今年もその季節到来。人それぞれ。〜手帳の佇まい(33)
今年も早くもそんな頃合い。
来年用の手帳の支度。
伊東屋さんの第7回「システム手帳サロン」が6日(金)に本店10階で始まった。
毎年顔を出しているが、ここ数年前の僕の関心は新作の付属品(リフィル類等)。
この30数年で20数冊のシステム手帳を買ってきたので、もう本体を新調する必要はない。それより既に我が人生と共に歩いてくれた品々を愛でながら、その本革を熟成させ、つながり(縁)を深めていきたい。
今はfILOFAXのNAPPAを2冊を愛用。
バイブルサイズ(パーソナルスリム)とミニ6穴(ポケットスリム)だ。
バイブルの方には「スケジュール(マンスリー)」と「ライフ(生活信条)」「各種データ」を綴じ、ミニ6穴の方には「スケジュール(ウィークリー)」と少々の「データ」を入れている。
NAPPAは、柔らかくしっとりした革の手触りが良く、光沢も素晴らしく、ページの開きかげんも良い。この2サイズを親子セットのように、もう5年使い続けている。
勿論、来年もこの2冊で行く。
かつてのように、自分にとっての苦労や壁に直面しても、げんを担いで、手帳を変えたりはしない。もうよい歳であり、経験でその必要がないと知ったからだ。
ところで、伊東屋さんの「システム手帳サロン」への食指が動く付属品について、僕の思い入れがひとつある。
伊東屋さんの「システム手帳サロン」では数年前までマルマンのノートシリーズ「Mnemosyne(ニーモシネ)」製のリフィルノートで
伊東屋さんのこのイベント限定品(N155)があった。それはバイブルサイズの方眼リフィル80枚を一冊のリングノートに束ねたもの。
上等な紙質で、しっかり6穴が空いている。
普通にリングノートとしても使えるし、
ミシン目部分からリフィルを切離せば、
記載内容の分類ごとシステム手帳にセットすることも出来る。
分厚くないので、かさばらず、鞄の中でもスマートに収まり、重くなく、高級感と実用性を兼ね備えた逸品であった。
これが数年前からか、同イベントで販売しなくなり、その後も伊東屋の店員さんに何度か訊いたが、既にバイブル版は製造しておらず、通常手に入れることが出来ないとのこと。
僕は、最後に同様商品が扱われていた「システム手帳サロン」で10冊(2日間で)まとめて買った。なぜなら、その前年の同イベントでこのノートは確か2日目くらいに売り切れてしまったからだ。だから需要は十分にあると僕は思っている。あの時僕が買った10冊もはや残り少なく、丁寧に使っている。
同様の製品はなくはない。例えPLOTTERのリフィルノート。これはニーモシネのそれと同様の作りで システム手帳に挟めるし、バインダーにそのノート本体をバインドすることも出来る大変優れた作りになっている。また、リングノートではないので、さらりと簡単にページがノート本体から剥がせる。
その実、僕に限ってはそれが難点で、例えばそのページに貼った付箋(ポットイット)を剥がそうとした場合、ページそのものもノート本体から剥がれてしまうのだ。
そんな僕なりのこだわりがあり、ニーモシネ製を探しまわったが、これほどの高級素材を使ったバイブル版は見つからなかった。万年筆で書くことが多い僕にとって、このニーモシネの材質はうってつけなのだ。
とはいえ、何かにそんなに執着する歳では、もはやない。あるものを、手に入れられるものを、可能な限り使い尽くしていくこと。
ないなら、ないなりに暮らし、過ごしていくこと。今あるものを修理したり丁寧に手当てし、使いこなしていくこと。
そういう価値観、美学を持ちたいものです。日々生きていること自体に感謝ですから。そんなふうに思っています。