見出し画像

パターンにはめる怖さ【化学:酸化還元】

先日、授業であったことを書きます。化学の酸化還元の授業のことです。

酸化還元は電子のやり取りであるので、「モル数×電子の価数」の考え方で解くやり方を教える先生が一定数います。酸塩基と同様の滴定の概念での解法です。

有名な映像系講師もこのやり方を推しています。私は、酸化還元は化学反応式(またはイオン反応式)が問われることもあり、反応式をつくって解くやり方を勧めています。

反応式ができれば、通常のモルの問題だからです。酸化還元の場合、ヨウ素滴定など反応式を2本使うことも多く、酸化還元の問題というより、モルの問題として処理する方がやりやすいのではと思っています。

ある生徒が上記の価数を使うやり方でやってみたら解けないと言い出しました。ならばと思い、先程の反応式を使うやり方を勧めてみると、納得をしつつも、このやり方が通じなかったことが不満だったようでした。

これまでこのやり方でしか解いたことがないらしく、それで解けないのでパニックになったようです。蓋を開けてみると、桁を間違えたことに起因する計算間違いでした。
周囲は、笑いごとで済ませている雰囲気でしたが、本人はちょっと焦った表情でした。受験本番でこれが起きた場合を考えたのでしょう。

こういう現象をみると、解法を複数持っておくことが大切だなと感じます。メインの解き方で解き、サブの解き方で時々検算するというのがいいのではと思います。

受験は心理戦でもあります。試験当日、ちょっとしたきっかけでメンタルが不安定になるシチュエーションがあり得ます。そのようなときに上手く抜け出すためにもサブ的な解法は抑えておくべきでしょう。

また、理屈と連動しない解法パターンは、怖い一面を持ちますので、パターン化は理解と連動すべきでもあります。入試問題に慣れてくるとどうしてもパターン化していくものですが、その怖さも理解しておくことが大切ではと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?