ポルトガル語圏で働く人が覚えておくといい略称
「ポルトガル語圏」と漠然と言ってしまいましたが、
今回は、どちらかというと
アフリカのポルトガル語圏を意識して、
現地でよく聞く国際機関や援助機関の
名称と略称(とその読み方)を
いくつか立て並べた表を作ってみました。
アフリカのポルトガル語圏というと、
石油大国のアンゴラや、
破竹の勢いで中進国の仲間入りをした
カーボベルデは無償での協力の対象でこそ
なくなったものの、
国際機関や各国の援助機関による
支援を多く受けながらの発展途上にあります。
そのような国を仕事で訪れると、
どのような分野であろうとも、
また、話す相手が
国際協力業界の人であろうともなかろうとも
何かと国際機関や各国の援助機関の
名称や略称が飛び交います。
一見国際機関の名前なら大抵知っているから問題ないと
思われるかもしれませんが…、
例えば、
「FAO(国際連合食糧農業機関)」なら、
ポルトガル語圏どこでも「ファオ」と言ってくれるので
いくらカタカナで「エフ・エー・オー」だと思っていたとしても、
簡単に頭の中で変換可能です…が、
米国の援助機関の「USAID(ユー・エス・エイド)」だと、
表記は同じでも
欧州葡語圏の人は「ウザイドゥ」、
ブラジル人は「ウザイジ」
と発音しますから、慣れるまでは
「さっきの人が『ウザイ、ウザイ』と言っていたのは
なんだったのだろう?」
てなことになり兼ねません。(笑)
また、
ポルトガル語圏のどの国もお金を借りている
「IMF(国際通貨基金)」や
「WB(世界銀行)」などであれば、
前者が「FMI」、後者が「BM」なので、
すぐ慣れるといえば、それまでですが、
とくに「世銀」を表す「BM」などは短すぎて
聞き逃したりするので、結構厄介です。
また、あちこちに存在する
「ACNUR 通り」と言う名称の通りなどの場合、
初めて訪れる町であっても、
「ACNUR」とは
「UNHCR(難民高等弁務官事務所)」のことであると
知っているのと知らないのでは
土地柄を知ったり土地勘を得るのにも
大きな差が出てきます。
又、
日本人が困惑する第一位に
「AfDB(アフリカ開発銀行)」があります。
というのも、これはポルトガル語では
「BAD」になるのですが、
現地で書かれた多くの英語の文書に
これの英語版として「ADB」と書いてあることがあるのです。
日本人を含むアジアの人々にとって、
「ADB」とは「アジア開発銀行」の略称なので、
「こんなところにアジ銀が?」とか、
「何故『f』がないのだ?」と感じてしまうのです。
無論、その答えは、
「だって、アフリカですもの。
そっちはアジアが主人公だと思うから、
差を付けるために『Af...』としているだけでしょ?
だったら、こっちはこっちで
『アジ銀』の方に『s』を加えて「AsDB」にしたいくらいだワ」
というだけのことなのですけどね…。>笑
いや、笑い事ではありませんね…。
完全な「人違い」ならぬ「機関違い」ですから…。
気を付けないと、間違った報告書が出来てしまうかもしれません...!
さて、では表を下記に貼り付けます。
アフリカポルトガル語圏にはブラジル人も多く、
彼らはアフリカでも伯葡語をしゃべっていますから、
双方の名称・略称・読み方を記しておきます。
表を2度クリックして大きくしてご覧下さいね!
ポルトガル語圏で活躍する主な国際機関や援助機関
(表を2度クリックすると、大きくなります。)
※ 「スウェーデン国際開発協力庁 (SIDA)」は、「SIDA」が欧州葡語では「エイズ(AIDS)」の略称と一致するため、敢えて「Cooperação Sueca」と言うようです。また、比較的マイナーな「フランス開発庁」、「イタリア開発協力機構」、「デンマーク国際開発援助」なども、それぞれ「Cooperação Francesa」、「Cooperação Italiana」、「Cooperação Dinamarquesa」などと言われることが多いように感じます。
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