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久しぶりの家に泊まる ~とあるOLの乳がん日記【140】
140.
この日は、久しぶりに家に戻って泊まる日だった。
外出するときと同じように、のんびり、だらだら準備をした。
入院する前とは比べ物にならないくらい、自分としては元気になってきたような気がするけれど、家に戻ったら今までの環境と変わって、またわーっとなってしまったら嫌だなと思って、ちょっとどきどきした。
病院から家までは、電車と徒歩で1時間くらいなので、今から病院を出ると、昼ちょい過ぎには家に着いてしまうなと思った。
なのでせっかくだからお昼を駅ビルで食べようと思った。
母が、私の分のお昼を用意しているといけないので、一応連絡しておいた。
とはいっても、お腹も空かないし、何か食べたいものがあるわけではないので、何を食べるか悩んだあと、スープ専門店に入った。
そういえば、ガンの告知をされた日も、上長とお店に入ったなと思った。
スープは、食欲があまりないときの強い味方だけれど、ご飯が苦痛になってからは、それも無理だったので、久しぶりのスープだなと思った。
家に着いて、お店で仕事をしている両親に挨拶をしてから、リビングに向かった。
入院してからまだ2週間とちょっとしか経っていないので、当然だけどあまり変わってないと思った。
何か感慨深い気持ちになるかなと思ったけれど、とくにそんなことはなかったような気がした。
何もやることがないので、テレビをつけたりして、たぶんいつの間にか寝てた。
お夕飯はエビフライだった。
母の中で、いつの間にか私の好物はエビフライになっていて、そういえば今年の誕生日もエビフライだった。
もちろん好きだけれど、じゃあ一番かと言われると、そうだろうかと思った。
でも、とにかく気持ちが有り難いと思った。
いくら美味しいものであっても、このときはやっぱりお腹も全然空かないし、美味しく感じることもできなかった。
でも、前に比べたら、食べることは全然苦痛じゃなくなっていたので、ちょっとずつ、改善してるといいなと思った。
夕飯のあとは、のんびりテレビを見たあとお風呂に入った。
久しぶりに湯舟に足を伸ばすことができて、気持ちよかった。
病院のお風呂は、事前の予約制だったので少し面倒がってしまって、たしか週に2日くらいしか入ってなかったし、その上、シャワーだけだった。
ネットで見た情報に、鬱になると、お風呂に入りたくなくなるというのを見かけたような気がするけれど、本当にそうなんじゃないかなと思った。
そういえば上長が、本格的に私が鬱になる前あたりの頃、人間は、ご飯を食べて、お風呂にゆっくり入って、ぐっすり眠れたらそれで大丈夫だと言っていたのを思い出した。
たしかに鬱になったら、ご飯も食べたくないし、お風呂にも入りたくないし、眠れもしなかったので、またその3つができるようになったら、すごく嬉しいだろうと思った。
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