独自開発したハードとソフトで日射比例灌水の開発と導入
以前、農業での水まきの方法の一つとして日射比例灌水を取り上げてみました。
日射比例灌水が判りやすい理由
上のエントリでも述べていますが、水やり(灌水)で一番判りやすい・導入しやすいのは日射比例灌水かなと思っています。
もちろん、土壌の乾き具合を見て水やりをするのが理想的ではありますが、土壌を計測するセンサが高価な現状では、やはり投下するコストに見合う効果が得られにくいと考えています。
日射はそれなりに計測しやすい
正確に日射量を計測する、となるとセンサの取付け位置を水平に保ったり、ビニールハウス外の日射量を計測したりと大がかりになる事もありますが、ビニールハウス内の日射量の計測であれば、設置も難易度が低くなります。
例えば上の写真では環境計測装置の上の青い部分が日射量を計測するセンサ、となっています。
正確さを求めるのであればビニールハウス外とビニールハウス内のそれぞれに日射センサを設置する必要があります。
2. 外部の計測実測値が使える
厳密とは行かないですが、外日射に関しては予測値を使う方法や、気象庁から出ている近隣の観測地点の日射量を使う事も可能です。
上のスクリーンショットは、上の環境計測装置の温湿度やCO2、日射量のグラフです。
ここでのポイントは日射量の予測値に対して実測がどれぐらいか、という事が判るようになっています。
日射計測に比べると土壌計測はやっぱり難しい
日射計測と比べると土壌計測はかなり難易度が上がります。
これは日射量の計測と反対の事が言えて、やはり土壌という固体とセンサを物理的に接触させておかないと測る事すら難しいのと、日射量のように外部の計測データが存在していないため、何が正しいのか分かりにくいと言う側面もあるかと思います。
日射比例灌水の設定
日射比例灌水の仕組みとしては、前回の灌水時からの日射量を積み立てて、設定したしきい値以上になれば灌水を行う、というものになります。
このあたりについては、以前に岐阜県農業試験場でトマト向けの灌水サービス構築を行った経験が生きました。
実際に水栓の開け閉めを電磁弁、もしくは電動弁が行います。
今回は電動弁を試してみました。
余談ですが、個人的に電動弁のメリットと感じる点は、ウォーターハンマー現象が起きにくい、という事と1次側(元栓側)に圧力を必要としない、それから省電力が図れる、という点ですね。
そしてリモートスイッチを取り付けて設置完了です。
今回取り付けた圃場では、リモートで操作する機械がこれまでに無かったので、リモートから操作できるサービスとして省力化を進める事ができるのでは、と考えています。
また、今回の開発については弊社公式blogでも記事にしています。宜しければそちらもご覧ください。
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