「魔界転生」ノススメ
Samurai Reincarnation
決して、魔界へ転生することを勧めているわけではありません。
映画『魔界転生』が無性に観たくなっちゃって、今回は、『魔界転生』の魅力について "note" していきたいと思っています。
と、いうのも、この『魔界転生』は、自分が中学生の時に観て、ムチャクチャ面白かった映画なんです。
制作:角川春樹なんですが、この頃のプレ角川春樹事務所制作映画って、ホント、面白い映画が多かったんですよね。
その中でも、エンタメ度でいったら、自分にとって、この『魔界転生』を超える作品は見当たらないんですよね~。
10代の頃は、かなりの回数観てるんですが、先日、なんか観たくなって、配信サービスで観たのです。
30年振りぐらいでしたが、やっぱり、かな~り面白かったのです。
原作は、故・山田風太郎先生の奇想天外なアイデアが詰め込まれた娯楽小説「忍法帖シリーズ」の中でも最高傑作と呼ばれています。
宮本武蔵や宝蔵院胤舜など、名だたる剣豪たちを秘術で転生させて、幕府に復讐しようとする魔界衆たちと、幕府側の柳生十兵衛との戦いが中心の超エンタメ小説です。
剣豪たちが魔界衆として甦るってとこだけでも、少年は、わくわくしてたんですよね。
その映画『魔界転生』が公開されたのは1981年!
かれこれ40年前の映画になります。
その後、2003年にはリメイク映画が公開、また、最近まで、何度も舞台化されていたり、Vシネマ化、漫画化、アニメ化などなど、各メディアで題材となっている作品です。
ということで、原作を始めとして、様々な『魔界転生』が存在するのですが、やっぱり
1981年版『魔界転生』が最高!
40年経っても、私の評価は揺るぎないのです。
+ + + + + +
◎豪華なキャスト
映画化にあたっては、魔界衆の人数を原作より半減させているのですが、なかなかの好メンバーなんです。
天草四郎に沢田研二さん
宮本武蔵に緒形拳さん
宝蔵院胤舜に室田日出男さん
元柳生一門の霧丸に真田広之さん
途中で転生してしまう柳生但馬守(柳生十兵衛の父)に若山富三郎さん
やっぱり、妖しい魔人、天草四郎に沢田研二さんを配役したのが最高ですよね。いや~はまってました!
そして、魔界衆に立ち向かう柳生十兵衛役には千葉真一さん
千葉真一さんは、それまでも何度か柳生十兵衛を演じていたのですが、やっぱり、はまり役なんですよね~。
この後、別の俳優さんも柳生十兵衛を演じてるのですが、千葉真一さんを超える柳生十兵衛はなかなかいないのです!
もう、このキャストだけでも心が躍りましたw
◎深作欣二監督のパワフルな演出
オカルティックな妖術の戦いもありますが、中心となるのは十兵衛を始めとした剣豪たちとの剣劇なのです。
監督は、「仁義なき戦い」シリーズや「バトルロワイヤル」シリーズで有名な故・深作欣二さん。
とにかく、演出がパワフルなんですよね~。
柳生但馬守 vs 宝蔵院胤舜
柳生十兵衛 vs 宮本武蔵
柳生十兵衛 vs 柳生但馬守
と、次々と見せ場が訪れます。
尺の関係か、達人同士の戦いとはそういうものなのか、戦いはあまり長引かないんですけどね。
でも、とにかくカッコいいのです。
特にクライマックス
炎上する江戸城での、柳生十兵衛 vs 柳生但馬守の戦いは、中学生の自分にとって忘れられないシーンの一つです。
(かっこえ~)
魔界衆との最終決戦に向け、全身に魔よけの文殊を書いた柳生十兵衛が炎をバックに登場する場面のカッコいいこと!!
かなり痺れます。
本来ならバーナー等を用いるところ、リアリティを出すために、セットをほんとに燃やして撮影されたこのシーンは、一歩間違えば、出演者たちが事故にあうかもしれない危険なものだったのです。
実際に、沢田研二さんは手に火傷を負ったと言われていて、現代では、いろんな事情から、絶対に実現しないシーンといっていいと思うんですよね。
本物の炎の中、千葉真一さん扮する柳生十兵衛と、若山富三郎さん扮する柳生但馬守が戦う場面は、緊張感に溢れていて、日本映画史に残る剣劇シーンだと思います。
こんなシーンを撮ろうとするのは、リアルを追求する深作欣二監督ぐらいじゃないと思うんですよね...
そう思うと、深作欣二監督と、山田風太郎の原作、そして、このキャストが出会えたことが幸せな事なんです。
+ + + + + +
40年も経ってるし、リメイクもされてるので、地上波では、なかなか観れない一本だと思いますが、沢田研二さんの妖しい天草四郎と、千葉真一さんのはまり役、柳生十兵衛の活躍をご覧になって欲しいのです!
エロイム・エッサイム
我は求めり...
*