子どものスマホ、フィルタリングされてますか?
「子どもをネット犯罪から守りたい……」「契約時に設定されたフィルタリングサービスって、意味あるの?」
そう考える保護者の皆さんも、多いのではないでしょうか。
そこで今回は、子どもをネット犯罪などから守るフィルタリングサービスの機能と、保護者が気をつけるべき点について、詳しく解説します。
1. 被害児童の95%は「フィルタリングなし」
内閣府の「令和3年度青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、小学校高学年になると9割の子どもがインターネットを利用し、中学生に上がると9割を超えるの子どもが自分専用のスマートフォンを持つことが判明しています。
その一方で、インターネット上には子どもの健全育成に対して有害となる情報が氾濫しています`。
また、児童ポルノや児童買春を狙い、言葉巧みに子どもに近づく悪い大人も多く存在します。
逆にSNSを介してのいじめや不正アクセス、そしていわゆる「パパ活」など、子どもが加害者となるケースもあります。
これらを未然に防ぐためには、インターネットを現実社会と同様に「公共の場」と位置づけ、子どもに適切な利用を促すとともに、有害な情報にアクセスできなくする「フィルタリング」サービスを利用するのが有効です。
事実、警視庁の調べによると、コミュニティサイトを利用して犯罪に巻き込まれてしまった子どもの実に95%が、フィルタリングサービスを使っていなかったことが分かっています。
2. フィルタリングでできること
日本では2018年に法律が改正され、携帯販売事業者には18歳未満の青少年がスマートフォンを契約する際、店頭でフィルタリングサービスの導入と設定が義務付けられるようになりました。
このフィルタリングサービスは、次のような機能で子どもを有害情報から守ります。
・有害サイト(出会い系、アダルトサイト、犯罪・薬物系など)へのアクセス規制
・インターネット利用状況のチェック
・アプリのインストールや利用の制限
・アプリ利用時間の制限
・アプリ課金の制限や禁止
・機能のリモート管理(フィルター強度設定、ブロック解除申請など)
なお、これらの機能はサービスによって異なります。
3. 年齢が上がったら設定も変える
フィルタリングサービスは、導入したから安心という訳ではありません。
子どもの年齢が上がった時、スマートフォンを買った時の設定のまま使っていると、学習や調べ物の際に支障をきたしてしまいます。
実は、フィルタリングにはファミリー→小学生→中学生→高校生と、年齢に沿った「強度」があり、子どもの成長に合わせて設定を変えていく必要があるのです。
例えば、契約時に店頭で「小学生」レベルで設定してもらったままの状態だと、中学生に上がった際に使いづらくなります。
さらに、フィルタリングサービスの使い方が分からない保護者が「これがあるから使いにくい」と邪魔者扱いして、外してしまうケースもあるのです。
これは、子どもが犯罪に巻き込まれる確率を上げてしまう、たいへん危険な行為です。
したがって、子どもの年齢が上がったら、フィルタリングの設定も変えてあげましょう。
まとめ
「そう言われても、フィルタリングの設定が分からない」という保護者の方もおられるでしょう。
フィルタリングサービスの操作方法の習得は、親は避けては通れません。
その都度、携帯ショップに持ち込めば済むかもしれませんが、この先、自分で変更できなければ困るシーンが出てくるでしょう。
保護者世代は情報リテラシーの教育を受けていないまま、子どもの対策が求められています。
分からないのも無理はありませんが、まずは詳しい友人・知人に聞いて設定してもらうなり、画面付きで設定手順を解説しているサイトを見るなりして、使えるようにしていきましょう。
また、スマートフォンOSの標準フィルタリングや、携帯キャリアのサービスにこだわらず、自分にとって分かりやすく、かつ使いやすいフィルタリングサービスを導入するといいでしょう。
フィルタリングサービスを有効的に活用して、子どもの成長をサポートしましょう。