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2023年5月ついに利上げは打ち止め?フィリピン株は後半戦どうなる!?

どうも、
フィリピン在住サラリーマン兼投資家のShoheybeatzです。

久しぶりの投稿になります。
5月はプライベートで色々と忙しかったこともあり、1ヶ月以上間が空いてしまいました。

2023年も半分が終わろうとしていますが、

みなさん、どのようにお過ごしでしたでしょうか?

フィリピン株はと言いますと、

5月は大変嬉しいニュースが多く、株価は上昇傾向にあります。中でも先週発表があった金利については、

インフレ率が3カ月連続で緩和したことを受けフィリピンの中央銀行(BSP)は利上げをしませんでした!

今回は5月に発表があったフィリピンの経済ニュースと第一四半期の決算、そしてフィリピン株式市場の今後の予想についてご紹介します。


5月のフィリピン経済ニュース

まずは今月5月に発表された重要なフィリピンの経済指標データまとめからです。

国内総生産


先週フィリピンの統計庁は第一四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比6.4%と発表、2021年第2四半期の12%以来7四半期で最も低いペースを記録しました。

ただしこれはインフレと金融情勢の引き締めによる経済成長の鈍化だと言えますが、それでもフィリピン政府の目標である年間6.0~7.0%の成長の範囲内に収まっています。

フィリピン失業率

次に月初に発表があったフィリピンの失業率ですが、3月の失業率は4.7%で、2月の4.8%から若干低下したことがわかりました。

なお、3月に最も多くの雇用を失った産業は、農業および林業がトップで、それに金融および保険業、製造業が続いており、中でも
製造業や金融など、国が「質の高い」とみなしている雇用が減少してようです。

インフレ

フィリピンのインフレ率ですが、今年1月に14年ぶりの高水準となる8.7%を記録した後、2月に8.6%、3月に7.6%、そして先日発表された4月は6.6%で3カ月連続で減速しています。


とは言っても政府の目標インフレ率は範囲が2~4%ですので、まだまだといったところです。

しかしインフレに鈍化が見られたことを受けてBSPは昨年5月に利上げを開始して以来初めての利上げを見送りました。


また2023年のインフレ率予想を6%から5.5%、2024年は3.1%から2.8%に下方修正し、インフレ率は早ければ今年9月にも月次ベースで2~4%以内に低下すると予想していると見ています。

実際に来月以降も利上げなしが継続されるのかはわかりませんが、このままインフレの勢いが弱まることにより、利下げに転じる可能性はあります。

マーケットは今回の政策金利の一時停止を受けて、早ければ2023年6月にも銀行の預金準備率(RRR)が引き下げがあるのではないかと期待が高まっていますが、

これはBSP総裁のメダラ氏もこれまで何度か発言しているため、今後のインフレの状況もそうですが、米国FRBの出方次第により金融引き締めから緩和に移るステージに差し掛かっているのだと言えます。

RCBCのチーフエコノミスト、マイケル・リカフォート氏によると、 「預金準備率(RRR)を現在の12%から引き下げる可能性は十分にありえる」と述べており、

RRRが1%ポイント引き下げられるごとに、金融システムに約1300億ペソ相当の資金が流入するとのことですので、そうなることでマーケットの流動性が高まり、株高が期待できそうです。

第1四半期の決算

今月に入り、フィリピンの上場企業の決算発表がありましたのでご紹介します。

SM Investments 

SM Investments Corp. (SMIC) は2023年第 1 四半期に2桁の利益成長を記録し純利益が173億ペソとなり、昨年の130億ペソから33%増加しました。

銀行部門のBDOは、堅調な貸付金と預金の伸び、堅調な手数料収入の創出、および資産の質の向上に後押しされ当期純利益が41%増の 165 億ペソと報告しました。

China banking Corporation(CHIB)も同様に、力強い資産基盤の拡大、堅調な純金利収入、信用引当金の減少により、第1四半期に3%増の50億ペソの純利益を計上した。

SMの不動産部門であるSMプライム・ホールディングス(SMPH)も、モール事業収益が88%増加したことを受け、純利益は94億ペソを記録した。 

Ayala Corporation

アヤラ・コーポレーション(AC)は第一四半期の純利益が31%増加して102億ペソになったと発表。 第1四半期の最大の貢献企業の中には、銀行部門BPIの純利益は121億ペソを記録し、Ayala Land(ALI)は純利益が42%増加しました。

エネルギー部門ACENの純利益は20億ペソに達しましたが一方で通信部門グローブ・テレコム(GLO)は1年前と比べて純利益が47%減少したと発表しています。


JG Summit Holdings

ゴーコンウェイ財閥のJGサミット・ホールディングスは第1四半期に44億ペソの中核純利益を報告し、1年前の6億8,900 万ペソの純損失から反転しましたがこれはセブ航空 (CEB) が、前年同期の 76 億ペソの純損失に対し、11 億ペソの利益で黒字に戻ったことによります。

食品事業ユニバーサル・ロビーナ・コーポレーション(URC)は34億ペソの純利益を計上、 ロビンソンズ ランド コーポレーション (RLC) は、モールおよび住宅部門の営業利益とホテル部門の収益性により純利益が 14 億ペソから 27 億ペソへ92.9% 増加しました。

一方で小売部門ロビンソンズ・リテール・ホールディングス(RRHI)は54.5%減の5億3700万ペソと報告しています。

GT CAPITAL HOLDINGS

GTキャピタル ホールディングス(GTCAP)は、メトロポリタン・バンク・アンド・トラスト・カンパニー(メトロバンク)とトヨタ・モーター・フィリピン(非上場)の銀行事業と自動車事業の好調な業績が寄与し、第 1 四半期の純利益が64 億ペソとなり、前年同期比 52% 増加したと報告しました。

メトロポリタン・バンク・アンド・トラスト・カンパニー(MBT)は同期間、純利益が31.3%増の105億ペソとなり、純金利収入は28.8%増の249億ペソとなっています。

AXAフィリピンの連結純利益は、保険料マージンと純投資利益の改善を背景に66%増加し、7億800万ペソとなった。 トヨタモーターフィリピンは力強い成長の勢いを維持し、同期間に 118% 増の 45 億ペソの連結純利益を記録しました。

フィリピン株式市場

では、最後にフィリピンのマーケットについてです。

PSEインデックスは1月末に7,132をつけてから3月中旬までに10%下落し、その後アップダウンを繰り返しながら横ばいに推移して5月20日現在、6,664.55で取り引きされています。

とくに5月はインフレ率や失業率の経済指標が好調で、第一四半期の各社決算、さらに先週木曜日にBSPによる発表がマーケットにとってプラスと取れる材料が多く楽観的なセンチメントが広がっていると言えるでしょう。

しかもPSEインデックスの予想PERが13 倍で過去に平均の17倍であったことを考えると割安感があり、絶好の買い場と投資家に考えられているのかもしれません。

なお、ここ数ヵ月で最も活発に取り引きされているのが銀行セクターのBDOやBPIですが、その次に第一四半期の決算でも好調だったSMやGT Capitalなどの複合企業、そして旅行需要の高まりから今年はBLOOM、CEBなどが注目されています。

ここから個人的な意見になりますが、

テクニカル的には、移動平均線がゴールデンクロスして、上昇トレンドに入っているものの、まだ3月からの下値トレンドラインまで下がる余地があると思っています。

それに5月が終わりこれから6月に入りますが、7月にかけて株価は上昇傾向にあると思いますが、問題はその後。

なぜなら8月は「Ghost Month」と呼ばれる一年を通してフィリピンでもっとも株価が下がる月を迎えますので、8月と9月は注意が必要です。

ただ5月現在、インフレは鈍化していて、利上げも一服感が出てきました。さらに早くても6月から金融緩和が来る可能性が見えてきたこの状況はこれから年末にかけてもっと良くなると思っています。

もちろんまだ油断は禁物ですが、「これから金融引き締めがくるぞ!」と言われていた昨年5月からすると既に利上げは後半戦に入っていると言ってよく、

そう考えれば、9月以降年末にかけて年間で最も株が上がる傾向にある時期に入り、そこで1月に越えられなかった7200をトライして、そこを抜ければ7800レベルまで上昇するのではないかと期待してます。


まとめ

2023年第一四半期の国内総生産(GDP)が政府の目標範囲であったことや失業率が低下していること、大手財閥企業の決算が好調であったこと、さらにインフレ率が3か月連続で低下していることを受けBSPによる利上げが今回行われなかったことなど、5月はフィリピン株式マーケットにとってプラスとなる材料が多く出た月でした。

加えてBSPは米国FRBの動向やフィリピンのインフレによっては今後早くても6月から金融緩和に乗り出す可能性があることを述べており、そうなった場合マーケットの流動性が上がり株高が期待できます。

PSEインデックスは今年1月に高値を付けたあと3月まで10%以上下落し、その後横ばいで推移していましたが、ここにきて移動平均線がゴールデンクロスをして上昇トレンドに入っています。

この数か月でもっとも取り引きされているのはBDOやBPIなど銀行セクターですが、今回の決算発表を受けて、SMやGTCAPなどの複合企業や旅行需要の増加に伴いBLOOMやCEBなどの銘柄が注目されています。

短期的には株価が上昇する可能性があるものの、8~9月はフィリピンではゴーストマンスと呼ばれる1年を通してもっとも株価が下がりやすい時期に入るため注意が必要ですが、今後利上げも終盤局面に入っていると言えますので、年末にかけてPSEインデックスは1月に超えられなかった7200レベルまで上昇するのではないかと思っています。

今回はこんなところで、失礼します。


※なお上記内容は投資3年目の超ビギナーによるものですので、必ずしもそうなるとは限りませんので、その点はご理解お願いします。


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参考記事

https://business.inquirer.net/401685/psei-ends-week-strong-after-bsp-halts-rate-hikes


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