言われます。
私もそれには納得することもあり、かつて↓のような記事も書いています。

今回は、飲食業の成功のカギを握ると言われるFLRについて考えてみたいと思います。

FLRというのは、こちらです。

飲食店でコストについて考える際に重要なのが「FLR」です。「FLR」はそれぞれ英語の頭文字をとったもので、Fは「food」で材料費、Lは「Labor」でアルバイトや正社員にかかる人件費、Rは「Rent」で家賃(賃料)のことです。人件費には福利厚生費も含まれます。

上記記事より

飲食業では、R(賃料)を除いたFLという考え方もあるようですが、塾ビジネスでは、R(賃料)は大きな影響を持ちますので、FLRとして考えたいと思います。

私はこれまで、大手を避けて比較的小規模の塾で仕事をしてきました。そこで痛感するのは、競争の厳しさであり、資本主義の苛烈な現実です。
そのため常に頭にあるのは、生き残るための戦略的な思考となります。

そこで、やはり重要だと感じるのは、FLRの3つの要素です。

Fの「food」ですが、塾業界では、サービス力であり、教材ということになります。大学受験カテゴリーでは、これはとても重要な意味を持ちます。いろんな塾がありますが、この要素が十分でないと生き残りは厳しい。

Lは「Labor」ですが、これは言うまでもなく、講師の実力です。実力のある講師の存在は塾の生命線です。講師の力量は、塾に来ている生徒さんの合否を分ける局面すらあるからです。

そして、何より大事な要素だと思うのが、
Rは「Rent」で、これは立地です。どんないいサービスを提供することができても、どんないい講師を揃えていても、立地が悪いとビジネスとして非常に難しい。

立地については、前に書いています。

このように考えると、このFLRは、幅広いジャンルで応用の利く、商売の基本なのかもしれません。

塾の場合は、FとLが一体化しやすい傾向はあります。優秀な講師は、教材へのこだわりが高い方が多いからです。また、自分で教材を作らない方でも、市販の問題集に詳しい講師はいいお仕事をされる傾向があります。

これは、飲食業でいうオーナーシェフのお店に類するのかなと思います。
また、飲食業では、徒弟制度のようなものがあり、昔ながらの運営をされているところでは、暖簾分けのようなシステムありますが、塾業界では少ないものの、人材育成が上手くいっているところもあり、これも似ています。

このFLR。重要性はわかっていても、「悪魔のささやき」がやってきます。この恐ろしさを私は塾講師のキャリアを通じて理解させられたとも思っています。

そのことについては、(2)で書きます。



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