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銀座通り界隈

スローリー余話
街の”なりたち”#15

昭和初期、関東大震災によって郊外へひとが移り住むとともに郊外から都心の企業に通うサラリーマンも増加し新たな移動手段として地下鉄が誕生しました。1927(昭和2)年に浅草~上野間で営業開始した地下鉄は1934(昭和9)年に銀座駅から新橋駅まで開通し銀座通りの地下に新たな鉄道が誕生しました。その頃、銀座通りには新たな百貨店が次々と開店。1924(大正13)年、当時は尾張町だった銀座6丁目に松坂屋銀座店が開店、翌年には銀座3丁目に松屋銀座店となる松屋呉服店が、そして1930(昭和5)年に銀座三越が開店し、今と同様に『銀座通り』には多くの買い物客で賑わいました。

昭和5年頃の銀座の松屋呉服店
(写真提供:中央区立京橋図書館)
昭和16年頃の銀座三越
(写真提供:中央区立京橋図書館)

そして2010(平成22)年に増床した銀座三越の新館には、1925(大正15)年に歌舞伎座前で氷水屋として創業した『三笠會舘』の洋食レストランがあります。(以下、2023年10月発売『東京Slowly² vol..2』より)

三笠會舘発祥と言われる『鶏の唐揚げ』

常連客の新たな愉しみ

銀座四丁目
西洋料理 三笠會舘

GINZA 1925
銀座三越店

1925(大正14)年、歌舞伎座前で創業した氷茶屋をルーツとする『三笠会館』。外食メニューとして1932(昭和7)年に日本で初めて『鶏の唐揚げ』を提供したと言われています。当時、苦境にあった支店の復活の切り札として登場し、その美味しさが瞬く間に評判となり看板メニューとなったお料理は、現在も『三笠会館伝統 骨付き鶏の唐揚げ』として多くの顧客に愛されている。丸鶏の様々な部位の美味しさをシンプルに愉しむために添えられるのはねりがらしと白ごま塩。あの米国発のフライドチキンでは味わえない上質な美味しさは老若男女問わず人気のある定番メニュー。2ピースから注文できるので「とりあえず唐揚げ」という常連客も多いという。

予約必要な洋食弁当

銀座並木通りの本店はフレンチ、イタリアン、和食に中華、そしてBarなど全てハイクオリティの飲食を長年提供してきた“美味しい館”。その歴史に寄り添ってきた常連客も多いが彼らにとって2019年開店した銀座三越店は新しい居場所になっているようだ。本店から、この春に支配人として着任した田口さんはこう語る「本店の常連のお客さまから『買い物帰りに便利』と言われます」さらに「先日、デイナーを召し上がったお客さまから『お昼は本店の中華だったわ』と、三笠のハシゴをしてくださったのです」など、常連客にとって新しい愉しみになっている証左である。昼下がり、買い物帰りにゆっくりと過ごすには最適のロケーション。明るい新店舗で伝統の洋食を愉しんではいかがでしょう。

〒104-6212 東京都中央区銀座4-6-16 銀座三越新館11階
03-6263-2745
営業時間:
平日ランチ11:00-15:00(L.O.14:30) 平日ディナー17:00-21:00(L.O.20:00) 
土日ランチ11:00-15:00(L,O,14:30)土日ディナー17:00-22:00(L.O.21:00)
定休日:三越銀座店に準ずる

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