小中学生のスマホ利用の理想的な時間とは?
小中学生のスマホの使用時間は、どれくらいが適切なのでしょうか。東北大学加齢医学会研究所の研究によると、スマホの使用時間が長ければ長いほど、脳の発達が損なわれ、学力が低下する可能性があります。
では、どうすれば子どもの脳の発達を守り、学力を高められるのでしょうか。どのようにスマホの使用時間を制限すればいいのでしょうか。
1.小中学生のスマホ使用時間はどれくらい?
スマホの使用時間をお伝えする前に、どれくらいの小中学生がスマホを持っているのでしょうか。東北大学加齢医学会研究所が、2021年度の小学校5年生から中学校3年生、約3.7万人にアンケートを取った結果、学年ごとのスマホ保有率は下記のとおりでした。
•小5:65.5%
•小6:66.6%
•中1:77.3%
•中2:84.6%
•中3:88.4%
このように、小中学生がスマホを持つことは、もはや当たり前になっています。続いてスマホの使用時間を紹介します。
内閣府が2022年3月に発表した「令和3年度青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、1日あたりの「インターネット使用時間」は、小学生(ここでは10歳以上)平均3時間27分、中学生平均4時間19分でした。
そのうち「スマホを使用している割合」は小学生が38.6%、中学生が72.6%でした。
スマホだけに限ったインターネットの使用時間の実態は示されていないものの、このデータから、かなりの割合の小中学生が1日3~4時間スマホを使用していることが推測できます。
また、使用目的で最も多かったのが「趣味・娯楽」で、中でも動画視聴が人気です。
2.子どもがスマホを使いすぎると、脳の発達を損なう
先ほどのアンケート調査を行った東北大学加齢医学会研究所の研究によると、小中学生がインターネットを使いすぎると、脳の発達を損なって学力が低下することが明らかになっています。
なぜ、インターネットを使いすぎると、このような悪影響が起こるのでしょうか。なお、小中学生は大抵の場合スマホでインターネットを使うため、ほぼインターネットを使う=スマホの使用時間といえます。
2-1. 脳の発達が損なわれる理由
心の発達や学業に大きく関わる脳の部位は「前頭葉」です。前頭葉は思考力・自制心・コミュニケーションなどに重要な働きをします。
前頭葉は小学校高学年から20歳頃にかけて特に発達しますが、この時期にインターネットを使う時間が長いと、前頭葉の発達に悪影響が出ます。
平均年齢11歳の子どもたち223人を3年間追跡した調査では、インターネットを使っている子どもほど、認知機能を支える前頭葉や記憶に関わる海馬などの発達に悪影響が見られました。
特にインターネットを「ほぼ毎日使っている」と回答した子どもたちの脳は、3年間でほぼ発達していませんでした。
このように、小中学生はスマホを使えば使うほど、脳の発達が損なわれる可能性があります。
2-2. スマホを3時間以上使っていると、勉強を頑張っても睡眠時間を確保しても成績が平均未満になる
同様の研究によると、仮に勉強を1日3時間以上して十分な睡眠時間を確保しても、スマホを3時間以上使っている子どもたちは成績が平均未満でした。
スマホを長時間使用すると、睡眠時間を十分にとってもたくさん勉強をしても、成績が落ちてしまいます。これは脳の発達が損なわれることと、スマホを見ながら勉強することにより、勉強の質が低下することが原因と考えられます。
実際、ながら勉強をしている勉強時間3時間以上の子どもと、ながら勉強をしていない勉強時間30分以内の子どもたちの成績はほぼ同等でした。
そして、小6と中1の子どもたち14,411人を2年間追跡調査したところ、スマホの使用時間が増えるほど成績が落ち、使用時間が減るほど成績が上がりました。
子どもが習慣的に長時間スマホを使っていたとしても、使用時間を減らすことで、挽回できる可能性があります。
子どもの脳の発達を守り、学力を上げるには、スマホの使用時間を減らすことが重要です。
2-3. 脳の成長には、顔を合わせたコミュニケーションが必要
子どもの脳を健全に発達させるには、顔を合わせたコミュニケーションが必要です。
平均年齢約11歳の子どもたち208人を3年間追跡した調査によると、親子で過ごす時間が長い子どもたちほど言語に関する脳の領域が発達していて、言語能力が高いことが確認されています。
また、親子でたくさん会話をしているほど、言語の発達に良い影響があることもわかっています。
子どもだけでなく、親も長時間スマホを使っている現代では、親子のコミュニケーションが希薄になりがちです。子どもの脳を健全に発達させるために、親子でスマホの利用を減らしてコミュニケーションを増やしましょう。
3.子どものスマホ使用時間を管理する「フィルタリングアプリ」を導入しよう
ここまで解説してきたとおり、子どものスマホ時間が増えれば増えるほど、脳の健全な発達を損なって学力が低下するリスクが高まります。これらのリスクを防ぐためには、スマホの使用時間を減らさなければなりません。
子どものスマホ使用時間を制限するためには、フィルタリングアプリの導入をおすすめします。特に下記の機能があるアプリがおすすめです。
•使用時間の制限
•使用状況レポート
•動画視聴履歴の確認
3-1. 使用時間の制限
使用時間を制限する機能があるフィルタリングアプリなら、強制的にスマホの使用時間を制限できます。平日・土日など、曜日ごとに使用時間を制限できるアプリなら、平日を減らして土日を増やす、といった使い方ができます。
3-2. 使用状況レポート
使用状況レポート機能があると、子どもがどのアプリを何時間使ったか、スマホを何時間使ったのか、どのサイトにアクセスしたかなどの使用状況を確認できます。
特に有害なアプリやサイトをブロックできる機能があると、子どもにふさわしくないコンテンツの視聴を防ぐことができます。
インターネット上には、子どもの発育に有害なコンテンツが多くあるため、ブロック機能のあるフィルタリングアプリを選びましょう。
3-3. 動画視聴履歴の確認
子どもたちのインターネット使用時間のうち、多くが動画視聴です。YouTubeやTikTokのようにおすすめ動画が次から次へと表示されると、長時間視聴し続けてしまいがちです。
特に、ショート動画の視聴では、1つのことに長時間集中し続けることがありません。好奇心のままに次々と動画を視聴するため、集中力・自制心が低下するリスクがあります。
また、子どもに不適切な動画を気づかないうちに見ている可能性もあるでしょう。
これらの動画アプリの視聴を制限しつつ、どんな動画を見ているのか確認した上で制限できるアプリを選びましょう。
3-4. 動画視聴履歴の確認
ここまで紹介した3つの機能のついたフィルタリングアプリが「スマモリ」です。スマモリなら、スマホの使用時間を制限できる上に、有害サイトやアプリの制限、位置情報の確認など、子どもの心身を守る機能が豊富に搭載されています。
スマホフィルタリングアプリの導入を検討されている方は、ぜひスマモリを検討してみてください。
まとめ
小学校高学年は約66%、中学生は約77〜88%がスマホを保有しており、平均3〜4時間ほど使用しています。
スマホの使用時間が長いと脳の発達が損なわれ、学力が低下する恐れがあります。特に、スマホを3時間以上使用すると、勉強を頑張っても睡眠時間を確保しても、成績が平均未満になってしまうのです。
平均の使用時間が3時間を超えているため、子どもの脳の発達と学力を守るためにもスマホの使用制限は必須でしょう。
スマホの使用制限には、下記の機能が含まれているフィルタリングアプリの導入がおすすめです。
•使用時間の制限
•使用状況レポート
•動画視聴履歴の確認
スマホの使用時間を制限できる上に、有害サイトやアプリの制限、位置情報の確認など、子どもの心身を守る機能が豊富に搭載されている「スマモリ」を、ぜひ検討してみてくださいね。
スマホの使用時間を制限して、子どもの脳の発達と学力を守りましょう。
参考図書:スマホはどこまで脳を壊すか ー 朝日新聞出版 (2023/2/13) 榊 浩平 (著), 川島 隆太 (著)