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ポルトガル語でも「目が飛び出る程高い」という表現には「目」が出てくる!

実は先日、
こんな漫画に出くわしてしまったんです…。

  ※  「Custar os olhos da cara」とは、直訳すると「顔の目ほど高い」
    という表現で、「目が飛び出る程高い」同様、非常に高いという
    意味になります。

😱😨😰


これは最近頻繁に作品を紹介させて頂いている
ブラジル人漫画家ウィーリアン・マルコスの作品ですが、

いささか

「イマドキの日本で紹介するにはナンダカナ…」


とも思ったのですが、

ふと思えば、子供の頃から
どうして『びっくりするほど高い』ことを

「Custar os olhos da cara」

【クスール・ウーリュス・ダ・ーラ】
(=「顔の目ほど値が張る」)

などというのだろうかと思いつつも
調べたことすらなかったナということで、
この度その語源を調べてみたのです。


キョロ (。・_・。 ))(( 。・_・。) キョロ



すると、意外なことにこの表現は、
黄金郷 エルドラドを追い求めて戦った末に
片眼を失ってしまった大航海時代の探検家が
「これは非常に高くついた」
という意味で実際使った言葉だということが判明しました。

その探検家は
ディエゴ・デ・アルマグロといい、
日本語版 Wikipediaにも、その経緯が書いてありました。

ディエゴ・デ・アルマグロDiego de Almagro1479年 - 1538年7月8日)は、スペイン人のコンキスタドール(征服者)。別名「エル・アデランタード(El Adelantado、アデランタードとは征服地の統治権を持つ司令官)」または「エル・ビエホ(El Viejo、老人)」とも呼ばれた。フランシスコ・ピサロの仲間だったが後にライバルとなった。スペインによるペルー征服に参加して、ヨーロッパ人として最初にチリを発見したことで知られる。
ピサロの第1回目の遠征に与し新世界での沿岸部の現地人との戦いで左目を失った。1525年、ペルー征服のためパナマでピサロ兄弟とパナマの司祭エルナンド・デ・ルケスペイン語版英語版)と協定を締結した。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A8%E3%82%B4%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%B0%E3%83%AD

ディエゴ・デ・アルマグロは、
スペインの王カルロス1世への報告の際
この言葉を用いて
如何に遠征が大変だったかを王にアピールすることで
相応の褒美を手に入れたようなのですが、

その後は
自らの武勇伝として自慢をしては
「顔の目ほど高くついた」と言っていたため、
やがてこれが一般の表現として根付いたのだそうです。

❇❇❇

ちなみに英語でも
「値段が非常に高い」・「代償が高くついた」という意味で
「cost an arm and a leg」
という表現があるようですので、
他言語にもこの手の比喩は少なくないのかもしれませんね…。

❇❇❇

また、
上の漫画を紹介するに至ったのは、
記事タイトルにもあるとおり

「ポルトガル語でも『目が飛び出る程高い』という表現には
「目」👀 が出てくる」

と思ったことに加え、

今でこそ顰蹙ひんしゅくを買いそうな内容のこの漫画ですが、
考えてみれば、日本の落語にも
身体のパーツを取ったり付けたりするものが結構あったな
と思い出したということもあります。

…ので、
その『証拠』に
「義眼」という噺のあらすじをどうぞ!

義眼

ある男、目の具合がどうもよくないので、医者に相談するが、ますます見えなくなるばかり。

眼科の先生もしまいには面倒くさくなり、えいとばかり悪い方の目をスッポリ抜き取り、代わりに義眼をはめ込んでごまかしてしまった。

あー、どうです具合は?……そりゃよかった。それから、入れた方の目は夜は必要ないンだから、取りましてね、枕元に水を置いて、浮かべときなさい。そうすりゃ長持ちするから」

入れ歯と間違えているようだが、当人すっかり喜んで、その夜、吉原のなじみの女郎のところへ見せびらかしに行く。

男前が上がったというので、その晩は大変なモテよう。

さて、こちらは隣部屋の客。

反対に相方の女が、まるっきり来ない。

女房とけんかした腹いせのお女郎買いなのに、こっちも完璧に振られ、ヤケ酒ばかり喰らい、クダを巻いている。

「なんでえ、えー、あの女郎は……長えぞオシッコが。牛の年じゃあねえのか?それにしても、隣はうるさいねえ。え、『こないだと顔が変わった』ってやがる。七面鳥のケツじゃあるめえし、え、そんなにツラが変わるかいッ!こんちくしょうめ!」

焼き餠とヤケ酒でのどがかわき、ついでにどんなツラの野郎か見てやろうと隣をのぞくと、枕元に例の義眼を浮かべた水。

色男が寝ついたのを幸いにしのびこんで、酔い覚めの水千両とばかり、ぐいっとのみ干したからたまらない。

翌日からお通じはなくなるわ、熱は出るわで、どうにもしようがなくなって、医者に駆け込んだ。

さて……「あー、奥さん、お宅のご主人のお通じがないのは、肛門の奥の方に、なにかさまたげてるものがありますな」

サルマタを取って、双眼鏡で肛門をのぞくなり、先生、「ぎゃん」と叫んで表へにげだした。

男の女房が後を追いかけてきて、「先生、いったいどうなさったんです」「いやあ驚いた。今、お宅のご主人の尻の穴をのぞいたら、向こうからも誰かにらんでた」

                      底本:五代目古今亭志ん生

https://senjiyose.com/archives/128

お粗末様でございました!


※「落語家 猫」はこたつぶとんさんの作品です。



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