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中望遠でポートレートを撮ってみよう / SONY FE85mmF1.8 作例解説

こんにちは。
今日はレンズとその作例についての記事です。

皆さん、中望遠レンズはお使いでしょうか?
中望遠というと一般的には「ポートレートレンズ」というイメージが強いですよね。

▲今回はSONY純正の「FE85mmF1.8」ポートレートで使用した作例を掲載し、それぞれの撮影時の状況や意図について解説してみたいと思います。

もちろんポートレート以外でも活躍の幅が広いレンズで、実はスナップにも大活躍するレンズです。
そのお話しはまた次回にでも。

それでは、SONY FE85mm F1.8 ポートレート編 ご覧ください。




ポートレート作例

その1:半身〜バストアップ

F1.8  1/1250  iso100
model : 白花みかさん

まずは教科書通りの半身・日の丸構図から。
順光で撮影し、色を鮮やかに再現しています。
開放でのボケ感は、顔を中心に円を描くように見えますね。

振り返りでなびいた髪の毛の一本一本、天気雨の雨粒もしっかり描写されていて、透明感のある写真になったと思います。



F2.5  1/500  iso100

こちらも同じく半身の写真。
今度はサイド光で撮影しています。
自然な笑顔に光があたった瞬間です。

背景がしっかりと分離されるので、モデルさんの物語の一コマという感じがします。

撮影者とは少し距離があきますが、意思疎通には支障のない距離感です。



F2.5  1/200  iso100

今度は半逆光の一枚。
少し寄ってバストアップです。

ピント位置を肩に持っていき、顔を少しぼかしています。
切なげな表情とあわせて、どこか「過ぎさった時間」を感じさせる写真になりました。

中望遠はポートレートの定番だからこそ、いつも同じような表現にならないように工夫が必要ですよね。



その2:引きの写真

F1.8  1/250  iso80
model : masakoさん

紅葉一歩手前の時期、雨のお庭での撮影です。
ちょうど木々に包まれるような場所に立ってもらい、少し離れた屋根のある場所から撮影。

中望遠を使っていると、ついつい寄りの写真が多くなってしまいがちですが、たまに意識して距離をとってみましょう。

35mmや50mmとは違って、モデルさんの画面占有率を小さくしても、背景をすっきりと整理することができます。

実際この場面、左右にはちょっと雑然とした背景があったので、うまく画角整理できたと思います。



F1.8  1/640  iso80
model : 橘エマさん

紅葉真っ盛りの東京丸の内。
鮮やかな黄色とクールな佇まいが印象的な一枚。

背景に黄色のタクシーを入れることができたのがラッキーでした。

この場面、全身画角に入れたいけど、なるべく不要な要素は排除したいという思いでした。
縦構図で試行錯誤して決めた構図です。

背景の銀杏、モデルさんの位置、タクシーがここにきた一瞬、そんなことを考えて撮影しています。


その3:寄りの写真

F1.8  1/8000  iso80

先ほどの写真とロケーションは同じく、ぐっと寄って被写体に迫ってみる。

これだけ寄っても、被写体との距離を保てるのが中望遠の良いところ。
お互い安心した距離感で撮影できます。

胸元から頭までを思い切って切り取り、逆光で輪郭を強調しました。
レンズを少し動かすと、このようにゴーストが出る場所があるので、こんな表現にも使えます。



F1.8  1/800  iso80
model : 妃波りおなさん

こちらも同様の構図。

さっきの写真と違い視線が上を向いているので、頭上の空間を広くするとさらにワンシーン感が演出できますね。

反対側の頬のラインを鼻先で隠すのがポイントだが、写真作家「高橋伸哉さん」の教えを実践しただけ、というのは伏せておこう、、。

▲こちらの書籍です。
お決まりのポートレート解説書とは全く違いますので、一度手にとってもらえればと思います。

いつも「THEポートレート写真しか撮れない」と悩んでいる方の打開策になると思います。



F1.8  1/3200  iso80

今度はさらに大胆に寄ってみた。

リップの赤とニットの黄色の対比に着目した一枚。

紅葉シーズンということもあり、色への感度が高くなっていたから撮った写真だと思う。

コントラスト高めに仕上げて、撮影の意図を明確にした。



その4:思い切り引いてみる

F1.8  1/2500  iso80
model : 美波まりんさん

ポートレートレンズということを意識せず、思い切り引いてみても面白い。

奥行のある場所で撮ると、薄いピント面前後の強いボケ感を演出することができる。

また、背後の大きな構造物がさらに大きく感じられ、迫力が増す効果も狙える。

自分の足で積極的に前後に動いてみると、さらにこのレンズの楽しさを発見することができると思う。



スペック

最後にスペックに触れておきます。
下表をご覧ください。


軽さと短さの相乗効果

このレンズの長所は質量371gという軽さではあるんですけど、
実は長さ82mmという短さとの相乗効果でさらに軽く感じます。

短く作られていることでレンズの重心が比較的カメラ寄りになるので、カメラを片手で扱っても重さを感じにくいです。

縦構図での撮影時なんかは、特にこのメリットを実感できると思います。


汎用性の高いフィルター径67mm

SONY αシリーズをお使いの方は、おそらくサードパーティー製のレンズもお使いなのではないでしょうか?
純正レンズですべて揃えるとお財布的には厳しいんですよね、、。

かくいう私もタムロン製のレンズにいつもお世話になっています。

そしてタムロン(シグマの一部も)フィルター径が67mmで統一されているんですよね。

可変NDフィルターなんかは結構高価なものなので、レンズ間で流用したいものです。

特にこういう明るいレンズは、日中開放で使用したい時、明るすぎて絞らざるおえない場面に出くわしたりします。

各レンズ共有の可変NDフィルターが一枚あると便利だと思います。


▲私が使用しているのが、このMARUMIのバリアブルNDフィルター。
可変NDなので動画用途にも使えて重宝しています。



まとめ

今回は、「FE85mm F1.8」を王道のポートレートレンズとして使用し、作例をもとにお話ししてきました。
いかがでしたでしょうか?

一口にポートレートレンズと言っても寄って撮るだけではなく、色々な使い方があるものだと思います。

私も自分の引き出しを増やせるように、上手な方の写真を見て日々勉強したいと思います。

最後までご覧くださり、ありがとうございました。


▲SONYさん、このレンズ価格設定間違っていませんか?
と疑いたくなるくらい安いですよね、、。
GMレンズと比較するとこっちでいいかな、と思っちゃいますよね。

次回はこのレンズを使った「スナップ撮影」についてお話ししてみたいと思います。
またご覧いただけたら嬉しく思います。


▲ナイトスナップの際の、視点や設定についてのお話しです。
よろしければご覧ください。

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