わたしのバブル。
すきだったのに。
すきだったのか。
すきだったのに。
すきだったのか。
昔すきだった者、今すきではなくなること
こんなにも虚しくなることはない
あなたは わたしの バブル
裸にスーツの バブル
「こんなにも」と大袈裟に言う程、虚しくもない
それがまた虚しい
すきだったのに。
すきだったのか。
すきだったのに。
どうでもよくなったのか。
どうでもよくなったんだ。
誰もが子供部屋から出ていくときに
熱狂を置いていく
もうずいぶんと前から 夢からは醒めていた
醒めていたことに気付いたまま ごろごろしてた
すきだったのに。
すきだったのか。
その頃に、縋りたいのか
解放されたいのかも、今はまだわからない
手放すというブームにのって 手放すのも
なんかちょっと違う気がするんだ
中古屋の円盤に積まれたぞうおに
わたしの時間は、飲み込めれたくない
今はまだ 今はまだ
ブームのように手放したくない
手放すというブームにのって 手放すのも
なんかちょっと違う気がするんだ
わたしだけは人とちがうって?
そんなまさか。
中古屋の円盤に積まれたぞうおに
わたしの時間は、やがて飲み込まれていくのだろうか
でも分かること。
一度手放したもの。手に入れ直したとて。
とて。とて、とて。類似品
きっとまた手放すだろな。
そのとききっと
また同じよに、よに。
よに よに。
手放すか、所有するかで。
同じことを、堂々と。
ああ。
中古屋の円盤に積まれたぞうおに
わたしの時間は、やがて飲み込まれていくのだろうか
分かってた。知っていた。
そのかなしみを知っているのに、
かなしみの礎に築かれた熱狂に溺れていたのは、私。
紛れもないこの、私。
中古屋の円盤に積まれたぞうおに
わたしの時間は、飲み込まれた方が楽なんだろうか 楽なんだろか
気がつけば ああ 気がつけば
まるで 生まれつき、笑顔ではなかったかのような 嘘の笑顔
後から無理矢理 後天的な
アレンジされまくった 何とも言えない 上向きの広角
もはやまるで 生まれつき、笑顔ではなかったかのような 嘘の笑顔
拭いても 拭いても この鏡
ああ 拭いても 拭いても また無駄なこと
意味を求めた動きしか もうできない。
すきだったのに。
すきだったのか。
すきだった者、今すきではなくなること
こんなにも虚しくなることはない
照らされ続け
輝きが増す
明かりが僕らを育ててくれる、と。
尚も光にいるならば。
光に陰りが見えたとしても
そこに居ると格好わるくも たえるなら
こちらも たえ よ
細き微光の弓張で
未だに いると 認めて
ああ そうか。
かつての数寄はただの数奇か。
だとしても。
礎に築かれた熱狂に溺れていたのは、私。
こちらも たえ よ 所有しよう
狂ったように 君が 輝くというのなら。
どこまでも
いたみと共にどこまでも所有しよう
2023年9月9日(土)制作