弘子さんの朝比奈玉露
日本三大玉露生産地である静岡県朝比奈にて、「朝比奈玉露」を生産している方へのインタビュー第三弾。
多くの方に朝比奈玉露のことを知ってもらい、どのような想いでお茶づくりをされているのかを伝える手伝いができれば嬉しいです。ぜひ、最後までご覧ください!
なお今回ご紹介する皆さんは、全て手摘みで収穫した茶葉を自分の工場で揉むことで、最高級の玉露をつくる生産者さんです。
生産者紹介
三人目のインタビューは、池野 弘子さんです。
お父様である池野 弘造さんの跡を継ぎ、二年ほど前からご主人と共に主体となって玉露づくりに励まれています。弘子さんは、弘造さんがご活躍されている間は後継者として経営維持をしたりお手伝いをしていたそう。また、茶園の前にある「玉露の里」という道の駅でパートをしていたといいます。
ご家族といえど玉露作りに関わる息子さんや娘さんは多くはないため、お手伝いをされていた経験があったからこそ玉露への想いや伝統を受け継ぐことができたのだと思います。玉露への熱い想いをたくさん聴かせていただきました。
<道の駅 玉露の里>
日曜日には手揉保存会の方々が手揉みの実演をされています!
弘子さんのモチベーション
「このままいったら、私、朝比奈の玉露ってなくなっちゃうのかなって。
それだけ心配。」
弘造さんたちがお茶が大好きで、長く真摯に向き合ってきた姿を近くで見てきた弘子さんだからこその、朝比奈玉露がこれからも続いていくことへの願いやなくしたくない気持ちを何度も聴くことができました。
また、弘造さんの時代から経営されている「池野園」の昔からのお客さん等がやめないでと言ってくれているから頑張れるともお話しされていました。お店が玉露の里から上がってすぐのところにあるため、全国各地や海外の方まで様々な方が訪れます。
その中でも、ある台湾の方は何度もお店に来てくれるようになって今でも交流が続いているそう。台湾からお茶などを送ってくれたり、弘子さんから送ったりしているそうです。
実際に飲んでくれる人や応援してくれる人の声がとても力になるとおっしゃる弘子さん。茶畑が近く、生産者さんの顔が間近で見られてどのようにお茶づくりをして揉んでいるかを見られる場所ということもあり、色々な方と関わりができるそうです。
池野園の玉露パウダー
玉露というと煎茶や抹茶など他の日本茶と比べて高価なこともあり、手を出しにくいかもしれません。淹れ方もこだわれば急須や温度を意識して、一手間かかります。
そこで、観光で来てくれるお茶や玉露にまだ詳しくない人でも気軽に玉露を飲めるように作られたのが「玉露パウダー」です。
大勢の人に飲んでもらいたい、知ってもらいたいという想いで、飲むまでのハードルが低いことが特徴です。パウダーになっているため、ペットボトルに入れて振れば簡単に玉露を楽しむことができます。忙しい朝でも、カフェインの多い玉露を飲んで集中力を高められます。
池野園さんでは他にも、玉露の茶葉やつゆ茶の茶葉、お茶道具など色々と売られています。
今後やってみたいこと
つゆ茶や飲み比べイベントなどを通じて、朝比奈玉露を広める機会をもっと増やしたいそう。玉露が何かを知らずに訪れる方も多いそうなので、そういった方に飲んでもらって魅力に気づいて欲しいといいます。
地元の方でも、玉露についてや朝比奈玉露ならではの飲み方である「つゆ茶」について知らない方もまだまだいらっしゃいます。地元の方はもちろん、今まで朝比奈玉露に縁のなかった方々にぜひ知ってもらい、飲んでもらう機会が増えることが今後も朝比奈玉露が飲み続けられることに繋がります。
また、生産や茶摘みの段階から皆さんに携わってもらいたいともお話しされていました。
玉露は他のお茶とは摘み方や摘む期間が異なります。徐々に摘み子さんの人数が減ってきたり、玉露に携わる人が少なくなっているので、関心のある方はぜひボランティアなどに参加してほしいです!
最後に
朝比奈玉露がこれからも続いていくようにと考え、お父様の熱い想いを受け継いで玉露に向き合い続けている弘子さんのお話しには、聴いていて心に残る言葉がいくつもありました。朝比奈玉露を飲んだことのない方が一口飲んでみるだけでも、その味わいを誰かに伝えるだけでも、少しずつ変わるものがあると思います。
みなさんもぜひ、玉露の里を訪れた際にはその上にある弘子さんの茶畑ものぞいてみてください。そして、朝比奈玉露に携わる方から生の声を聴いてみて欲しいです!