海底光ファイバーケーブルの維持管理に関する取組を紹介します!
皆さん、こんにちは!島しょ通信担当です。今回は、海底光ファイバーケーブル(以下「海底ケーブル」という。)の維持管理に関する取組について、紹介させていただきます。
さて、本題に入る前にクイズコーナーです!
Q 海底ケーブルの維持管理のためには、海の中も点検する必要があります。では、点検は何が行っているでしょう。
Ⅰ.潜水艦 Ⅱ.ロボット Ⅲ. ダイバー
(解答は本文または記事の最後をご覧ください。)
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⛵都の海底ケーブル整備について
都は、小笠原諸島の父島・母島及び伊豆諸島の5村6島(利島、新島、式根島、神津島、御蔵島及び青ヶ島)への海底ケーブルの整備を行ってきました。これらの総延長は、約1,400kmに及びます。高速大容量通信を可能にする海底ケーブルの整備により、超高速ブロードバンドサービスの提供が実現しました。このサービス提供は、都が整備した海底ケーブルを借り受けた民間通信事業者により行われています。
小笠原村は、平成23年7月に超高速ブロードバンドサービスの提供を開始し、伊豆諸島の5村6島は、平成29年7月から令和元年度末にかけて順次サービス提供を開始しました。
超高速ブロードバンドサービスは、今では島の生活にとって必要不可欠なものになっています。そこで、今回は、海底ケーブルの維持管理に関する取組についてご紹介します。
⛵通信監視業務
都は、通信監視を通信事業者に委託し、都所有海底ケーブル等の健全性を確認しています。通信事業者は、専用の監視施設で、24時間365日通信監視を行っています。万が一、通信状況に異常が確認された場合は、通信事業者から都に連絡が入り、両者が連携し、ただちに対応に当たっています。
⛵故障修理対応
通信状況の異常は、○○島の通信局舎から○kmの位置で、通信障害発生といった具合に検知されます。この検知連絡を受けた都が、通信事業者に現地での点検及び修理を指示します。故障箇所が海底の場合、海底ケーブル敷設船による海底ケーブル再接続等の大規模な修理が必要になります。速やかに修理を行うため、都は通信事業者に委託し、敷設船が可及的速やかに出動できる体制を整えています。海底ケーブルの修理方法については、是非過去のnoteをご覧ください!
⛵陸上の点検業務
海底ケーブル等の維持管理にあたっては、不具合の発生にいち早く気づくため、日々の点検業務も重要です。
日常の点検業務では、海底ケーブルを海から陸上に引き揚げている場所(以下「陸揚げ箇所」という。)の状況や、陸揚げ箇所から通信設備が設置されている通信局舎までの陸上ケーブルルートについて、定期的に目視点検をしています。
こちらは、ある島の海底ケーブルの陸揚げ箇所の写真です。海中から陸揚げされた海底ケーブルが岩礁に固定されています。
また、こちらは別の島の陸揚げ箇所の写真です。陸揚げされた海底ケーブルは、砂浜に埋設されています。このように、島によって陸揚げ箇所の状況はそれぞれ異なります。
⛵海中の点検業務
海底ケーブルの点検業務は陸上部だけではなく、海の中も行います。海底ケーブルは、浅海部ほど波などの外的要因による故障リスクが高いため、海底ケーブルの外側にポリウレタン製や鋳鉄製の防護管を、ダイバー作業が可能な水深約30mの地点まで取り付けています。この取付状況を、ダイバーが海の中に潜って目視で点検しています。点検時は、ダイバーが作業をするための作業船と、船の安全確保や現場付近を航行する船舶に注意喚起をするための警戒船が出動します。
陸上と海中の点検では、海底ケーブル等に埋設不備がないか、防護管に亀裂や損傷がないか、転石が海底ケーブルの上に載っていないか等をチェックしていきます。海底ケーブルが海底の砂に埋没している場合は、ダイバーが磁気探査機を使用して、ケーブルの場所を確認し、点検します。
また、点検の際に、不備が発見された場合には、補修作業を実施しています。損傷した防護管を新しいものに付け直す等、ダイバーで対応可能な修理は点検に合わせて実施しています。ケーブルの位置直しや、巨大な転石除去等の大規模な補修作業は、別途体制を整えて実施しています。
⛵おわりに
今回は、海底ケーブルの維持管理をどのように行っているか紹介させていただきました。都は、今後も海底ケーブルの維持管理を確実に行うことで、超高速ブロードバンドサービスの安定した提供環境の確保に引き続き取り組んでいきます。
クイズの答え… Ⅲ.ダイバー