【business】二兎を追う者は一兎をも得ず
『欲を出して同時に二つのことをうまくやろうとすると、結局はどちらも失敗することのたとえ。』
あれもこれも詰め込みすぎたことでコンセプトが曖昧になってしまっている物の売り方をしている会社が多いように感じる
住宅業界でいうと、断熱性や気密性などの『性能』を売りにしている会社が欲を出して、さらに『デザイン性』もあるんですという謳い文句で売り出すと欲張りすぎで何がしたいのか分からない
『性能』も『デザイン性』も売りにしたい気持ちは分かるが、柱は一本に集約する方が分かりやすい
例えばの話だが
ハウスメーカーの一条工務店は『家は、性能』と言い切っている
実際に住宅性能に拘っており、使っている商材も高水準だ。
価格も高い部類に入るが、どこの住宅展示場でも非常に人気がある
近年では『デザイン性』などよりも『性能』だけに拘る人は増えている
コンセプトを絞りそれを徹底的に極めることで業界で特別な存在になることはできるのだ
またBESSの家もコンセプトの強いメーカーだ
家を暮らしの道具として、自然の中のロッジのような暮らしを提案している
基本のプランも3パターンくらいに絞り、選択肢を狭めていて分かりやすい
普遍的な家ではないがマーケットを絞り込むことで好きな人にはガッツリハマる家だろう
一方で、小さな工務店などでは『プロバンス風の家』とか『モダンな家』とかあらゆるニーズに対応しようと商品を増やしてしまう
おまけに耐震性能にも拘ってますとなると、結局どれもやりたいことが中途半端で何がしたいのか何が売りなのか分からない状況に陥りがちだ
そのような住宅メーカーは山ほどある
『trade off』がビジネスの世界で注目を浴びている
何かを達成するためには何かを犠牲にしなければならない関係のことである
だから、どういったコンセプトが突出しているのかが大事になってくる
もしくは、最近では他よりも『突出』していることよりも『希少』である方が魅力を感じることもある
現在の日本の住宅は、建築基準法を遵守し、バランスよく設計することである程度の耐震性や性能は確保できる
過剰な性能はある意味なくてもそこまで困ることはない
日本の建築技術は世界的に見ても非常にレベルが高いのである
昔国会議員の蓮舫さんがおっしゃっていたが
『2番ではダメなんですか?』
と同じで別に1番でなくても良いのだ
それよりも唯一無二の『希少性』の方が求められるのではないだろうか
ただし希少性も希少過ぎると返って目に止まらなくなってしまうという弱点も孕んでいるように思う