今更ながら、チャート式、フォーカスゴールドの使い方を知る②
網羅系問題集の2大問題集、チャート式シリーズ、フォーカスゴールドの使い方を考えるシリーズの2回目です。
前回はこちら。
チャート式とフォーカスゴールドが網羅系問題集と呼ばれるようになったのは、いつからでしょうか。誰かが言い出し、それが的を射ていることで広がったのでしょう。
それほど、チャート式は学参業界で最も成功した本の一つといえるのでしょう。後発のフォーカスゴールドは、2番手としてチャート式をよく研究している問題集といえます。
ただ、似たようなレイアウトである「1対1シリーズ」(東京出版)は網羅系問題集とは呼ばれませんね。それは何故でしょうか。
この違いが、チャート式、フォーカスゴールドの使い方の注意点を示しているように思います。学習者目線では落とし穴といえるかもしれません。
結論を言えば、網羅する程の問題数というのは、はっきり言って多すぎるのです。
チャート式、フォーカスゴールドをやっている受験生にとって、なかなか終わらない!という悲鳴はよく聞きます。
また、これを全部やらないといけないのですか?と半泣き状態で質問に来る受験生もいますし、逆に切迫感をもって全部消化することに固執する受験生もいます。
チャート式、フォーカスゴールドはその網羅性故に、手が回らず消化不良を起こすという弱点があるのです。
受験生は致し方ないものの、これを意識している講師は意外と少ないです。
私がプロ家庭教師時代、同僚の先生が「数学は青チャートをやってもらえればいいからさあ・・・」と話すのを聞いて、驚いたものです。
そう簡単な話かな?と不思議に思っていたものです。
理系はともかく、文系は量が多すぎます。もし、文系の受験生ならば、学校の先生や塾の先生などに頼んで問題数を絞り込んでももらいましょう。
そもそも数学の入試問題は問題を網羅したから解ける訳ではありません。そこは割り切って問題を絞り込みましょう。
理系は単元によって濃淡をつけていくことです。数学ⅠAⅡBは、確率、整数、図形と方程式、ベクトル、数列以外は、数学Ⅲとの融合問題となるか、そもそも出題されないことが多いです(2次関数など)。受験予定の大学の過去問をみて、重点を置く単元を決めておくことがいいと思います。
あとは、問題をパターンを分類するような辞書的に使うために傍に置いておくイメージでよいと思います。
あと、網羅系問題集とはそもそもどんな役割かを考えることも必要です。そのことについては、次回お話します。