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ソングライター:玉置浩二の記録


 昨年暮れの「紅白歌合戦」で、久しぶりに安全地帯を見て、やっぱいいな~と思いながら、ちょこちょこ安全地帯を聴いてしまってる人は意外と多いんじゃないかと思っています。

 実は一昨年も、そんなことがあったんですよね~
(その時の記事がこちら)

 まあ、似たような記事になっても仕方がないので、今回は、 ”ソングライター:玉置浩二” をテーマに、玉置さんが他の人に提供した曲について "note" していこうと思うんです。


 玉置浩二さんは、思い入れのある提供曲をまとめたセルフカバーアルバム『Offer Music Box』を、2012年にリリースしています。

 ジャニーズ関係のは解禁されてないみたいですが、懐かしい曲が並んでるんで、なかなかいい感じなんです。
 でもですね、歌の ”クセ” が強いので、原曲とはかなりイメージが違ってたりするんです!笑(例えば、中森明菜さんの「サザン・ウインド」を玉置さんが歌うとこうなります。)

 こんな感じです。
 やっぱ、玉置さんってスゴいボーカリストですね。
 ただ、今回のテーマは ”ソングライター:玉置浩二” なんで、セルフカバーアルバムに収録されている曲も、されてない曲も含めて、年代を追って紹介していきます。


■ ■ 「ワインレッドの心」以前 ■ ■


 まずは、安全地帯がブレイクしたシングル「ワインレッドの心」(1983年11月リリース)の前に提供された曲から..


「わたしに戻るとき」1983.7

歌:岩崎宏美
作詞:片桐和子/作曲:玉置浩二/編曲:萩田光雄

 岩崎宏美さんが1983年7月にリリースしたアルバム『私・的・空・間』には、10曲中7曲が筒美京平さん、そして3曲が玉置浩二さんの曲でした。
 まだ無名だった時代に、筒美京平さんとの競演はすごいんですが、曲を聴き比べてみると、まだまだオーラの薄い感じなんです。


「雨のレクイエム」1983.9

歌:中森明菜
作詞:芹沢類/作曲:玉置浩二/編曲: 萩田光雄

 後に「サザンウインド」を提供することになる中森明菜さんへ初提供となったのは「禁区」のB面曲だったこの曲です。
 玉置さんの曲だからか、けっこう「ブレス」多めですね。


「恋」1983.9

歌:石川ひとみ
作詞:岡田冨美子/作曲:玉置浩二/編曲: 萩田光雄

 シットリとした恋心を歌った石川ひとみさんのシングルです。
 脱アイドルを感じさせる大人っぽい仕上がりです。いい曲だと思うんですが…  なんか、ヒットしなかったんですよね~。
 この曲は、後日、歌詞を差し替えて、「乱」というタイトルで小柳ルミ子さんがカバーしています。


■ ■ 「ワインレッドの心」後 ■ ■


 そして、1983年暮れ~1984年初めの「ワインレッドの心」のヒットにより、安全地帯だけでなくソングライターである玉置浩二さんにも注目が集まります。
 その中でのヒット曲というと中森明菜さんの1984年4月のシングル「サザン・ウインド」となるんですが、前後して明菜さんのアルバムに提供された曲がまたいい曲なんです。

「アサイラム」1984.5

歌:中森明菜
作詞: 三浦徳子/作曲:玉置浩二/編曲: 瀬尾一三

「哀愁のMidnight」1984.10

歌:中森明菜
作詞: 有川正沙子/作曲:玉置浩二/編曲: 萩田光雄

 「アサイラム」は5thアルバム『ANNIVERSARY』、「哀愁のMidnight」は6thアルバム『POSSIBILITY』の収録曲なんですが、完成度が高いと思いませんか?
 歌姫へと進化していく中森明菜さんと、「ワインレッドの心」のヒットによりノってきた玉置浩二さんがシンクロした感じなんです。

 なんか前年の提供曲に比べて、「ワインレッドの心」後の1984年の曲は、総じてレベルが高いと感じるんですよね。
 これが勢いというモノなんですかね…


「哀しみのスパイ」1984.8

歌:小林麻美
作詞:松任谷由実/作曲:玉置浩二/編曲:武部聡志
 ※『Offer Music Box』でセルフカバー

 大ヒットした「雨音はショパンの調べ」の後のシングルなんで、地味に感じますが、ミステリアスな雰囲気が素敵な曲なんです。
 それにしても、作詞が松任谷由実さんで、作曲が玉置浩二さんなんて、今思うとスゴイ組み合わせですよね。


「ブルーに泣いてる…」1984.9

歌:ノーマン・ドジャー
作曲:玉置浩二/KAZU MATSUI PROJECT
 ※『安全地帯Ⅲ』でセルフカバー

 知る人ぞ知る西海岸で活躍していた尺八奏者:カズ・マツイによるAORプロジェクトに玉置浩二さんが提供した曲で、私も所有してたという思い出深いシングル盤です。
 当時、ブリヂストンタイヤのCMソングとして使われてたんですよね。
 ちなみに、直後のアルバム『安全地帯Ⅲ』でセルフカバーされてるんですが、個人的には、この原曲版が大好きでした。

(ちなみに安全地帯版はこちらー)


「秘密 -SECRET-」1984.12

歌:堀ちえみ
作詞:康珍化/作曲:玉置浩二/編曲:清水信之

 なんと、堀ちえみさんにも提供曲があったとは、ちょっとイメージができないんですが、大人っぽい歌です。
 基本、玉置さんの曲ってアダルティなんですよね。


■ ■ 「恋の予感」後 ■ ■
("安全地帯"絶頂期)


 さて、「ワインレッドの心」から1年後、再び「恋の予感」が大ヒットします。
 その後は、ヒット連発で、安全地帯も確たる地位に就いていくわけで、レコードリリース、TV出演、ライブツアーと大忙しになっていきます。
 そのため、ソングライターとしての仕事は控えめだった気がしますが、この時期の提供曲としては、次の3曲が印象に残っています。 


「白い炎」1985.5

歌:斉藤由貴
作詞:森雪之丞/作曲:玉置浩二/編曲:武部聡志


「悲しみよこんにちは」1986.3

歌:斉藤由貴
作詞:森雪之丞/作曲:玉置浩二/編曲:武部聡志
 ※『Offer Music Box』でセルフカバー

 斉藤由貴さんのデビュー期において、筒美京平さんと競うように起用されていたのが玉置浩二さんなんですよね~
 岩崎宏美さんの『私・的・空・間』の時とは違って、今度は "がっぷり四つ" って感じですよね。
 「白い炎」も「悲しみよこんにちは」も名曲です。
 ちなみに「白い炎」はドラマ「スケバン刑事」の主題歌、「悲しみよこんにちは」はアニメ『めぞん一刻』主題歌でした。


「胸の振子」1987.10

歌:薬師丸ひろ子
作詞:伊達歩/作曲:玉置浩二/編曲:萩田光雄

 地味な曲なんですが..(オイ)
 何と言っても、二人が出会うきっかけとなったシングルですからね。
 これは、紹介しとかないと!


■ ■ "安全地帯"活動休止時 ■ ■


 1987年に玉置さんはソロ活動を開始し、その後、安全地帯は1988年に活動休止。1990年に安全地帯を復活させるも、再び、1993年に活動休止し、以降は仕事のペースを落としながらソロ活動をやっていくことのなります。
 ソングライターとしても、いろんな人に提供してます。


「星降る夜にセレナーデ」1989.5

歌:とんねるず
作詞:松井五郎/作曲:玉置浩二/編曲:星勝

 とんねるずとは親交があって、けっこう提供曲があるんですが、やっぱり、この曲が懐かしいです。


「DISTANCIA~この胸の約束~」1992.8

歌:杏子
作詞:杏子/作曲:玉置浩二/編曲:森英治

 杏子さんが、バービーボーイズ解散後にソロとしてリリースしたシングルです。


「「月」に吠える朝」1993.7

歌:GAO
作詞:GAKOガエル/作曲:玉置浩二/編曲:今泉洋
 ※『Offer Music Box』でセルフカバー

 何となく玉置さんらしい”アク”が感じられないんですが、懐かしい ”GAO” の曲です!

 安全地帯を再度休止する1993年は、玉置さん自身、心身共に疲弊していた時期なんですが、いろいろやってますよね~
 その中でも、もっとも驚かされたのは、香西かおりさんへの提供曲「無言坂」です。
 玉置さんの曲は情念的な面があるので、演歌の世界に合わないわけはないと思っていましたが、演歌と玉置メロディの見事な融合でした!


「無言坂」1993.3

歌:香西かおり
作詞:市川睦月/作曲:玉置浩二/編曲:川村栄二
 ※『Offer Music Box』でセルフカバー


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 玉置浩二さんと言うと、何かとお騒がせな部分も多いんですが、やっぱり ”天才” なんだと思うんですよね。
 ヴォーカリストとしてもソングライターとしても天才なのです。

 安全地帯休止後は、俳優としても活動しながら、ソロで「田園」をヒットさせたり、いろんなアーティストに曲の提供を続けています。


「愛なんだ」1997.1

歌:V6
作詞:松井五郎/作曲:玉置浩二/編曲:CHOKKAKU
 ※『Offer Music Box』でセルフカバー