見出し画像

緩衝溶液の質問

今週の化学は、緩衝溶液の解説と演習でした。緩衝溶液から塩の加水分解、溶解度積までは化学平衡の大きなヤマです。

緩衝溶液とは、弱酸塩と強塩基(弱塩基と強酸)の中和反応の途中で起こる現象で、外部から入ってくる酸、塩基がある程度の値であれば、その影響があまり起こらないというもの。

入試では、pHを計算させて、「ほら、あんまし変わってないよね」とやるのが定番です。それに「説明してみ?」と記述をプラスするセットが多いですね。

中和の約半分のときは、酢酸ナトリウムと酢酸の緩衝溶液の場合、酢酸イオンと酢酸がそれぞれ半々くらいなので、外部から酸、塩基が入って来ても、

酢酸イオン+酸(つまり水素イオン)→ 酢酸 となり影響が少ないのです。

塩基の場合は、

酢酸+塩基(つまり水酸化物イオン)→ 酢酸イオン + 水

で影響をやわらげます。だから「緩衝」なのです。

・・・で!

タイトルの件ですが、この塩基の反応でよくある質問が、

塩基は、水中の水素イオンと反応して水にならないの?というものです。もうちょというと、上級レベルの受験生がこれを聞いてきます。

そもそも水は共有結合です。共有結合は、基本イオンにならないのですが、水は特別に水素イオンと水酸化物イオンに電離します。これが結構メジャーなので、水は水中では電離しているというイメージになっているのでしょうね。

登場頻度が多いと、普通そうなっているという認識になるのでしょうね。水の極性について、フムフムと聞いていても、この矛盾に思いが至らないのは、受験生の責任ではないように思います。

私たち講師が気をつけておかないといけないことなのだと思います。

いいなと思ったら応援しよう!