ちょっとむかつく。
「半沢だよ!!」
「はぁ?」
私はママと目を合わせた。またいつものが始まったのよとママの目が言う。あぁ。なるほどね。
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「だから、皇帝は半沢直樹で、教皇は TBSのプロデューサーなんだよ!」
「ちがうよ。」
「そうなんだって、」
はぁ?( ・◇・)?マジではあ?
「何の話?」
ママが割って入ってくれた。
「だから~!」
「主語!!」
「はぃ!ごめんなさい!」
いつも突然喋り出す。パパはとりあえず謝るのが得意だ。そしてママはパパと出会ってから持ちギャグが語気強めの「主語!」になったと思われる。多分。Maybe。Probably Perhaps …ぱーはぷす♪
「聞いているの!?」
「あ、ごめん。聞いてない」
今度は私が怒られた。
「全く二人ともそういう所は似ているんだから。」
「やめてよ!」
「なんで?」
「なんでじゃないよ。今 ママと話しているの。」
「う"あッ (ぐさっ)」
◯どうやら剣がありますな。
「だからこの前のテスト。」
ママが話してくれた。
「ママと二人で話していたら、パパが割って入ってきたやつ?」
「パ!…(もう言葉にできない)」
「喋っていたら勝手に点数覗き見してきたやつ?」
「ぐはっ!」
「いい点だったじゃない。」
「人の手紙とか勝手に見ちゃいけないって言ったの、パパとママだよね?」
「ぐぐっ、」
「もう泣いちゃうからやめなさい。」
「だって、」
「見なさい。パパの顔。哀しくて…顎がないじゃないの。」
「顎がないのは、元からじゃん。」
「やめなさい。…パパ?顎、どこやったの?」
我が家ではパパは顎がないという事になっている。いや本当、よく見たらない。じっと見ていたらない。(じっと見ないけど、ない。)
「皇帝は…半沢直樹でぇ。教皇は、TBSのプロデューサーなんだよお…」
「 聞いてる?」
「あ、ごめん。聞いてない」
「だからパパ泣いちゃうよ。本格的に顎、なくなっちゃう」
「ごめん。」
私もパパによく似て とりあえず謝るということが得意なようだ。
「ちゃんと聞く。」
「うん、」
徐々に顎が復活していく…
「世界史において、『皇帝と教皇の関係』がぐちゃぐちゃになりがちなのは、同じ“皇”の字が入っていてややこしいのと。さらにややこしいのが、力 関係がよく分からないから。 勉強しても入ってこない理由は たぶん そこ なんだ。」
「え、なに 授業?しんどい」
「ぐはっ」
「顎!パパ、顎!負けないで、顎!」
「顎の応援になってんじゃん」
「カノッサの屈辱は、皇帝が教皇に謝りに行った。」
「なんで?」
「そこだ。」
うん? 顎、復活した…
「皇帝が半沢直樹で、教皇がTBSプロデューサーなんだ。半沢が、プロデューサーに謝りに行った。」
「だから何で?」
「聖職叙任権(せいしょくじょにんけん)」
「あ、なんか(授業で)やった。」
とりあえず覚えた。
「人事権みたいなもので、半沢にはキャスティング権がないのに 勝手に役者をキャスティングした。」
「それ、(そんなことをして) いいの、」
「だめじゃない?だってほら、役者が台本にケチつけるってよくあるらしいけど、出演者まで言い出したら。話、詰まらなくなりそう。」
「出た、三谷(幸喜)ファン。」
「だからTBSプロデューサーが怒って、半沢を降板(破門)させた。」
「降板!?主役いなきゃ成り立たなくない?」
「それで半沢が雪のちらつくカノッサ城で、三日三晩 土下座して謝り続けた。」
「どーげぇーざあ!土下座!」
「半沢が!?」
「やられたらやり返す…倍返しだということで その後、起きたのがアナーニ事件。」
「アナーニ事件?なにそれ、」
「(教科書で)やった。」
うろ覚えだけど。
「今度は、番組プロデューサーの力が衰えて」
「視聴率低迷?たいへんねぇ(ママまじ他人事)」
「 半沢が巻き返しに掛かる。」
「半沢直樹2!!」
「 ママの方がなんで話にのってんの。」
「半沢(皇帝)が、今まで税を徴収してこなかった所から徴収しますと言って、動き出す。」
「銀行っぽい。」
「渡真利(トマリ) 出てくる?…半沢っ(渡真利・ものまね)」
「ところがプロデューサーも「そんな勝手なことされちゃ困るよ。また番組降ろされたいのかね。」とけしかける。」
「シュッコウだ!出向!」
「左遷?クビ?」
「番組降板…正確には破門だけど」
「どっちでもいいよ」
「だけど もうそんなのは関係ないと、 番組プロデューサーを拘束。」
「やばくない?」
「捕らえられる」
「暴力に訴えかけちゃだめよ、半沢きらい」
「プライドの傷付いたプロデューサーは、」
「プロデューサーは?」
「どうなるの」
「悔しすぎて、憤死。」
「憤死(ふんし)って。」
「怒りは敵と思えということさ。」
部屋にもどって、この前返されたテストの点数を見た。わるくない。
「あっ、…」
間違っている箇所をみた。我が家の顎なし星人は、間違っている箇所を見て(なにがどう分かっていないのか)を把握したらしい。
「むかつくな 」
もっとむかつくのは、ちょっと分かった事だ。
「顎め…」
クダラナイコトガスキー戯曲【原題:すなおになれなくて】
日本語訳:小林栄一【ちょっとむかつく】
≪参考思考≫
(あくまでも例えばの話ですので、ふわっとしすぎて余計に分かりにくければごめんなさい。)
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