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農業灌水(いわゆる水まき)で使う設定2

前回、灌水(いわゆる水まき)で1日の間に定期的に水やりを行う設定について書きました。今回はそれを発展させます。
植物を上手く育てるか、を突き詰めていくと「いかに植物の光合成をスムーズに行わせるか」という事に行きつきます。


光合成とは「光のエネルギーを用いて二酸化炭素と水から炭水化物を合成する」事です。
炭水化物を元に植物の体を作ったり、果実を実らす事に使うため、植物を上手く育てるには「十分な光」と「二酸化炭素」と「水分」が必要となります。
(もちろん生育のためには微量元素も必要となりますが)

式でカンタンに表すとこんな感じでしょうか。
f(植物の生育) = a(十分な光) * b(二酸化炭素) * c(水分)

光合成を無駄なく行いたい場合、仮に光と二酸化炭素は十分にあると考えてみると...残りの灌水(水まき)がポイントとなります。

水まきのタイミングを知る

水まきについては以下のやり方が選択肢に上がります。
1. 全く行わない(天候に任せる)
2. 主に時間で定期的に行う
3. 土の乾き具合を見て必要に応じて行う

この記事では2.と3.を対象として書いてみます。
2.の場合、いわゆるタイマー灌水と言われる機能になります。
1日に数回程度、畑地に水やりをする事になります。あまり手をかける必要のない作物であれば、これで十分という事にもなりますが、もっと細やかな水やりを行いたい場合には、それ専用の設備の導入が必要になってきます。設備導入となると、一般的には100Vや200Vのような外部電源が必要となってきます。

土壌の水分を計測してみる

3.の「土の乾き具合を見て必要に応じて行う」を見てみましょう。
灌水(水やり)をタイミングよく行うには、土壌の水分の状態を見て、「乾き気味だなぁ」という状態だったら水やりを行い、湿り過ぎていれば水やりは行わない、というやり方をします。

ただ、ここで「土壌の水分がどれくらい湿っている」のかを、正確に計測するのはとても難しいです。
一般的には土壌水分を計測する「土壌水分センサ」を用いますが、実際に計測してみると以下のような問題が上がってきます。

・土壌という固体の中にある水分を計測するには、土壌センサをしっかり設置する必要がある(場合によっては何回も埋め直す)
・設置位置による測定ムラが大きい
・広い農場をどれだけの数のセンサで計測すれば良いかわからない
・センサ自体高額である

上記のような問題点が出てくるため、土壌センサでの計測の前に日射センサで代替しようとするのが日射比例灌水などと言われるやり方になります。

まとめ

まとめるとこんな流れになりますね。
光合成がしっかり行われるか観測したい
→土壌センサで十分な水があるか計測したい
→土壌センサは問題があるから、日射量を計測すればある程度土壌の乾きも間接的に知れるのでは
→よし、日射量を計測して、良さげなタイミングで水やりしよう

日射比例灌水は「まとまった日射量毎に水やりを行う」、水やり方法です。
なので、晴れていて日射エネルギーが大きければ1日の水やり回数は多くなりますし、曇りや雨であれば日射エネルギーが少なくなるので水やり回数は自然と減ります。


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